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レポ60:肥前馬渡島灯台(2020/8/18)

佐賀県唐津(からつ)市にある七つの島。その中で最西端かつ最大の島である馬渡(まだら)島にある灯台を訪れました。

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ60:肥前馬渡島灯台(2020/8/18)

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佐賀県唐津(からつ)市には七つの島が点在しています。その内の一つである馬渡(まだら)島には呼子(よぶこ)港発着、名護屋(なごや)港経由の「ゆうしょう(郵政丸)」で渡ります。今回は名護屋港から乗船しました。(呼子港は特徴的な形の呼子大橋の向こう側です)

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この日は炎天下でしたから、船が来るまでこのプレハブ小屋(待機場)で休憩します。自動車は近くの空きスペースに駐車させて頂きました。

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馬渡島には「ゆうしょう(郵政丸)」で渡ります。大人は片道870円で渡船できます。船の本数が1日4便と少ないので乗り遅れないに注意しましょう。

 唐津市HP:馬渡島航路時刻表

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今回は11時10分発で馬渡島には1時間半滞在するコースです。

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呼子港を出るまでに幾つかの防波堤灯台に見送られました。唐津市は玄界灘に面した海域で、北西部のこの辺りはリアス式海岸で豊かな漁場として知られています。

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出港から10分ほどで九州本土最西北端の波戸岬(はどみさき)を通過します。灯台のそばに見える海に突き出た海底展望塔は、全国に8つある中で唯一日本海側にあるとのこと。

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呼子港から40分、名護屋港から25分ほどで馬渡島に到着です。肥前馬渡島港南防波堤灯台ともに岬の上にちょこんと顔を出しているのが肥前馬渡島灯台です。ここでおおよその位置が確認できたのが、後程助けとなりました。

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防波堤には小学校の各学年の卒業生が描いたと思われる絵が連なっていました。

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馬渡島全域で釣りのスポットやバードウォッチングとして有名だそうですが、この日はやや客足は少ない印象でした。それでも、バイク乗船されている手慣れた釣り人の方もいましたね。

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馬渡島は人口400人強の周囲14kmの島で、江戸時代後期に弾圧から避けてきたキリシタンの方々が移住されたと言われています。カトリック教会も建てられている(神道や仏教徒の方もいます)そうですが、今回は、1時間半しか滞在時間がなくかつ猛暑日の炎天下のため島探索は断念し、灯台訪問に専念します。

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肥前馬渡島灯台は、到着した馬渡島漁港から西の集落を通過した先にあります。

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郵便局を過ぎたら防波堤灯台の建てられている港側に着きますが、そこから登りになっている道路の先にある「名馬ノ鼻(めばのはな)」付近に目当ての灯台はあります。この地名は馬渡島の由来にもなった、牝馬と牡馬が中国大陸から泳ぎつき日本初めの馬となった、という逸話から付けられました(※島の由来には諸説あるそうです)。

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山道に入ってすぐの場所に設置されているカーブミラーを過ぎた先のポールが肥前馬渡島灯台への入口です。
カーブミラーのすぐ脇にも道がありますが、そちらは岬の下に繋がる道なので間違えないように(記者は間違えて大変な目に遭いました)。

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道に入るとすぐに灯台が正面に見えてきます。夏場だったので、とにかく草木の茂り具合が凄まじいです。そしてメチャクチャ暑い。そして蜘蛛の巣が凄いので木の枝を拾っておくことをオススメします。

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周囲の植物は高さ9mの灯台に達する勢いで生長しています。あまり管理されているようには見えませんでしたが、それでも船からは見えるように調整されているのでしょうか。

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肥前馬渡島灯台の周囲は柵で囲まれていますが、入口部分だけは空いていますので、普通に足下まで辿り着けます。

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初点灯は1962年(昭和37年)6月。年季の入ったタイル貼りがところどころ剝げ落ちているのが痛々しいですが、それでもガッシリとした見た目で馬渡島の航海を見守っています。

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港からの距離はそれほど無かったのですが、とにかく蒸し暑く、蜘蛛の巣も多く、草木もボーボーだったので到達までに苦労しました。灯台が自然に溶け込みすぎですね。
夏場に訪問する時はくれぐれも熱中症にはご注意ください。港町(宮の本)には自販機も置いています。

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先ほどのカーブミラー脇の道を進むと岬の下に出ます。美しい岩場と緑に彩られており、清々しい気持ちになりました。釣り人に人気がありそうなスポットです。

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ここから肥前馬渡島灯台は見上げても見えませんでした。港方面に目をやると肥前馬渡島港南防波堤灯台が見え、岩場をつたって港に出られるかと思いましたが、少し危険だったので断念しました。
ガッツリ自然と融合した灯台を体験した後でしたので、爽やかな自然風景と灯台を堪能できて良かったです。

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村上 記



年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。