萩原健一と瀬戸内寂聴
萩原健一、58歳。瀬戸内寂聴、86歳。三年ぶりの再会。
カリスマ性を備えたスターとして熱狂的に支持されるショーケン、一方では数々の事件を起こし、世間の批判に晒されてきた。
そんな天衣無縫なショーケンを全身で受け止めて、導いてきた瀬戸内寂聴。何があろうとも、ショーケンを庇い続けてきた寂聴。ショーケンもそんな寂聴を慕い、ことあるごとに相談を持ちかける。
余談だが、元警察官の父は、あの男は犯罪者で好き放題やった奴だったが、どこか憎めない男やったなぁ、と萩原健一の訃報をきいて残念そうにポツリと言った。
不良だから魅力がある。私は不良が好きなのよ。ショーケンは不良の親分だからずっと気に入ってる。不良ってのは拗ねてるだけで、心根は優しいのよ。私は、優等生な自分が嫌だった。
写真嫌いの萩原さんは、瀬戸内寂聴さんと一緒に写る写真だけは心から安堵した表情でいる。きっと今は空で穏やかな表情で一緒に笑っている、そんな気がする。
もうすぐ命日がやってくる。
その度に、哀しみと寂しさが襲ってくる。噛み締めようと思う。
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