日曜討論のAI分析

前回、日曜討論の文字起しデータを掲載しました。

実は、やってみたかったのは、ChatGPTを使ったこの討論の分析です。
ChatGPTの方がバイアスのかからない中立な分析ができることを期待しています。では、さっそくやってみます。
今回、分析をお願いしたのはGPT-4 になります。前回、掲載した文字起しデータをPDFに変換して入力としています。


1. 統計的分析(発言回数、発言量、比率)

まずは、定量的な分析から。
発話者と所属、それから発話回数、発話語数と、全体に対する比率になります。
数字だけ見ると、自民党の発言回数が多く、不公平な印象ですが、実際には、今回、自民党の出した与党案というものが不十分で、他党から批判的な意見が出るため、司会者から振られて回答するという機会が何度かありました。例えば、日本維新の会の青柳氏からの「具体性がゼロ」という指摘に対して振られたケースなど。
他にも立件民主の落合氏や維新の青柳氏も若干、発言数が多いわけですが、これは、例えばれいわ新選組の大石氏から維新の青柳氏が、万博カジノの夢洲開発に関わる特定の建設業者からパーティー券を購入してもらっているという指摘があったりするように、野党側も野党同士で批判されるケースもあったからです。

2. 司会の議論の進め方に関する評価

ここからはChatGPTならではの定性的な評価ですが、先に気になった発言回数などの偏りに関して聞いてみました。

司会者の議論の進め方については、全体的には適切に行われていたと考えられます。各出演者に対して適切な質問を投げかけ、議論を円滑に進める役割を果たしていました。

ただし、一部の点で改善の余地があるとすれば、以下のような点が考えられます。
■議論の深堀り:各出演者からの発言に対して、より具体的な内容や詳細を求める質問を投げかけることで、議論をより深く進めることができたかもしれません。
■時間管理:出演者の発言時間が一部で偏っていた可能性があります。全ての出演者が平等に発言できるよう、時間管理に注意を払うことが重要です。
■議論のまとめ:各テーマごとに、出演者の意見をまとめて整理することで、視聴者にとって理解しやすい議論にすることができたかもしれません。

GPT-4

ChatGPTによくある、最初にあげて、後半落とす分析ですね。それなりに良さそうですが、発言時間の偏りに関して、どのように偏っていたのか聞いてました。

具体的な発言時間のデータは提供されていませんが、発言回数を見ると、司会者が37回、鈴木馨祐氏が11回、他の出演者が5〜7回となっています。これは、司会者が出演者に対して多くの質問を投げかけている一方で、出演者同士の議論の機会が少なかった可能性を示しています。
また、出演者の発言量を見ると、鈴木馨祐氏が1,090語と最も多く、他の出演者は450〜670語となっています。これは、鈴木馨祐氏が他の出演者よりも多くの時間を使って発言していた可能性を示しています。
これらの点から、時間管理に関しては、出演者全員が平等に発言する機会を持てるよう、発言時間の配分に注意を払う必要があったと言えます。

GPT-4

司会の発言数に対して出演者の発言の比率から、出演者同士の議論が少ない、という分析、日曜討論ならではの議論の進み方をよく表していますね。

3. 出演者の発言を論理的/感情的観点に分析

次に、こちらもChatGPTによる分析でよく用いられる分類。まず、発言内容から論理的な順に並べてもらいました。

以下に、出演者の発言内容を論理的な順番に並べてみます。
① 鈴木馨祐(自由民主党):与党案の概要とその目的(再発防止と議員の責任強化)を説明。
② 落合貴之(立憲民主党):与党案の不十分さを指摘し、立憲民主党の案を提案。
③ 青柳仁士(日本維新の会):与党案の不十分さを指摘し、政治とカネの汚い関係性を一掃するべきだと主張。
④ 中野洋昌(公明党):公明党の立場を説明し、連座制と透明性向上を重視すると述べる。
⑤ 古川元久(国民民主党):与党案の不十分さを指摘し、政策活動費の透明性を高めるべきだと主張。
⑥ 塩川鉄也(日本共産党):与党案の不十分さを指摘し、裏金の原資である企業団体献金の禁止を訴える。
⑦ 大石あきこ(れいわ新選組):裏金問題の再発防止につながらないと批判し、政策活動費の透明性を高めるべきだと主張。

GTP-4

逆に発言が感情的な順に並べてもらいました。

①  大石あきこ(れいわ新選組):裏金問題の再発防止につながらないと批判し、政策活動費の透明性を高めるべきだと主張。感情的な表現が強い。
②  塩川鉄也(日本共産党):与党案の不十分さを指摘し、裏金の原資である企業団体献金の禁止を訴える。感情的な表現が見られる。
③ 青柳仁士(日本維新の会):与党案の不十分さを指摘し、政治とカネの汚い関係性を一掃するべきだと主張。感情的な表現が見られる。
④ 古川元久(国民民主党):与党案の不十分さを指摘し、政策活動費の透明性を高めるべきだと主張。感情的な表現は少ないが、批判的な立場を示す。
⑤  落合貴之(立憲民主党):与党案の不十分さを指摘し、立憲民主党の案を提案。感情的な表現は少ないが、批判的な立場を示す。
⑥ 中野洋昌(公明党):公明党の立場を冷静に説明し、連座制と透明性向上を重視すると述べる。
⑦ 鈴木馨祐(自由民主党):与党案の概要とその目的(再発防止と議員の責任強化)を冷静に説明。

必ずしも論理的は発話と感情的な発話は対称性があるわけではなく、維新の青柳氏は両方トップ3に入っています。確かに青柳氏の発言は、具体的な数字を挙げることでリアリティを出す一方、割と強い口調で自民党だけでなく他党も断罪するような発言もあり、メッセージにメリハリがあった印象です。

4. 発言の類似性

次に、出演者の中で意見が近い人をグルーピングしてもらい、その類似点も挙げてもらいました。

【グループ1】
落合貴之(立憲民主党)
青柳仁士(日本維新の会)
古川元久(国民民主党)
塩川鉄也(日本共産党)
大石あきこ(れいわ新選組)
【グループ2】
鈴木馨祐(自由民主党)
中野洋昌(公明党)
【類似点】
グループ1のメンバーは、与党案が不十分であり、より具体的な改革が必要だと主張しています。また、政策活動費の透明性を高めるべきだという意見や、企業団体献金の禁止を訴えるなど、政治資金のあり方について厳しい視点を持っています。
一方、グループ2のメンバーは、与党案が再発防止に重点を置いていると主張し、現状の法改正案を基本的に支持しています。また、議員の責任強化や透明性向上を重視しています。

GTP-4

グループ1が野党、グループ2は与党ということできれいに分類できました。
次に、グループ1の中での意見の相違があるのか教えてもらいました。

グループ1の出演者(落合貴之、青柳仁士、古川元久、塩川鉄也、大石あきこ)は、与党案が不十分であるという共通の見解を持っていますが、その解決策については異なる意見を持っています。
○ 落合貴之(立憲民主党)は、立憲民主党の案をベースに議論すべきだと提案しています。また、政策活動費の透明性を高めるべきだと主張しています。
○ 青柳仁士(日本維新の会)は、政治とカネの汚い関係性を一掃するべきだと主張し、政策活動費の透明性を高めるべきだと主張しています。また、企業団体献金の禁止を訴えています。
○ 古川元久(国民民主党)は、政策活動費の透明性を高めるべきだと主張し、企業団体献金の禁止を訴えています。また、政党交付金の停止を提案しています。
○ 塩川鉄也(日本共産党)は、裏金の原資である企業団体献金の禁止を訴えています。また、政党助成金の廃止を提案しています。
○ 大石あきこ(れいわ新選組)は、裏金問題の再発防止につながらないと批判し、政策活動費の透明性を高めるべきだと主張しています。

これらの意見を比較すると、政策活動費の透明性については一致していますが、企業団体献金の禁止や政党助成金の廃止については意見が分かれています。また、具体的な改革案についても、各党の立場により異なる提案がなされています。

GPT-4

最後に、グループ2の意見の相違を聞いてみましょう。

鈴木馨祐(自由民主党)と中野洋昌(公明党)の間で、政策活動費の公開基準額についての意見に相違が見られます。
鈴木馨祐は、政策活動費の透明性を高めるために、政策活動費の使途を報告し、それを政治資金報告書に記載することを提案しています。しかし、具体的な公開基準額については明言していません。
一方、中野洋昌は、公開基準額を5万円に引き下げるべきだと主張しています。これは、公明党が企業団体献金の透明性を高めるための方針であり、自民党とは異なる立場を示しています。

GPT-4

まずは議論をChatGPTの簡単な使い方で分析してみました。
少し私の観点も加えていますが、変なバイアスはかけていないつもりです。
この他にもいくつかの観点で分析は行いましたが、うまく面白くまとめられそうであれば、また掲載してみます。

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