競馬週刊ニュース(22/10/11~22/10/16)

チュウワウィザード引退 今後は優駿SSで種牡馬入り(10/13)

2020年チャンピオンズCなどダートGⅠ・JpnⅠで計4勝を挙げたチュウワウィザードの引退が発表された。
チュウワウィザードはキングカメハメハ産駒の7歳牡馬で、今年度はJpnⅠ川崎記念1着、GⅠドバイWC3着、JpnⅠ帝王賞2着という成績を収めていた。
今後は優駿SSで種牡馬入りする予定。

ビリーヴの子孫の活躍が止まらない エイムインライフ新馬勝ち(10/15)

土曜阪神5R、芝1600mで行われた2歳新馬戦を勝利したのは単勝5番人気だったエイムインライフ。
2番枠からスタートを決めて道中は内4番手を進み、直線に入ると馬場の真ん中から早めに抜け出し、1番人気のダノンバベルが追い込むも1 1/4馬身差抑え込んだ。
父Kitten's Joy、母Elishevaという血統の外国産馬で、母母は名牝Believe。
先日スプリンターズSを勝ったジャンダルムに非常に血統構成が似ており、さらにジャンダルムも阪神芝1600mの新馬戦を勝利している点が興味深い。
近親のGⅠ馬に重なる点が多いエイムインライフだが、太平洋を越えてやってきた名牝の子孫が時を超えて日本競馬を盛り上げるか、注目の1頭だ。

トレド 軽く走って7馬身差 新馬戦に続きプラタナス賞でも圧勝(10/15)

土曜東京9R、2歳1勝クラス戦のプラタナス賞(ダ1600m)を圧勝したのはヘニーヒューズ産駒のトレドだった。
新馬戦(中山ダ1600m)を1.0秒差で逃げ切り、2歳コースレコードまで叩き出したことから本レースでは単勝オッズ1.8倍の一本被り状態。
大外枠のために前走のような逃げは打てなかったが、好スタートから2番手に付けてしっかりと折り合う。
直線では楽な手応えで先頭に出ると、ほとんど鞭要らずで加速し続けて2着に7馬身差を着ける圧巻のパフォーマンスを見せた。
トレドは父ヘニーヒューズ、母リンガスウーノ、母父サウスヴィグラスという血統の2歳牡馬。
左右両回り対応可能であることも実証し、2歳のダート王者に向けて視界は良好だ。

岩田愛、岩をも通す イズジョーノキセキが府中牝馬Sを制覇(10/15)

土曜東京11R、エリザベス女王杯のトライアルレースであるアイルランドT府中牝馬SにはGⅠ3勝馬ソダシが出走し、東京競馬場はよもやGⅠデーのような賑わいを見せていた。
しかしゴール前、先頭で駆けてきたソダシに色めきだった大衆を黙らせたのは、こちらもアイドル岩田康誠騎手と単勝12番人気の伏兵イズジョーノキセキだった。
6番枠からスタートしたイズジョーノキセキは道中は後方集団で待機、ソダシを2列前に見る形をとった。
直線に入ると岩田騎手の巧みな鞭裁きで馬群を捌き、気づけばソダシの真後ろに。
ソダシは残り200mで先頭に躍り出たが、最後の最後、岩田騎手の完璧な計算とイズジョーノキセキの末脚が噛み合ってソダシをハナ差捕らえ切った。
イズジョーノキセキは父エピファネイア、母キングダンサー、母父キングカメハメハという血統の5歳牝馬。
同馬のオーナーである泉氏は岩田騎手の大ファンで、JRAで使用している勝負服は園田時代の岩田騎手の勝負服と同じという愛情の深さ。
そんなオーナーに重賞初制覇をもたらしたのだから、岩田騎手の大ガッツポーズにも納得がいく。
長年育まれた二人の絆が、府中に聳える真白の岩壁を貫いた。

競馬に絶対はない 英チャンピオンズSにてBaaeed敗れる 勝ったのはGⅠ初制覇Bay Bridge(10/16)

英アスコット5R、Qipco British Championsのメインとも言えるGⅠチャンピオンズS(芝1M2F)。
無敗の最強馬Baaeedのラストランの舞台として選ばれ、今年は例年に増して世界中から熱視線が注がれた。
レース前の話題はただ一つ、「Baaeedがどう勝つか」、それだけだったように記憶している。
しかしこのレースを以って、競馬には絶対がないことを世界中の競馬人はあらためて突きつけられることとなった。
2番枠からスローなスタートを切ったBaaeedは道中後方2番手を追走。
Baaeedの相手筆頭格であった英ダービー馬Adayarは直線の入りで早めに仕掛けて先頭へ並びかけ、Baaeedもポジションを上げてAdayarを射程に捉える。
私たちの知っているBaaeedは、ここから瞬く間に先頭に躍り出るはずだった。
しかし今を駆けるBaaeedに、私たちの知っている伸びがない。
Baaeedが踠くのを尻目にAdayar、Baaeedの寮馬My Prospero、さらにBay Bridgeが先頭で叩き合う。
とうとうBaaeedは先頭に抜けることはなく4着に敗れ、馬生で最初で最後の先着を許すこととなってしまった。
結局先頭集団の叩き合いを制したのはBay Bridgeで、2着はAdayar、3着にMy Prosperoが入った。
Bay Bridgeは仏ダービー馬New Bay産駒の4歳牡馬で、今年のプリンスオブウェールズSで2着があったものの前走エクリプスSで6頭立ての5着に敗れており、今回は単勝オッズで11倍の3番人気だった。
一方大本命だったBaaeedはついに負けてしまったが、しかしこれまで見せてくれた衝撃的な強さと自身の価値は色褪せることはないだろう。
Baaeedの種牡馬としての成功を信じて止まないのと同時に、競馬の本質をまざまざと見せつけられた日となった。

インザストーンが未勝利戦を勝ちインカンテーション産駒JRA初勝利を飾る(10/16)

日曜東京1Rの2歳未勝利戦(ダ1400m)では、新種牡馬インカンテーション産駒のインザストーンが逃げ切り勝ちを収めた。
単勝オッズ1.4倍の1番人気に推された中で好スタートから逃げの手を打つと、直線では後続との差をさらに離す強い内容で見事勝ち上がった、
インカンテーションは今年度の新種牡馬で、現役時代はダートGⅢ・JpnⅢを計6勝したほか、フェブラリーSで2着となるなどダート戦線で活躍を見せた。
現在は浦河町のイーストスタッドで繋養されている。
インカンテーション産駒は地方で13勝を挙げていたものの、JRAではこれが初の勝ち上がりとなった。

福永祐一騎手 史上4人目となるJRA通算2600勝達成(10/16)

日曜阪神1Rの2歳未勝利戦をゴッドセンドで勝利した福永祐一騎手は、これを以って史上4人目となるJRA通算2600勝を達成した。
福永祐一騎手はデビュー27年目で現在45歳、今年はジオグリフで皐月賞、カフェファラオでフェブラリーSやマイルCS南部杯を制している。
なお、他の同記録達成者には武豊騎手、岡部幸雄元騎手、横山典弘騎手がいる。

ビターゼノビア 好時計で新馬勝ち(10/16)

日曜東京4R、ダート1600mの2歳新馬戦を制したのは牝馬のビターゼノビア。
7枠スタートから3番手に取り付くと、直線では半ばで先頭に出てそのまま後続に影を踏まさず、2着に6馬身差を着けての楽勝を収めた。
余裕のある競馬で同コースの2歳新馬戦レコードタイのタイムを叩き出し、素質の高さを見せつける格好となった。
ビターゼノビアはヘニーヒューズ産駒の2歳牝馬で、血統表を見ると父系母系ともにアメリカ色が強い。
持ち前のパワーとスピード力に期待が持てる1頭である。

仏二冠牝馬の仔 ルモンドブリエが新馬戦を制す(10/16)

日曜阪神5R、芝2000mで行われた2歳新馬戦を快勝したのはルモンドブリエ。
最内枠スタートから先行集団の内でロスのない競馬に徹し、直線では少し外に出して坂の頂上で先頭に並ぶと間も無く躱して余裕のある勝ち方を見せた。
ルモンドブリエは父エピファネイア、母ラクレソニエール、母父Le Havreの2歳牡馬。
母ラクレソニエールは仏牝馬二冠馬であり、現在は社台ファームで繁殖生活を送っている。
その良血ぶりに今後も目が惹かれることは間違いない。

オジュウ敗れる 東京ハイJを勝ったのは3番人気ゼノヴァース(10/16)

日曜東京9RではJ・GⅡ東京ハイJが行われた。
人気はJ・GⅢ連勝中のホッコーメヴィウスとレジェンドオジュウチョウサンが分け合う形となっていた。
ホッコーメヴィウスが離して逃げて、以下隊列がまばらに散った感じでレースは展開していった。
最後の直線に入るあたりでもホッコーメヴィウスの手応えは抜群で逃げ切り濃厚、一方オジュウチョウサンは全く伸びがない。
しかし、道中は2番手でホッコーメヴィウスに眈々と狙いを定めていたゼノヴァースが直線で伸びてきた。
ゴール前はこの2頭の叩き合いとなったが、最後はゼノヴァースが2馬身の差を着けてホッコーメヴィウスを下した。
オジュウチョウサンは大きく離れた9着に敗れ、期待に応えることができなかった。
ゼノヴァースは父ディープインパクト、母リズムオブライト、母父Beat Hollowという血統の5歳牡馬で、これが初の重賞制覇となった。

スタート負けもものかは ウンブライルもみじSを快勝(10/16)

日曜阪神9R、2歳OP戦もみじS(芝1400m)ではステルヴィオの全妹ウンブライルが単勝オッズ1.3倍の圧倒的1番人気となっていた。
スタート直後はスムーズさを欠いて先頭と大きく離されてしまったが、3角前ではしっかり先行集団に取り付いた。
直線では外から坂を一気に駆け上がり、あっという間に先頭に出て2着に3馬身差を着けてゴールした。
ウンブライルは父ロードカナロア、母ラルケット、母父ファルブラヴという血統の2歳牝馬で、2018年のマイルCSを勝ったステルヴィオの全妹に当たる。
体型はまさに芝ダート不問のスプリンターという感じだが、1400mも守備範囲内なのであろうか。

最後の一冠秋華賞 オークス入着馬のワンツースリー ついに華開いたスタニングローズ(10/16)

日曜阪神11R、3歳牝馬路線の最終戦であるGⅠ秋華賞(芝2000m)。
二冠馬スターズオンアースを筆頭に春を戦ってきた精鋭と夏の上がり馬の顔合わせという構図であるものの、やはり上位人気の馬で決まる雰囲気が漂っていた。
大衆の読みは的中し、入着したのは上位人気3頭でしかもオークスの入着馬、しかしその先頭でゴールテープを切ったのは3番人気でオークス2着馬のスタニングローズだった。
好スタートを切るも外から押し上げてきたアートハウスに前を譲り、同馬の後ろという良いポジションを取ることに成功した。
一方1番人気スターズオンアースはスタートで出負けをしてまさかの後方待機の形となってしまう。
2番人気でオークス3着馬のナミュールは混み合う先行集団を数列前に見る位置でしっかり折り合った。
隊列に大きな変化はなかったが途中で一旦速くなる特殊な展開で、自力が問われる競馬に。
直線に入ると外の良い馬場に出して、残り2Fを切ったところで先頭のアートハウスを捕らえ切る。
外からナミュール、そして内からなんとスターズオンアースが追ってきたが、スタニングローズが2頭を0.1差振り切ってついにGⅠ勝利を決めた。
1/2馬身差の2着にナミュール、そのハナ差にスタニングローズが入り、結局春に活躍した馬の地力を見せつけられた格好となった。
スタニングローズは父キングカメハメハ、母ローザブランカ、母父クロフネの3歳牝馬、名牝系の薔薇一族に属する良血馬である。
祖である母母ローズバドが2着に敗れた秋華賞で孫がリベンジを果たしたことに、やはり血統のロマンスを感じぜずにはいられない。
また、鞍上の坂井瑠星騎手はこれが自身初となるGⅠ制覇となった。
これからの牝馬路線を牽引していくであろう馬と、これからの日本競馬会を牽引していくであろう騎手のコンビである。
大舞台でのさらなる活躍を期待してやまない。

石橋脩騎手 JRA通算800勝達成(10/16)

日曜東京12Rの3歳以上2勝クラス戦をジャスティンスカイで制した石橋脩騎手は、これを以ってJRA通算800勝を達成した。
石橋騎手はデビュー20年目で現在38歳、近年は2021年エプソムCをザダルで、2021年アーリントンCをタイセイビジョンで制している。

JRA種牡馬着別度数ランキング

第1位はエピファネイアで8-3-1-14/26。
全体で4番目に多い出走頭数ながら勝率30.8%、連対率42.3%というハイスコアを叩き出し、流石にこれには恐れ入った。
GⅡ府中牝馬Sをイズジョーノキセキが勝ち、2歳馬も5頭が勝ち上がりと、内容も申し分なかった。

第2位はディープインパクトで4-2-1-28/35。
こちらはJ・GⅡ東京ハイJをゼノヴァースが勝ち、ディープインパクト産駒5頭目の障害重賞制覇となった。
また、コントレイルの全弟サンセットクラウドも2勝目を挙げた。

第3位はアジアエクスプレスで3-2-2-5/12。
勝率25.0%、連対率41.7%、複勝率58.3%という成績は12頭出しを考えれば非常に優秀だ。
新馬戦で2着となったラピッドベルはクビ差の惜敗だっただけに、次走での勝ち上がりに十分期待を持てる。

以下勝ち数3で並んだのがロードカナロアとヴィクトワールピサだった。

重賞勝ちに関しては、エピファネイア産駒のイズジョーノキセキが府中牝馬Sを、東京ハイJをディープインパクト産駒のゼノヴァースが、秋華賞をキングカメハメハ産駒のスタニングローズが制した。

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