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おでんをもっと流行らせるには

寒い冬にはおでんがうまい。

いや、真夏の炎天下で食べても美味しいよ。と、反論をなされる人がいれば、その口に出汁が染み込んだ熱々の卵をぶち込んで、冬将軍に包囲された状況下で食べられるおでんのありがたみをぜひとも教えてあげたい。夏に食べるおでんと冬に食べるおでんでは出汁が身体に染み渡る具合が全然違うのだ。

おでんはうまいだけではない。なんと身体にも優しい。というのも、おでんわはどれも低カロリー低糖質・低カロリー。いくら食っても太らない。巷にはおでんダイエットというダイエット法まで存在している。このように日頃から美にこだわる女性たちにはなんとも嬉しありがたき食べ物なのだ。

だが、おでんにも弱点がある。それはビジュアルだ。薄茶色の出汁に浮かぶ具はどれも地味すぎる。きっと、ぱっと見からして田舎のおばあちゃんちの食卓に並んでいいそうな食べ物具合が半端ない。それぐらい見た目が地味で冴えない。つまりはダサい。

せっかく、ダイエットに奮闘する女子にはうってつけの食べ物なのに、このざまじゃあインスタ映えの有無を生活の軸に置いている女子たちにはなかなか手が出しにくいのではないだろうか。

ならば、もっとおでんをポップにしてしまいインスタ映えする食べ物に変えてみるのはどうだろうか。例えば、具材を女子ウケしそうなものに変えてみる。イチゴやバナナ、パイナップルに桃などいかがだろうか。スイーツとインスタの相性は抜群な気がするし、カラフルな色合いは画が映える必須ルールといっていいだろう。

ただ、これだけでは当然解決とはならない。なぜなら、具材自体がカラフルで映えるとしても、その具材を田舎のおばあちゃん色こと茶色にどれもこれも染めてしまう出汁を根本的に変えなくてはいけないからだ。では、どんな出汁にすればいいのか。答えは簡単だ。昆布で取った出汁の代わりにたっぷりとブルーハワイやハイビスカスドリンクを投入すればいいのだ。こうすればイチゴ、バナナなどのスイーツにぴったりなトロピカル出汁の完成。あとは鍋の中でグツグツと煮れば女子ウケバッチリなトロピカルスイーツおでんの完成である。

きっと、一口でも口にすれば南国の爽やかな風が喉を通るだろう。そして、こう思うだろう。

クッソまずっ!!

それはそうだ。想像しただけも気持ち悪いし、そもそもスイーツ全般は酢豚に入っているパイナップルしかり、温めるとまずくなると相場が決まっている。というか、これもはやおでんではなくなっているし、絶対高糖質・高カロリーに違いない。こんなことでは女子ウケを狙ったおでんを作っても逆に女子を遠ざける。さらにおでん好きの人さえ遠ざけてしまうだろう。まさに本末転倒だ。やはり、おでんは現状のままでいいとうことなのだろう。

寒い冬にはおでんがうまい。グツグツと煮えた琥珀色の出汁の中にインスタ映えから程遠い大根やちくわを卵にはんぺんを頬張りながら今冬を乗り切りたい。

P.S.

文章を書き終えた後に、トップに貼るおでんのフリー画像を探していたら、思ってた以上におでんがインスタ映えするポテンシャルを秘めていることがわかった。よって、本文にある「インスタ映えをする食べ物に変える」という提案はそもそも不毛でした。さーせん


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