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レポ78:野間埼灯台(2023/5/28)

愛知県の西部にある伊勢湾に面した知多半島。半島唯一の沿岸灯台である野間埼灯台。風光明媚な海岸線に佇み、地元に愛されている灯台を訪れました。

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、自身の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ78:野間埼灯台(2023/5/28)

愛知県には知多(ちた)半島と渥美(あつみ)半島という二つの半島があり、知多半島は西側の伊勢湾に隣接する半島である。常滑焼(とこなめやき)など昔ながらの陶器の産地でもある。

野間埼(のまさき)灯台は知多半島にある、知多郡美浜(みはま)町の小野浦海岸に立つ灯台。

灯台へのアクセスは、車ならばカーナビで野間埼灯台の名前を入力すればOK。灯台の目の前に有料駐車場があるので、こちらに停めるのが良いです。

料金は30分300円、1時間500円、それ以上は1000円

駐車場から横断歩道を渡ると、眼前に堂々とそびえ立つ灯台。恋愛成就の観光地としても有名で、主にカップルや結婚式の記念写真などで訪れている人も少なくない。

南国を想起させる灯台とヤシの木
絶景をバックに結婚式の記念写真を撮るカップルが多数

野間埼灯台は、海岸線に限りなく近い位置に建てられており、伊勢湾を航行する船舶まで光を届かせるために灯台の高さは18mの白亜の美しい姿をしています。

美しいシンメトリーの外観造り

灯台の南側には良質な砂浜が広がる海岸線となっており、恋人達や家族連れが楽しんでいます。

岩場や砂浜で自然風景が豊富
海と山のコントラストも良く出ている

灯台の北側は岩場状の地形を形成しており、お洒落な雰囲気で撮影スポットとしても人気のようでした。

北側も灯台下から岩礁が少し広がる
海岸の北側には石垣なような人工壁の上にBBQ場があり

自然と灯台が溶け合った、遮るもののないパノラマ風景は夕暮れとも相性が良く野間埼灯台の名物の一つになっています。この時間帯を狙って撮影会される人たちもいます。

夕陽が絶景のスポット
眼前に遮るもののないロケーションは最高
結婚式の前撮りも捗る

夜にはライトアップもされており、また昼間とは違ったムードある景観が見れます。灯台の灯りを妨げないように、かつムードを盛り上がるように絶妙に配慮された光加減ですね。

夜は一転、紺碧の空と海に浮かぶ白灯台
ライトアップも地元の協力で実現

野間埼灯台は1921年(大正10年)3月が初点灯のため、2021年に100周年を迎えました。
それを記念したクラウドファンディングが、一般社団法人である「美浜まちラボ」が企画され、多くの支援を集めたなど灯台活用に精力的な活動をされています。

このような取組みを地域の方々が主体的に推進していることは、日本の灯台関連活動の中でも、とても意義深いことです。

 一般社団法人 美浜まちラボ 野間灯台登れる化事業

 クラウドファンディング 野間灯台登れる化プロジェクト ―みんなで野間灯台の100歳をお祝いしよう―

一般公開日とはニアミスでした、残念

また野間埼灯台は無筋コンクリート造という珍しい構造と、100年経っても現役灯台である点が評価されて2022年6月に国有形文化財にも登録されました。

 文化庁 > 文化財灯台一覧 > 野間埼灯台

地元の愛称は「野間灯台」とのこと

このように、ソフト・ハード両面から話題の多い野間埼灯台。あらゆる天候・時間帯に訪れてもハズレの少ない灯台で、分かりやすい景観のため、灯台巡りをする人でなくとも幅広く愛される灯台、というのも頷けます。

村上 記

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。