レポ53:佐賀関港西防波堤灯台(2020/1/9)
明治の鉱山の憧憬を彷彿とさせる「関の大煙突」が今も見守る佐賀関港。九州・四国間最短距離のフェリーを出迎え送る赤灯を訪れました。
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◼️レポ53:佐賀関港西防波堤灯台(2020/1/9)
かつてこの地に関司(見張り番)が置かれたことに由来する大分県佐賀関。その佐賀関は先端付近で大きくくびれており、その北側に開かれた佐賀関港は天然の良港です。
佐賀関港の西側には大きな煙突があります。ここはパンパシフィック・カッパー(旧日鉱製錬)株式会社の高さ約200mの「第二大煙突」です。
明治時代の佐賀関鉱山では銅の製錬が行われていたものの、亜硫酸ガスによる煙害で山林・農作物などへの被害が出たこともあり、操業停止にまで発展しました。そこで1916年(大正5年)、現在の第二大煙突の隣にあたる場所に高さ167.6mの「第一大煙突」が立てられました。
第一大煙突は当時高さ世界一の大煙突となり、「関の大煙突」と地元の方々にも呼ばれ産業の興隆や街の繁栄の象徴とされていました。しかし、老朽化による崩壊の危険もあるため2012年に解体が決定、排煙機能は第二大煙突に集約され今日に至ります。
港の赤灯台は1969年(昭和44年)に初点灯しており、1972年(昭和47年)に建設された第二大煙突とは兄弟のように並ぶ姿がよく似合います。
パンパシフィック・カッパー社の佐賀関製錬所では佐賀関港は、原料の陸揚げや製品の積み出しが行う無くてはならない港です。
大煙突の反対側、港の西側に目を向けると丁度フェリーが到着し入港するタイミングでした。
入港してきたのは国道九四(きゅうし)フェリーの「速なみ」です。
国道九四フェリーは、大分県の佐賀関と愛媛県の佐田岬半島先端の三崎港を結ぶ航路で、豊予海峡を横断し九州と四国を最短距離(約31km)・最速(片道70分)で結ぶルートです。通常ダイヤでは1時間ごとに1日16便出ています。
「国道」九四フェリーと呼ばれるのは、この三崎〜佐賀関間が海上国道区間と位置付けられており、「国道197号線」の一部となっているためです。国道197号線は高知県の県庁前を起点とし、愛媛県の佐田岬半島を通り、フェリー航路により大分県に通じ大分市まで続く道路なんです。
日も暮れ始め、灯台も点灯しはじめました。
大煙突や国道九四フェリーとともに、地元の方々にとって親しまれている港の灯台として、今日も変わらず灯りを照らし続けていることでしょう。
村上 記
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