見出し画像

#5 チャットレディーごっこ。|とべちゃんの副音声

未経験で飛び込んだマーケティングの世界。出社初日の洗礼は言葉の壁。

韓国で働いていたときは、十分でない韓国語という言葉の壁があった。母国語の日本語を使う日本の仕事なら、もっとバリューを発揮できると思っていたのに。日本で日本語を使って働くにも、言葉の壁があることを知った。

「Webマの世界、アルファベット3文字多すぎる問題」である。

SEO、KPI、CVR…意味不明な言葉の連続である。「日本語で話してくれよ」と思って日本語を調べるも”検索エンジン最適化”とは…?日本語ですらよくわからない。

自分のポジションが管理部門であるとは言え、その業界で使われる特有の言葉に触れないことはない。日常的に飛び交う謎の言語を理解して、キャッチアップしなくてはならない。

当時、私は上司と斜め向かいの席に座っていた。上司が発する言葉の端々には謎のWebマ用語が含まれている。私は上司に気づかれないように検索し、チラ見で意味を確認し、何もなかったかのように会話するという作戦に出た。そう、これが「チャットレディーごっこ」である。

かつて、私の友人がチャットレディーの仕事に挑戦した。チャットレディーの仕事は侮れない。全く知らない初対面(電話だけど)の相手の趣味や話したいテーマに合わせて、会話を展開させていく高度なスキルを要する仕事である。

パソコンの前に張り付いて、相手の話題を逐一サーチして瞬時に学んでは、相手が喜びそうな返事をすると話していた。もちろん、サーチしていることを相手に悟らせないコミュニケーションで相手に楽しんでもらうことで会話を盛り上げて、自身の報酬額を稼ぐという。

そんなチャットレディーの仕事の難しさとやりがいを聞き、チャレンジングな彼女に憧れを抱いていた私は、数年後、転職先のマーケティング企業で、自分だけの「チャットレディーごっこ」に挑戦することにした。

そう考えると、謎のWebマ用語にサーチで対応する日々も、どこか特別で楽しかった。ものは捉えようだ。

안녕.

とべちゃん: )