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レポ43:蓋井島灯台(2019/11/7)前編

本州最西端の島、蓋井島(ふたおいじま)。響灘(ひびきなだ)に浮かぶ、自然に囲まれた小さな島の断崖に立つ守り神の灯台を訪れました。

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ43:蓋井島灯台(2019/11/7)

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※今回は長くなるので、2部構成になります。

本州最西端の島、蓋井島(ふたおいじま)に渡る連絡船は、山口県下関市のJR吉見(よしみ)駅近くの港から発着しています。

ちなみに吉見駅は無人駅でICカードが使えないため、乗車時に切符以外を買った場合は注意が必要(ワンマン電車の車掌さんにて精算が必要)である。

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ここから西に徒歩5分ほどの所にある吉見港。往復船の「蓋井丸」は冬場(11月〜3月)は1日2往復、夏場(4月〜10月)は3往復の便が出ています。

乗船券は往復分をまとめて乗船時に購入する。

 参考:下関市営蓋井島航路 時刻

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吉見港からの出航を見送るのは吉見港A防波堤灯台(白灯)である。

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波に揺られること約40分ほどで蓋井島に到着する。外海に近いためか、デッキにいると中々の揺れを体感しました。しかし、途中ではそれほど目ぼしい灯台や灯標には出会いません。

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蓋井島漁港では、これまた防波堤灯台がお出迎えしてくれます。そのバックに蓋井島灯台もしっかりと確認。なかなかの高さにあります。

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蓋井島灯台に向けて最短距離と思われる方角へ歩いていくと、灯台への案内標識が見えてきました。

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入口だけ階段になっており、すぐにどう見ても獣道を少しだけ手入れした感じの道になりました。勾配もなかなかキツめで、途中に咲いている花が唯一の癒しです。

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ズンズンと、急勾配の山道を約10分ほど歩きます。クモの巣も所々で邪魔してきます。

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灯台用という石柱が出てくると、ようやく光が見えてきました。

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ようやく灯台とご対面。敷地入口の門扉は施錠されていなかったので、こっそりお邪魔させて頂きました。ここもクモの巣がスゴい。

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蓋井島灯台は明治45年(1912年)初点灯。かつて韓国の釜山(プサン)と山口県の下関間、約240kmを航行していた韓釜連絡船の強い要望を受けて建てられた灯台です。

また、昭和26年に日本初の風力発電が導入された灯台でもあります(現在は商用電力に切り替えられています)。

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八角形のコンクリート造りの灯塔は、高さ15mあり、敷地が狭いので下から見上げてもフレネルレンズは視認できませんでした。

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灯台の敷地内からでは灯塔全体が収まらないので、塀によじ登ってみました。荒れた野草に隠れていますが、秋の匂いは漂ってきます。

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灯台の反対側の方に目を向けると、岸壁の先に響灘(ひびきなだ)が広がっていました。左の方に見えるのは対岸の福岡県北九州市に属する藍島(あいのしま)です。

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灯台へ至る道には、さらに山頂に続く道があったため、登ってみることに。整備された階段で、これまでの獣道よりは登りやすいです。

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少し開けた場所に鳥居が現れました。金比羅(こんぴら)さんが祀られているほこらに続いています。ちなみに、右手の道は緩やかな登山道です。

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標高145mの金比羅山の頂上には、木と石を組み合わせた鳥居とほこらがあり、毎年10月と2月には豊漁と安全祈願の金比羅祭が行われるとのこと。

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頂上からは蓋井島の港や集落一帯が一望出来ます。島の南端に見えるおわんのような山は標高140mの乞月(こいづき)山。山の名前は神功皇后が島に立ち寄り、この山を登って月を乞われたところ満月になった、という神話に由来します。

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高台からは蓋井島灯台が見えます。以前はこの場所に直径9mの風車が設置されており、灯台へ電力を送っていたそうです。

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村上

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。