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3.母親

「花屋さんに向かってほしい。」

迎えにきてくれた彼氏の車に泣き顔で乗り込んだ。

「どうしたん?」

事情を話しながら感情が抑えられず涙がこぼれ落ちる。
怒りはもちろんのことだが、こないだまでと言ってることが
正反対なのだ。

これは怒りなのか、悲しみなのか?

訳も分からずただ泣いてKに訴えた。

1997年5月、どこに花屋があるのかもわからないまま
とにかく普段の道のりを探してもらった。

「母の日のプレゼントなんていらない」

そう数日前までは言っていたはずの母親が豹変して怒り出した。

「母の日のプレゼントもないのか?」と。

毎年渡していた。きちんと渡していた。
学生の割に5万くらいする服を買ってあげたこともあった。

「いらない」

は、嘘だったのか?夢だったのか?

頭のなかが混乱して、母にその旨を伝えると

「一言もそんなことは言っていない」

と、いつもは穏やかな母がプンプンに怒って私に訴えてくる。


「欲しいのか?」と聞くと、
「別にモノが欲しいわけではない」と答えが返ってきた。

対等な関係における、感情をむき出しにした大ゲンカ。

多分この日を境にこの母親という存在がわからなくなり始めた。

この人は本当に私のことを思っているのか?

自分のことが本当は一番大切なのか?

ジブンヲシアワセニスルコトダケヲカンガエテホシイ


そういわれているような気がした。

足つぼマニアの研究室の室長。 足指のトラブルに悩むお客様を7,000名以上見てくる中で、 心理的なものが足指にリンクするのではないか?と 新たな学びをはじめる。