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テレワークセルフケア 3つの秘訣


こんにちは、 産業医の堤です。

この1年で企業におけるテレワーク(リモートワーク)の導入や拡大が進みました。

この記事を読んでいる方の中には、


「最初はやったー!と思ってたけど、意外に疲れるな・・・」
「だめだ、全然集中できない」
「1日中仕事している気がする・・・」

という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 そこで今回は、テレワークを元気に続けるために個人でできる対策=セルフケアをご紹介します。



1.テレワークを「ととのえる」5つのルーティンアクション


テレワークになると必然的に生活のリズムが変わり、

「なんとなく調子が悪い」

という状態を引き起こしやすくなります。

生活のリズムが変わるとなぜ身体の調子が悪くなるのでしょうか。

答えは「自律神経の乱れ」いわゆる体内時計の乱れなのです。

生活のリズムを安定させ、自律神経を整えるためには、「5つのルーティンアクション」がおすすめです。

1.いつも同じ時間に起きて朝食をとる

 テレワークになると通勤時間が短縮できる分、ついつい寝坊してしまいがちです。しかし自律神経は急なリズムな変化に耐えられません。テレワークであってもできるだけオフィス出勤時と同じ時間に起きるようにしましょう。

「そんなこと言っても通勤時間分眠りたい…」

そんなあなたは「誤差30分以内」ならよしとしましょう(笑)特にテレワークとオフィス出勤を交互に繰り返す場合はここを意識すると効果的ですよ。

2.必ず1度は外に出る
 

 自宅でテレワークを行う場合、起きてから一度も外出せずにデスクに向かう方もいらっしゃると思います。じつは、これも自律神経を乱してしまう原因の一つです。

 人間の自律神経は、日光などの強い光によって日々調整されることが知られています。

 残念ながら屋内の照明では明るさが不足しているため一度は外に出て日光を浴びるようにして下さい。

3.軽い運動をする
 

 現代人はただでさえ運動する機会が減っています。そんな中で通勤は貴重な運動の機会です。テレワークになるとこの通勤さえしなくなり運動不足になってしまいます。  

 運動不足もリズムの乱れや自律神経の乱れにつながります。

先述した1度の外出時についでに散歩をしたり、ストレッチや軽体操をしてから仕事に臨むと気持ちも乗りやすいですしリズムも作りやすくなります。

また、自宅の環境などが必ずしもオフィスと同じでなく、椅子や机がデスクワークに不向きな場合もあります。

作業の環境を見直すとともに、肩こり・腰痛予防などに運動・ストレッチも取り入れましょう。

※おすすめ検索ワードは「PC作業 姿勢」「家でできる ストレッチ」など!賃貸マンションでできる運動動画もたくさんあるので、ぜひ調べてみてください。

運動は仕事のパフォーマンス向上やストレス解消にも効果的ですので、

「45分作業したら5分ストレッチ」など、アラームをセットするのも良いですね。

4.仕事の前に身だしなみを整える


 テレワークの場合、着替えをしなかったり、パジャマのまま仕事を始たりする方もいらっしゃるでしょう。しかし、身だしなみを整えないと、つい気持ちが緩んですぐに横になってしまうなど、気持ちが仕事モードに切り替わりません。ひげを剃る、軽くお化粧をする、仕事着に着替える。腕時計を付ける、など簡単な動作で良いので身だしなみを整えて仕事のスイッチを入れましょう。逆に仕事が終わった時は、普段着に着替える、腕時計を外すなどの行動が仕事モードを終わらせる合図にもできます。

毎日のおしゃれに気を使うだけでも気分は上がります。女性の方ではお化粧を少し変えてみるのもGoodです。気分も変わるし、毎日のコンディションの変化にも気づきやすくなりますよ。

5.仕事の前後にノートをつける


 テレワークではタスク管理と振り返りがとても重要です。
まずは、仕事に取り掛かる前にデスクを整理して、1日のタスク整理のためのノート(手帳)をつけましょう。
 そして仕事後もデスクを片付けてノートをつけましょう。ノートにつける内容は、1日の振り返りです。どんな一日だったか、どんな印象だったかを振り返り一言でもいいので書きとめましょう。注意点はToDoを振り返らないこと。一日の最後にToDoを振り返ってしまうと、気持ちが休まりません。あくまでどんな一日だったかを振り返るようにしてください。書き留める場所はノートにこだわらず、スマホのメモやアプリでもOK。アプリの「Day One」はおすすめです。
 テレワーク、ましてやコロナ下だと、毎日の変化がわかりづらく成長等を感じずらくなってしまいます。予防医学者の石川善樹先生も「今日1日で何が印象に残ったのかというフィーリングを振り返る」「ToFeelで1日を締める」と自然と日々が改善されていくと延べています。https://globis.jp/article/7182

 最近では伊藤羊一さんが「一行書くだけ日記」という著書も出されていました。興味のある方はぜひお読みください。

 この5つのアクションをルーティンのように取り入れることでリズムをつくり、元気にテレワークを続けることができます。

2.ON/OFFを意識しよう 〜2つのキョリと「ソトオキ」化〜


 最近は、スマートフォンやインターネットが普及し、どこでも仕事ができるようになりましたよね。これは裏を返すと「どこでも仕事をしなければならない」状況になったということです。オフィスにみんなが勤務しているときは、オフィスを出たら仕事の話はしないというような雰囲気ができていても、多くの人がテレワークになると、仕事と仕事以外の線引きが空間的にも時間的にもあいまいになります。そうなると仕事のON/OFFが付けづらくなり、メンタル不調を引き起こしかねません。

そこでON/OFFの付け方の工夫として

「2つのキョリ」と「ソトオキ化」についてお伝えします。

1つめの「キョリ」:空間的な距離

 まず大事なのは仕事と空間的に距離を取ることです。

空間的の距離の取り方は、できるだけ仕事をする場所としない場所を明確に分けることです。

リビングや寝室など本来であればくつろぐ目的の空間に、パソコンなどの仕事の道具を置いてしまうとどうしても気が休まりません。見るたびに仕事を思い出してしまうからです。

そのため、

・仕事をする部屋を分ける

・仕事が終わったらパソコンを閉じてコンセントを抜き、見えないところに収納したりする

などの工夫が必要です。人によっては寝室にスマートフォンを持ち込まない工夫をしている方もいます。


2つめのキョリ:時間的な距離

 人間がしっかりとリラックスし休養を取るためにはある程度の時間が必要です。そこで大事なのは、時間的な距離の取り方です。

ある研究では翌日に仕事が控えているだけで睡眠が悪化すると報告されているほど、時間的なゆとりがないとどうしてもストレスを感じやすくなってしまいます。ぜひ時間的な距離を取る=リラックスする時間を確保するということも意識してください。

例えば、

・仕事をしない時間をしっかりと決める

・スマートフォンやPCなどの通知を切る

・職場全体で時間外は連絡を控えるなどのルールを作る

といった工夫も必要です。

また長時間労働は心身の健康に悪影響を及ぼすと言われています。

テレワークではついつい労働時間が長くなりがちなのでいつも以上に注意が必要ですね。

仕事を「ソトオキ化」する

 自宅でテレワークをしていると、いつでも仕事ができてしまいます。そのため、夜遅い時間にふと仕事を初めて次の日寝不足になってしまったなどということが良く起きます。

どうしても仕事のことが気になる場合は、忘れないようにメモに残して次の日にやるなど、

頭の外に仕事のことを出す=「ソトオキ化」

することを心がけましょう。

ちなみに一日の終わりに、その日やり残した事や翌日のやるべきこと、すなわちToDoを振り返るのは避けた方がいいと言われています。

これをやるとどうしても「やりのこした感」が出るからです。

ソトオキ化するには、思いついたこと一つにとどめてそれ以上仕事のことを考えないのが重要です。

3.自分カレンダーの勧め


 テレワークでは自分の裁量でいくらでも仕事ができるぶん、自分の時間をコントロールする必要が出てきます。そこでお勧めなのが「自分カレンダー」です。やり方は簡単です。自分のスケジュールに仕事だけではなく、休みや趣味など時間を確保して記入するだけです。休みとか余暇も仕事をする上では非常に大事なものです。

 もしも休みや趣味の時間が確保できなければ、無理が生じているので仕事とか生活の優先度を見直してみましょう。また、仕事をしてると必ず予定外のことが起きますから、対策としてバッファ=ゆとりを確保しておきましょう。休み趣味も全部入れて8割ぐらいで収めるのがいいでしょう。人によってはもっとたくさんバッファが必要な場合もあるでしょう。
 ちなみに仕事上のスケジュールは、クラウドサービスのカレンダー共有等で職場でも共有すると、仕事や忙しさの見える化につながります。


おわりに
 

 今回はテレワーク(リモートワーク)で個人ができる工夫をお伝えしました。このnoteをご覧になられて、「これはいいな」「やってみてよかった」と思われた方はぜひ、会社の仲間やお友達にも紹介してみてください。

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