香港人のアイデンティティ

私は香港の学生デモについて、当初から醒めた目で見ていた。理由は一つ。中国共産党に立ち向かう正義の行動と言う姿が残念ながら見えなかったから。特に日本語が堪能で日本に色々と伝える周庭嬢に感じる「役者のように振る舞う姿」に漠然とした違和感を感じていた。

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彼女を批判すると彼女の支援者から袋叩きにされる事も違うんじゃないかなと思っていた。

彼女は大きな権力に立ち向かうジャンヌダルクのようだと思い込むのは早いのでは?と。何故なら弾圧される香港と言う姿はかなり違うと言うのを私は見ていたから。

イギリスから中国返還時にかなりの香港人がカナダやその他の国に逃れた。日本で悪名高いアグネスチャンもその一人。そう言う計算高い香港人が数多くいたのだ。この法律が決まる前のデモは警官だけが悪と言う決めつけで報道されていたけれど、学生がしている行動はほとんど国家転覆では無いか?と言う疑念があった。地下鉄を破壊して、空港を占拠するとかしていることがただのテロリストだと感じた。

そして法律施行後、周庭嬢は脱退宣言して、支援者は口々に彼女を労ったけれど、広報としての彼女は学生デモの顔ではあったけれど、それ以上でもそれ以下でもない立場であり、デモ隊の本質を知りうる立場にいたのだろうか?と言う疑念も浮かぶ。

香港警察に彼女が逮捕されたときもすぐに保釈されて、全く怪我も憔悴もしていない事が不思議で堪らなかった。報道のような中国共産党に支配された香港警察ならそれで済むのだろうか?と。

もし中国共産党が本気ならば彼女一人を行方不明にする事など容易い事だし、ウイグル、チベットを考えたら、利用出来るはずの香港に手温い真似はしないはずだ。

私は香港で行われている事を学生側でも権力側でも無い第三者的に見ていて感じたことは、香港人は政治難民になって日本に押しかけてくるだろうなと言う一つだけだ。

そしてやはりそういう動きが始まった。

自分たちの理想を叶えたいなら、難民に成り下がるな。香港で戦え。他国の援助を宛てにするな。自分の国を治すのは自国人であるあなた方だ。

冷たいようだけど、そう思う。それはかつての英国から中国返還時に世界に散らばった旧香港国籍の全てに言える事。日本は香港を助けなければいけない謂れなど無いし、香港人全てが中国共産党を否定しているのでは無いことも知っている。

まず香港で生まれて香港に誇りを持つのだったらアイデンティティを確立して欲しい。他国の助けでしか成り立たないなら国家ですら無いのだから。厳しいと思うけれど、率直にそう思う。

私は中国が大嫌いだ。中国を全く擁護する気持ちなど無い。しかし香港の学生側デモ隊を擁護もしない。あなたの国の問題なのだから。



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