ジェロの売り方の誤算

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少し前になるけれど、平成の黒船と言うキャッチフレーズでアメリカ国籍の黒人と日本人のクォーターのジェロが日本の芸能界にデビューして人気を博した。同時期にやはり黒人のクリスハートがデビューして歌番組に出まくっていた。昨今のBLMデモでは、日本に黒人の差別が存在していると主張しているが、良いものを良いと素直に認める日本人の感性では黒人蔑視など持たないし、ジェロやクリスハートが日本語の歌で歌唱しヒットした理由がBLM運動をする彼らには到底理解出来ないだろう。

さて海雪と言うポップなダンスを入れた演歌でデビューを飾った歌唱力のあるジェロだったが、その後はプロデューサーの思惑で全く違う方向で売られてしまい低迷してしまった。そのキーワードはLGBTと差別。


ジェロの明るいイメージを影のある屈折した青年と変えてしまった中村中には大きな間違いをしたとしか言いようが無い。

友達の歌でシンガーソングライターとして出てきた中村中は、トランスジェンダーの性転換女性であり、その事で悩み苦しんだと言う私小説風の歌をずっと歌っており、かなりの政治色がついた歌手であると私は考える。そう言うシンガーソングライターにジェロのプロデュースを任せばどうなるかレコード会社は何も考えなかったのだろうか?

クレヨンしんちゃんの劇場版主題歌の「やんちゃ道」本来なら王道であるはずの主題歌に「差別に苦しむ私」を入れた中村中。同時期にNHKのみんなの歌で放送された「晴れ舞台」アニメの表現も沈鬱で重苦しい絵で、歌も日本で歌手になれたジェロが母親に感謝すると言うモチーフに、アメリカの家族の差別の苦しみをと言うまるで陳腐なドキュメンタリーのように仕立てて、ジェロの方向性を完璧までに変えてしまった。


私はジェロの歌唱力や表現力が好きでデビュー当時からCDを買い応援していた。彼のカバー曲のアルバムも大好きだった。

しかし明るく能天気に踊るジェロを期待していた私にはLGBTの色や黒人差別の色を持ち込む中村中の感性に嫌悪感さえ感じた。ジェロ自身が望んだ方向性では無い特殊な政治色がジェロを潰したと私は今でも考えている。

ジェロは大学に入り直し、IT関係の企業で現在働いている。

日本人の祖母の歌う演歌が好きで、演歌歌手を目指し日本で活躍していた好青年イメージのジェロの姿はもうない。

昨今のBLMデモを見るたびに、ジェロを間違った方向に導いてしまったレコード会社の戦略の無さと貧困な発想を思い出し反吐が出る。明るい爽やかな黒人シンガーとして何故素直に売り出さなかったのか、本当に謎でしか無い。



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