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レポ17:洲埼灯台(2018/11/11)

神奈川県の三浦半島にある剱埼灯台とともに、東京湾の玄関口として幾多の船舶を導く千葉県館山市にある洲埼(すのさき)灯台。今回は丘陵にそびえ立つ房総半島最西端の灯台を訪れます…

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ17:洲埼灯台(2018/11/11)

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レポ8の野島埼灯台とともに日の出を一通り拝んだら、すぐにダッシュで房総半島最西端の洲埼灯台へ向かいました。

房総半島最南端の野島埼灯台と最西端の洲埼灯台。車で30分程度の距離しかないので、野島崎まで来たらせっかくなので是非とも見ておきたい。

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野島崎からは海岸線沿いの房総フラワーラインを通って向かいましたが、県道297号線から分かりやすく見えてきました。白亜の…いや日の光に照らされやや暖色がかった灯台を見て、日の出とのワンショットは残念ながら諦めましたが。

無事に到着して灯台のすぐ下にある無人の有料駐車場に駐車させて頂きました。ホントに灯台のすぐ下にあったので、時間短縮出来て助かりました(お金は駐車場の集金箱に入れる形式)。

急ぎ階段を駆け上がると、堂々とした風格の灯台を目の当たりにすることとなります。ホント映画の登場シーンのように画になります。

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AKB48が2006年に発表したシングルCD『会いたかった』のプロモーションビデオなど、これまでも多数のメディアで使用されたこともあるくらい有名な名所。

やはり灯台のすぐ脇に撮影におあつらえ向きの程よいスペースがあり、ロケハンが容易なんでしょうね。しかも、その角度からの灯台の立ち姿が圧倒的に様になってますからね。

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この時は灯台に夢中になり過ぎて写真撮り忘れたのですが、対岸の三浦半島や伊豆半島、富士山が見える絶好のビュースポットでもあります。

なんせ塔高は15mしかありませんが、海水面からの灯高は45mと周辺地域の中では一際目立つ丘(台地)の上に立てられていますからね。

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初点灯は1919年12月と、年季の入った灯台です。

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初点灯の銘板を探しましたが、灯台本体には見当たらず、入口に表札のように掛けられているのがそうなのかな。雰囲気ありますが少し珍しいですね。

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ただ、個人的に一番お気に入りのアングルは、灯台のそばではなく、北上して県道257号線を走っている際に見えてくるロングショットの構図。小高い丘にそびえ立つ古城のような風格がありました。

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ちなみに、上記の写真を撮影した場所のそばには「源頼朝公上陸地」の石碑が草木に紛れてありました。

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歴史マニアではないので、かいつまむと源頼朝が平氏打倒の旗揚げをした1180年、石橋山の戦いで敗れ神奈川県南西部の真鶴(まなづる)町から小舟で渡ってきた場所がこの地とされているそうです。その後、この房総から源氏再興を果たしたのです。

とはいえ、県指定史跡の「源頼朝上陸地」は鋸南町(きょなんまち)竜島(りゅうしま)とされているため、洲崎の石碑は県未公認ということ。


なお今回、日の出ショットに出遅れた理由の一つが、野島崎から洲崎へ向かう途中にカーナビ上に灯台マークが不意に表示され、それを探し回って時間をロスしたためでした。

つい衝動的に探し回れど見つからず、結局webで確認すると廃灯になった布良(めら)鼻灯台の幻影だったようです。房総フラワーラインを通る時はお気をつけください。

布良鼻近くの富崎港は、朝早くから釣り人たちが見事に等間隔に並んでおり、赤灯台(富崎港南防波堤灯台)も嬉しそうでした。

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村上 記

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。