一次資料で強制連行のウソを暴いた高市早苗自民党総裁候補

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 「戦時徴用は245人」という、ネット上で有名な昭和34年(1959年)7月13日付の朝日新聞の記事がある。この記事の元になったのが、昭和34年(1959年)7月11日付の外務省の資料である(下記、資料1)。
 この資料は、現在、国会図書館デジタルコレクションにおいて公開されているが、この資料を発掘して平成22年(2010年)3月10日の衆議院外務委員会において質問したのが、高市早苗衆議院議員である(下記、資料2)。
 その概要は、以下の通りである。
◆朝鮮人の徴用が行われたのは1944年9月から1945年3月までの約半年であり、終戦後も日本に残ったのは245人である。
◆終戦時、日本にいた朝鮮人は約200万人であり、その内の約140万人が1946年3月までに帰国した。
◆残り約65万人の内の約50万人も帰国を希望したが、実際に帰国したのは約8万人であった。


【資料1】外務省発表集. 昭和35年2月第10号および公表資料集第8号(51~54ページ)(35~37コマ)

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3432332
1 在日朝鮮人の渡来および引揚げに関する経緯、とくに、戦時中の徴用労務者について 記事資料 昭和34年7月11日

一、第二次大戦中内地に渡来した朝鮮人、したがってまた、現在日本に居住している朝鮮人の大部分は、日本政府が強制的に労働させるためにつれてきたものであるというような誤解や中傷が世間の一部に行われているが、右は事実に反する。 実情は次のとおりである。
 1939年末現在日本内地に居住していた朝鮮人の総数は約100万人であったが、1945年終戦直前にはその数は約200万人に達していた。そして、この間に増加した約100万人のうち、約70万人は自から内地に職を求めてきた個別渡航と出生による自然増加によるのであり、残りの30万人の大部分は工鉱業、土木事業等による募集に応じて自由契約にもとづき内地に渡来したものであり、国民徴用令により導入されたいわゆる徴用労務者の数はごく少部分である。しかしてかれらに対しては、当時、所定の賃金等が支払われている。
 元来国民徴用令は朝鮮人(当時はもちろん日本国民であった)のみに限らず、日本国民全般を対象としたものであり、日本内地ではすでに1939年7月に施行されたが、朝鮮への適用は、できる限り差し控え、ようやく1944年9月に至って、はじめて、朝鮮から内地へ送り出される労務者について実施された。かくていわゆる朝鮮人徴用労務者が導入されたのは1944年9月から1945年3月(1945年3月以後は関釜間の通常運航が杜絶したためその導入は事実上困難となった)までの短期間であった。

二、終戦後、在日朝鮮人の約75%が朝鮮に引揚げたが、その帰還状況を段階的にみると次のとおりである。
(1)まず1945年8月から1946年3月までの間に、帰国を希望する朝鮮人は、日本政府の配船によって、約90万人、個別的引揚げで約50万人合計約140万人が朝鮮へ引揚げた。右引揚げにあたっては、復員軍人、軍属および動員労務者等は特に優先的便宜が与えられた。
(2)ついで日本政府は連合国最高司令官の指令に基づき1946年3月には残留朝鮮人全員約65万人について帰還希望者の有無を調査し、その結果、帰還希望者は約50万人ということであったが、実際に朝鮮へ引揚げたものはその約16%、約8万人にすぎず、残余のものは自から日本に残る途をえらんだ。
(3)なお、1946年3月の米ソ協定に基づき、1947年3月連合国最高司令官の指令により、北鮮引揚計画がたてられ、約1万人が申し込んだが、実際に北鮮へ帰還したものは350人にすぎなかった。
(4)朝鮮戦争中は朝鮮の南北いずれの地域への帰還も行わなかったが、休戦成立後南鮮へは常時便船があるようになったので、1958年末までに数千人が南鮮へ引揚げた。北鮮へは直接の便船は依然としてないが、香港経由等で数十人が、自からの費用で、便船を見つけて、北鮮へ引揚げたのではないかと思われる。
 こうして朝鮮へ引揚げずに、自からの意思で日本に残ったものの大部分は早くから日本に来住して生活基盤を築いていた者であった。戦時中に渡来した労務者や復員軍人、軍属などは日本内地になじみが少ないだけに、終戦後日本に残ったものは極めて少数である。

三、すなわち現在登録されている在日朝鮮人の総数は約61万であるが、最近、関係省の当局において、外国人登録票について、いちいち渡来の事情を調査した結果、右のうち戦時中に徴用労務者としてきたものは245人にすぎないことが明らかとなった。そして、前述のとおり、終戦後、日本政府としては帰国を希望する朝鮮人には常時帰国の途を開き、現に帰国した者が多数ある次第であって、現在日本に居住している者は、前記245人を含みみな自分の自由意志によって日本に留まった者また日本生れのものである。したがって現在日本政府が本人の意志に反して日本に留めているような朝鮮人は犯罪者を除き1名もない。

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在日朝鮮人の来住特別内訳表
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登録在日朝鮮人総数
61万1085人
内訳
(1)所在不明のもの(1956年8月1日以降登録未切替)
  🔴1万3898人
(2)居住地の明らかなもの
  🔴59万7187人(100%)
 (2)の内訳
  (A)終戦前からの在留者
    🟢38万8359人(65.0%)
  うちわけ
   (イ)1939年8月以前に来住したもの
     🟡10万7996人(18.1%)
   (ロ)1939年9月1日から1945年8月15日までの間に来住したもの
     🟡3万5016人(5.8%)
   (ハ)来住時不明のもの
     🟡7万2036人(12.1%)
   (ニ)終戦前の日本生れ
     🟡17万3311人(29.0%)
  (B)終戦後の日本生れおよび入国者
    🟢20万8828人(35.0%)

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【資料2】第174回国会 衆議院 外務委員会 第3号 平成22年3月10日(発言者番号140~154)

https://kokkai.ndl.go.jp/txt/117403968X00320100310

○高市早苗委員 自民党の高市早苗でございます。
 外務委員会で質問の時間をちょうだいいたしまして、同僚議員の皆様にまずは感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 2月9日の衆議院予算委員会で、外国人参政権の問題について議論を進めさせていただきました。そのときに岡田外務大臣とは議論をするチャンスがなかったので、きょう冒頭に少し、短くこの問題についてお話をしたいと思います。
 岡田外務大臣は外国人参政権には賛成の立場でいらっしゃることを承知いたしております。議員連盟の会長でもいらっしゃいましたし、それからまた、民主党の結党時の基本理念、基本政策をおつくりになるとき関与をされていたということ、岡田外務大臣のホームページにも書かれております。
 鳩山総理大臣は、外国人参政権付与に関しまして、1月12日の、これは記者団に対してでございますが、日韓併合百年というタイミングでもあるということでいろいろと検討している最中と理解しているというふうに話されております。
 この在日韓国人への参政権付与と、総理がおっしゃった日韓併合百年というタイミングというのは、ある程度関連づけて考えるべきだと岡田外務大臣は思われるかどうか。それから、仮にことし永住外国人地方参政権付与法案というものが成立しなかった場合に、韓国との外交にどのような影響が出ると考えられるのか。以上二点、お伺いいたします。

○岡田国務大臣 まず、永住外国人参政権の問題、つまり外国人地方参政権法の問題については、現在、政府の中で、あるいは政党間、与党間でいろいろ議論を行っているところでございます。
 私の基本的立場というのは委員が先ほど言われたとおりでありますけれども、今私は閣内において閣僚の一人でありますので、私個人の意見を申し上げることは控えているところでございます。これは内閣の方針に従ってやるということであって、余り個人的な意見は言わない方がいいというふうに思っております。
 さて、この法案と外交の関係ですが、韓国政府からは、この法案に対する期待感というものが表明されていることは事実であります。それに対して、私は現在、政府を中心に検討しているところであるということを説明している状況でございます。
 韓国政府の期待感というのはあるというふうに思いますが、それ以上のこと、できなかったらとか、できたらとか、そういう仮定の議論は余りしない方がいい、政府としてきちんと方針を決めた上で、いろいろこの場でも論じていただきたいというふうに思います。

○高市早苗委員 はい、わかりました。
 この永住外国人地方参政権付与法案が仮に成立いたしますと、主管大臣となりますのは原口総務大臣であると思います。原口総務大臣は、1月14日、日本外国特派員協会で、自分の意思に反して日本に連れてこられた人が地方での投票の権利を持つのは日本の国家として大事なことだと発言された旨が報道されています。また、仙谷国家戦略担当大臣も、1月15日の大臣記者会見で、戦前の植民地侵略の歴史があり、その残滓としての在日問題がかかわっている、その方々の権利保障を十二分にしなければならない、地方参政権も認めていくべきだと発言されております。
 鳩山総理初めこれらの閣僚の御発言から、鳩山内閣が在日外国人への参政権付与を実現しようとされている背景には、主に日韓併合など歴史的経緯が根拠として存在するということが明らかでございます。
 きょうは、渡辺総務副大臣、お見えでしょうか。ありがとうございます。
 副大臣は、自分の意思に反して連れてこられた人が地方での投票の権利を持つのは日本の国家として大事なことだという原口大臣のお考えに賛成でしょうか。

○渡辺副大臣 外国人の特派員協会で原口大臣がどのようにお話をされたかということを、私は現状、つまびらかに記憶しておりませんので、ここではお答えをすることができません。ということでございます。

○高市早苗委員 では、今私が申し上げたことについてはどうでしょうか。原口大臣がどうおっしゃったということよりも、この外国人参政権の問題をいわゆる強制連行とされることと関連づけて考えている、こういう考え方についてはどうでしょうか。

○渡辺副大臣 そこの歴史的ないきさつについて、今、日本に残っているいわゆる在日の方々の点についての見解、これは総務省としてどうこうということはここでは述べません。
 ただ、平成7年の2月28日に最高裁で判決をされた、あの判決の要旨を我々も当然何度も読んでおりますし、また、総務省の中でも、外国人の参政権、この問題については、地方参政権については、委員がもう何度も国会で議論をされております、その点につきまして、私どもとしては、さまざまな論点を今まとめているというところでございます。

○高市早苗委員 どうもよくわからない答弁でございましたけれども、少なくとも鳩山内閣におきまして複数の閣僚の方が、日韓併合によって同じ日本人として戦時徴用されて内地に来られた朝鮮人の方々の存在、今残っていらっしゃる方々の存在というものを外国人に参政権を付与すべきだというその必要性の根拠にされていることは確かでございます。
 そうしますと、いわゆる強制連行というものが実際に行われたのかどうか、そしてまた、その徴用された方々が帰国できなかった、自分のふるさとに帰れなかった、そして残っていらっしゃるということについて、事実関係というものを国として明らかにし、その上で結論を出していくということも必要であると私は思います。それを外国人参政権付与の根拠とされる閣僚が複数いらっしゃる、また、総理も日韓併合百年ということをおっしゃっている、そういった事実がある限りは、この歴史的な経緯を解明していくということも大事だと思っております。
 きょう委員の皆様に、また答弁席の皆様にもお配りをしているかと思いますが、先日外務省からちょうだいしたんですけれども、昭和35年2月外務省発表集第10号というものがお手元にあるかと思います。少し長いんですけれども、読み上げさせていただきます。
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第二次大戦中内地に渡来した朝鮮人、したがってまた、現在日本に居住している朝鮮人の大部分は、日本政府が強制的に労働させるためにつれてきたものであるというような誤解や中傷が世間の一部に行われているが、右は事実に反する。実情は次のとおりである。
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ということで、次の事項を挙げています。
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◆1939年末現在日本内地に居住していた朝鮮人の総数は約100万人であったが、1945年終戦直前にはその数は約200万人に達していた。そして、この間に増加した約100万人のうち、約70万人は自から内地に職を求めてきた個別渡航と出生による自然増加によるのであり、残りの30万人の大部分は工鉱業、土木事業等による募集に応じて自由契約にもとづき内地に渡来したものであり、国民徴用令により導入されたいわゆる徴用労務者の数はごく少部分である。しかしてかれらに対しては、当時、所定の賃金等が支払われている。
◆元来国民徴用令は朝鮮人のみに限らず、日本国民全般を対象としたものであり、日本内地ではすでに1939年7月に施行されたが、朝鮮への適用は、できる限り差し控え、ようやく1944年9月に至って、はじめて、朝鮮から内地へ送り出される労務者について実施された。かくていわゆる朝鮮人徴用労務者が導入されたのは1944年9月から1945年3月までの短期間であった。
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1945年3月以降は、往復する便が途絶していたということで、導入が事実上困難であったということも書かれております。続いて、
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◆終戦後、在日朝鮮人の約75%が朝鮮に引揚げたが、その帰還状況を段階的にみると次のとおりである。
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ということで、次の事項を挙げております。
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◆まず1945年8月から1946年3月までの間に、帰国を希望する朝鮮人は、日本政府の配船によって、約90万人、個別的引揚げで約50万人合計約140万人が朝鮮へ引揚げた。右引揚げにあたっては、復員軍人、軍属および動員労務者等は特に優先的便宜が与えられた。
◆ついで日本政府は連合国最高司令官の指令に基づき1946年3月には残留朝鮮人全員約65万人について帰還希望者の有無を調査し、その結果、帰還希望者は約50万人ということであったが、実際に朝鮮へ引揚げたものはその約16%、約8万人にすぎず、残余のものは自から日本に残る途をえらんだ。
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その後、ちょっと北朝鮮関係の方のことを書いてあるところを飛ばします。
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◆こうして朝鮮へ引揚げずに、自からの意思で日本に残ったものの大部分は早くから日本に来住して生活基盤を築いていた者であった。戦時中に渡来した労務者や復員軍人、軍属などは日本内地になじみが少ないだけに、終戦後日本に残ったものは極めて少数である。
◆すなわち現在登録されている在日朝鮮人の総数は約61万であるが、最近、関係省の当局において、外国人登録票について、いちいち渡来の事情を調査した結果、右のうち戦時中に徴用労務者としてきたものは245人にすぎないことが明らかとなった。そして、前述のとおり、終戦後、日本政府としては帰国を希望する朝鮮人には常時帰国の途を開き、現に帰国した者が多数ある次第であって、現在日本に居住している者は、前記245人を含みみな自分の自由意志によって日本に留った者また日本生れのものである。したがって現在日本政府が本人の意志に反して日本に留めているような朝鮮人は犯罪者を除き1名もない。
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というものでございました。
 これは外務省の報道用資料でございます。外務省発表集について、その位置づけを確認いたしましたら、そういうことでございます。
 もし、この記載が正しければ、いわゆる強制連行と呼ばれる事実がなく、同じ日本国民としての戦時徴用と呼ぶべきであるということ、それから、昭和35年時点で戦時中に徴用労務者として日本内地に来られた方が245人にすぎず、原口大臣がおっしゃった強制連行論というのは、46万9415人も現在おられる永住韓国人への参政権付与の根拠とはなり得ないこと、そしてまた、日本政府として、特にこの戦時徴用者を優先して、韓国に帰還したい方々の帰還支援を行っていたということが示されたと言えると思います。
 そこで外務大臣に伺います。
 外務大臣は、その歴史的経緯にかかわらず、すべての永住外国人への参政権付与を目指される立場だとこれまでの御発言から私は推測をいたしておりますけれども、複数の閣僚がこの強制連行論を参政権付与の必要性の根拠にされているので、この昭和35年2月の外務省発表集第10号の記載というのは現在も有効なものなのか、それとも無効なものなのか伺います。

○岡田国務大臣 今委員御説明いただいたこの資料の性格というのは、ちょっと今、急に聞かれても、私、把握しておりませんので、わかりません。
 外務省発表集第10号と書いてありますので、外務省が関与した資料であることは間違いないというふうに思いますが、これが現在の外務省の考え方を示すものであるのか、その後、異なる見解があったのかなかったのか、そういうことについては、突然の御質問ですので、私は把握しておりません。

○高市早苗委員 これは日本の名誉や国益にかかわることでございます。この外国人参政権の問題だけではなくて、過去の経緯というものや事実関係がどうだったのか、当時の調査ではこうであったけれども、それが間違っていたのか間違っていないのか、やはりこういったことというのはこれからもさまざまな局面で国益にかかわってくることだと思いますので、資料の請求をさせてください。
 この外務省発表集というのは、昭和35年の上半期からは外務省公表資料集と合併して外務省公表集となりました。発行元は外務省情報文化局でございます。昭和59年から発行元が外務省大臣官房報道課に移りまして、それから、現在はプレスリリースという形になっております。外務省発表集の記事資料とも書いてございますが、これは、外務省としての正式発表のうち、外務報道官としての公式見解等を表明する場合及び外務省より正式発表を行うものという位置づけであると理解をいたしております。
 きのうの夕方からも外務省の方に問い合わせをいたしましたし、また、外務省のこの資料の位置づけということに関するお答えとともに、国会図書館にも確認をいたしましたので、今私が申し上げた位置づけは間違っていないと思います。
 もしもその後、政府としての調査内容また見解というものに変更があるのであれば、またこれは重要なことでございますので、ぜひとも資料の提出をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

○岡田国務大臣 先ほど言いましたように、突然のお尋ねでありますのでこの場でお答えすることはできませんが、その後、これに類するものあるいはこれと異なるもの、そういうものがあるのかどうか調べて御返事したいと思います。

○高市早苗委員 どうもありがとうございます。
 それでは、調べていただいて、もしこれと全く異なる見解を発表されていたり修正されていた場合にはお知らせをいただきたいと思います。
 私は、当時、帰国したかったけれども、日本政府が帰国の希望を聞いたりいろいろしたけれども、やむない事情があってどうしても帰国できなかった、しかし今は帰国をしたいという方がいらっしゃるのであれば、日本の参政権を付与するよりは、政府として帰国支援を行うのが筋だと思っております。
 そしてまた、サンフランシスコ平和条約を根拠にされる御意見も閣僚内におありでございます。これも原口総務大臣なんですが、平成22年1月30日、読売テレビでの御発言です。さまざまなところに報道されていますので副大臣も御承知かと思いますが、サンフランシスコ平和条約で日本国籍を離脱しなければならなかった特別永住外国人への付与とそれ以外の人では全く議論が違うという発言でございます。
 渡辺副大臣は、こういった考え方に賛成されますか。

○渡辺副大臣 読売テレビの番組についても、私も見ておりませんけれども、今委員から御指摘がありましたような、永住外国人とそしていわゆる一般の在住外国人、この点について大臣がどういうお考えを持っているのかということにつきましては、いろいろお話はしておりますけれども、今現在、ここで大臣のお考えをどうこうと述べる立場にはございませんので、そこのところは御理解いただければと思います。

○高市早苗委員 副大臣は、御自身の考え方というのは全然ないんでしょうか。こういった考え方についてどう思われるかということを伺いましたが、ございませんか。

○渡辺副大臣 私の政治信条につきましては、もうこれは委員も御存じのとおりだと思いますが、個人的な意見は、きょうは総務省の副大臣という形で答弁席に座っておりますので申し上げませんけれども、私の政治信条は御理解をいただいているものだというふうに御判断いただければと思います。

○高市早苗委員 それでは、これから外国人参政権問題の主管の役所としていろいろと詰めていかれるお立場でございますので、私なりの考え方をお伝えして、ぜひとも御一考いただきたいと思っております。
 サンフランシスコ平和条約が発効する直前に、法務府民事局長通達というものが出ております。昭和27年4月19日でございます。これは、「条約発効後に、朝鮮人及び台湾人が日本の国籍を取得するには、一般の外国人と同様、もっぱら国籍法の規定による帰化の手続によることを要する。」と記載されております。つまり、サンフランシスコ平和条約が発効してしまいますと、それをもって、それまで日本国籍であった朝鮮人、台湾人の方々は日本人ではなくなってしまいますので、その後国籍を取得するのは、ほかの国の外国人と同じような手続をとれますということが書いてあるんですね。ですから、みずからの意思に反して条約の発効によって日本国籍を奪われたけれども日本人に戻りたいという方については、その道は閉ざされていなかったわけでございます。
 私自身は、戦争が繰り返された不幸な時代にみずからの国籍を変更しなきゃならなかった方々が民族としての誇りを傷つけられた、そしてまた住みなれない土地で多くの困難に直面されたであろうということは、日本人として深く思いをいたさなければならないことだと考えております。
 しかし、日本国籍を離脱しなければならなかったが日本人でいたいというような方々については、原口総務大臣がおっしゃるように外国人としての限定的な地方参政権を認めるよりも、日本人として国政参政権まで得ていただける帰化を勧めるのが順当だと考えております。ぜひともこの点をお伝えください。
 先ほど来、原口大臣が示された二つの論拠というものについて、私の考えも申し上げました。その外務省の発表集の資料もあわせてお渡しいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

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