高い自転車を買ったら知っておきたいこと(自転車“道交法”BOOKを読む)
僕はスポーツ自転車に乗るようになって一年と四ヶ月になる。乗るようになったきっかけは元々ママチャリとか乗っていて自転車って気持ちいいなと思ってたのと、ただただスポーツ自転車のフォルムがかっこいいと思っていたっていうのがある。まぁ一年ちょっとしか乗ってないので「どこどこの自転車がいい」とか全然語れないのだけれど「乗っていて変だなと思うこと」はちょこちょこ出てきたので今回はそれについて書こうかなと。例えば「自転車って原則車道左側なのになんで自転車横断帯は歩道からでてるんだ?」とか、「二段階右折の時、どこで待てばいいの?」とか、スポーツ自転車の乗り方とかではなく、自転車の車道でのルールについてよくわからないことが結構あるのだ。そのせいでドライバーや歩行者からうざがられるという経験をしたことがある。なにか明確なルールを記したものはないのだろうかといつも思っていた。
今回はそういった自転車のルールについて書かれている本を紹介。その名も「自転車“道交法”BOOK」だ。この本、結構画期的だと自分は思っている。よく本屋に行って自転車に関する棚を見に行っても、「自転車の乗り方」とか「自転車の整備の仕方」とかしかなく、なかなか「車道でのルール」についてくわしく書かれている本は見当たらない。この本を見つけた時は「僕はこれを待っていた!!」と感動したものである。
本書は疋田智、小林成基の共著。ふたりはNPO自転車活用推進研究会の理事ということで、長年自転車を生活の足として安全快適に利用できるようにしようと考えてきた人たち。で、本書の文章も日本の自転車行政に憤っている感じがひしひしと伝わってくるものになっている。肝心の本の内容は実際の道路の写真や図形を用いて自転車がどう走ればいいのかという解説をするケーススタディ、意外と知られていない自転車のルール、自転車に乗る時の格好とテクニック、最後に保険加入のすすめ、となっている。
本書の良いところはなんと言ってもケーススタディだ。自転車で車道を走っていると、どうしていいか分からなくなる道(Y字路とか、バス専用レーンとか、違法駐車の避け方とか)がしっかり網羅されていてありがたい。自分は自動車の運転免許を持っているので交通ルールについて分かっているつもりでいたがやっぱり自転車からみたルールっていうのは分かっていなくて読んでいて反省させられる部分がたくさんあった。また自歩道(自転車通行可の歩道)で自転車のために大きな道が作ってあったとしても歩道である限りは徐行しなければいけないとか、右左折する時にハンドサインを出さなければ罰則があるだとか「これみんないつ習うの?」みたいなものもあって世の中違反者だらけだっていうことにも気づかされる。とういうか自転車は車両だという認識がされていなかったということなんだろう。
またケーススタディでは冒頭の僕の疑問にも答えていて「自転車横断帯が何故歩道から出ているのか」というのはもともと昭和53年の時の道交法改正の時に歩道を徐行している自転車がわざわざ横断歩道を渡るときにおりなくてもいいようにできたものらしい(本来、自転車は横断歩道を渡る際おりなければいけない)。そしてこの自転車横断帯、実は2011年に警察庁が「自転車交通総合対策」というものを全国の都道府県警に通達した時に順次廃止されていくことになっていたようだ。自転車横断帯が事故の原因になっていたり、自転車は原則車道という原点に立ち返るためらしい。なぜ自転車横断帯が事故に?という方もいると思うので軽く解説すると、自転車が交差点を通る時、自転車横断帯がある場合はそこを通らなければいけないということになっている。これを素直に実行すると、車道を走行中の自転車が直進するつもりでも、横断帯を通るために一度左折するような動作をしなければいけなくなる(横断帯は歩道側にあるので)。そうなると後続の自動車が左折しようとしたときに、「この自転車も左折するんだな」と勘違いしてしまい巻き込み事故になってしまうのだ。自転車に関する法令がとっちらかっているなというのがこれだけでも感じられるような気がする。
と、まぁ詳しいケーススタディは本書で確認してもらうことにしてここでは最も重要な自転車安全利用五則をさらっと確認しておこうと思います。
1.自転車は、車道が原則、歩道が例外
2.車道は左側を通行
3.歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4.安全ルールを守る(飲酒運転しない、二人乗りしない、並進しない、夜間はライトをつけるなど)
5.こどもはヘルメット着用(もちろん大人も着用するように努める)
この自転車安全利用五則は運転免許を更新した時にもらう冊子とかにも書いてあったりするんだけど知っている人はそんなにいないんじゃないだろうか。
最後にまとめ。本書はほんとに詳しく「自転車を安全に走行する方法」が書かれているので自転車をこれから乗ろうとしている人にはぜひ手に取っていただきたい。あと注意して欲しいのはこの本は2014年1月時点の情報で書かれているので、読むときには内容が更新されてしまっている可能性があるということ。常に最新の情報に気を配るようにしたい。
以上、愛車は「BADBOY」。とばりの坊主がお送りしました。
読んでくださってありがとうございます。サポートしていただいたものは、読みたい本がいっぱいあるので、基本的に書籍代に当てたいと思っております!