ある男子高校生の話

眠い。とても眠い。走っているときでさえ眠かったのに、ちょうどいいリズムで電車に揺られてもう目を閉じてしまいそうだ。耐えろ。目の前には普通に人がいる。185cmが寄りかかってきたら大抵の人は立っていられないだろう。耐えろ。座っていたら別に寝ても…いや、そうすると駅を乗り過ごしてしまう。学校に着くまで寝ることはできない。
昨日は全然眠れなかった。部活もいつものようにあって疲れていたのに、ベッドに入ると突然目が冴えてしまった。それからずっと眠れずにゴロゴロしていて、気づいたら3時だった。さすがに慌てて無理矢理目を閉じていたら、いつの間にか寝ていた。起きたら遅刻寸前だし気分は最悪だしで散々だった。

この調子じゃ今日も授業中は爆睡だろう。「ケトくん、起きて!」なんてまた叱られるんだろうか。

槻と刺繍の入った部活のバッグをからい直して、電車を降りた。

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