[体験記]東大英語の解答順序

東大英語は時間がないとよく言われます。ですから、得点最大化のために「大問一個捨て」などの戦略を考える受験生は多いです。そんな数ある戦略の中でも、最も試みられているものは「解答順序」ではないでしょうか。実際筆者も、解答順序を変えることで英語の得点力を向上させた一人です。ここでは、自分の解答順序の試行錯誤の歴史をお伝えしたいと思います。

①三年八月まで

1A-1B-2A-2B-下読み-3-4A-4B-5
成績:     得点 偏差値
   東大同日  64 57.5
   東大本レ① 61 46.0
   東大実戦① 58 51.8
   東大本レ② 52 45.1

オーソドックスな「前から順番通り」の解き方です。完璧に近いものを書こうとして1Aに異常に時間をかけてしまい(20分ほど)、解き終わることはありませんでした。リスニングも下読みに時間を割けずボロボロに。
まとめ
・1Aに完璧を求めてしまい時間をかけすぎた
・リスニングの下読みが不十分

②三年十月

4A-4B-1A-1B-下読み-3-2A-2B-5
成績:東大本レ③ 65 52.2

初めて解答順序を工夫してみました。4Aはどうせすぐ終わらせるから早く片付けたほうがいいし、4Bの和訳は得意だから頭が動くうちに高得点を取りたいし・・という思考でした。やはり1Aに時間をかけ、下読み時間が圧迫されリスニングの完成度が低い結果となりました。一応時間内には終わった記憶があります。
まとめ
・すぐ終わりそうなもの、比較的得意なものを前に持ってきて心理的負担を減らした
・やはり1Aがネックとなりリスニングを圧迫
・時間内には終わったので一定の評価

③三年十一月

4A-4B-2A-2B-下読み-3-1A-1B-5
成績:オープン② 61 56.1

自分の頭の構造的に、最初に緻密な思考を求める4Aや4Bをやって、頭が疲れてきて大雑把になったころに1Aや1Bといったパラグラフ把握の問題をやる方がいいと考えつき、オープンで実験してみました。結果、なんとか偏差値を上げることができました。ただリスニングは依然としてボロボロでした。
まとめ
・最初はかなり頭が動くが、長続きしないという自分の性格に合わせた戦略を立てた
・リスニングが依然として課題

④三年十一月〜

下読み-4A-4B-2A-2B-3-2B-1A-1B-5
成績:東大実戦② 73 59.3
   東大プレ② 83 59.8
   東大本レ④ 90 59.1
   本試験 84

リスニングの下読みが絶望的に不足なので、思い切って最初に下読みをしてみました。そこで気づいたのが(完全に偶然の産物です)、「東大リスニングの設問は論理展開を反映して作られているので余裕を持って下読みしておくだけで内容がある程度ネタバレされてついていける」ということと「最初に読んでおくと45分のうちに記憶が定着して放送中に問題文を読むのに時間がとられない」ということでした。これだけでリスニングの得点は上がり、代ゼミ東大プレはリスニング満点でした。
オープンで実践した、4を先にして1を後にする戦略は良策だったので引き続き使いました。これで本試験まで突っ走っていくことになります。
まとめ
・下読みを最初にやるとリスニングが聞き取りやすくなることに気づいた
・前回良かった戦略は引き続き利用した。

以上、自分の東大英語戦略を概観しました。以下、説明が足りなかったと思われることの補足です。

補足

・もし形式が変わっていたら?
→形式が変わっても、「パラグラフの問題」「精読問題」は出題されるだろうと思っていたので、精読問題を前に、パラグラフの問題を後ろに持っていこうと決めていました。
・4Aにハマって時間をかけるかもしれないという考えはなかったの?
→1Aに時間をかけすぎたのは、記述ゆえに細かい表現が気にかかったからです。4Aは記号なので10分を上限にして、制限時間を過ぎたら適当にマークしようと決めていました。
・1Bと5については何も触れてないけど?
→1Bは苦手だったし嫌いだったので正直どうでも良かったです。2018のような英語要約が出たら捨てるつもりでいましたし、時間が余ったら力を入れようとしか思っていませんでした。5はかける時間が他の大問より長い分&問題の性質上調整が効くと思いとりあえず最後に置いていました。

得点が上がったのはもちろん、この間に大問ごとの得点力増強もしていたからですが、やはり解答順序によるものが大きいと考えています。東大英語は長い戦いなので、精神も体力も摩耗します。ですから、いかに「効率的に」「辛くないように」解くか、というのが肝要になってきます。以上はたった一人の例に過ぎません。ぜひ、色々なところから情報を集めるとともに自分で考えて最適な解答順序を見つけてください。

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