Jrウインターカップ2023-24の結果

少し前ですが1/4〜8に行われた京王Jrウインターカップ2023-24の結果と気になったチーム・試合を書いていこうと思います。

■男子結果
優勝 四日市メリノール学院中学校 (三重) ※初優勝
準優勝 京都精華学園中学校 (京都)
3位 GYMRATS (静岡)
3位 サンロッカーズ渋谷U15 (東京)

■男子ベスト5
櫻井 照大 (メリノール学院 3年 #11)
中村 颯斗 (メリノール学院 3年 #21)
本田 蕗以 (メリノール学院 3年 #61)
今西 大良 (京都精華学園 3年 #16)
善山 蒼介 (京都精華学園 3年 #55)

メリノール学院がJrウインターカップ悲願の初優勝となり、これまた初の全中とJrウインターカップの2冠になりました。
数年ずっと優勝候補と言われていたメリノール。
榎木くんや栗原くん(共に現大濠)がいた去年のJrウインターカップでも優勝候補と言われていましたが、準決勝で佐藤凪くん(現東山)の横浜ビーコルU15に敗れて優勝ならずでした。
あの悔しい敗戦のリベンジでの優勝は素晴らしいですね。
本当に今年のメリノールは強かったです。

そんなメリノールの勝ち上がりの中でも、最も熱い戦いになったのは、準々決勝のNOSHIRO BASKETBALL ACADEMY戦でしょう。

大会前に個人的に注目していたのは、ボンズ茨城とZIPS BASKETBALL ACADEMYの2チームで、この2チームには共に205センチの選手がいます。
なので、この2チームの勝った方が準々決勝でメリノールと対戦するので、ここが今大会の注目だろう。
と思っていたのですが、この2チームともNOSHIROに敗れ、NOSHIROが準々決勝に進出します。

◉Jrウインターカップ 準々決勝◉
NBA 69(16-17.25-16.12-23.16-20)76 メリノール

まずはNOSHIROもメリノールも大きいチームですね。

スタメン平均身長
メリノール:185.4cm
NOSHIRO:186cm

メリノールは歴代のU15バスケ界でも最も大きいくらいのチームだと思っていましたが、NOSHIROがそれを上回ってきました。
そんなチーム同士の試合というだけでワクワクしますね。

試合は序盤から一進一退の展開になります。
今年のメリノールの特徴といえば、個人能力の高い5人がどんどん1on1を仕掛けていくことですよね。このNOSHIROとの試合の前までは、対戦相手はその圧倒的な個人技に組織力で対抗しようとしていましたが、この試合はそれを個人能力で上回ろうとしてきたので、序盤でこの試合は面白くなりそうだと思いました。

NOSHIROを個人能力で引っ張るのは何と言っても#7 高橋歩路くんです。
メリノールの中村くん・本田くん・白谷くんと共にU16アジア選手権メンバーに飛び級で選ばれた1人ですね。彼はまさにエース。前半だけで16得点します。
チームも高橋くんに点を取らせるためにしっかり動いてパスを回します。しかし高橋くんもエースとしてやみくもに1on1を仕掛けるのではなく、回す時は回すでも攻める時は攻めるといった判断が素晴らしかったですね。
非常にクレバーでした。でも熱いところも持っていたり。非常に将来が楽しみな選手ですね。

1Q残り2分でメリノールが5点リードとなりNOSHIROがタイムアウト。
メリノールはやることは一貫しているから変わりません。コートの5人が広がって、1人1人のスペースを空け、そこから1on1です。
ここでは少しミスが出てNOSHIROが追い上げ1Qは17−16のメリノール1点リードで終えます。NOSHIROとしてはここで追い上げられたのは良かったです。

2Qに入ると流れがNOSHIROに傾きます#2 大友くんのスリーや、#7 高橋くんの連続得点などで逆転し点差を広げ、2Q3分半でNOSHIRO5点リードとなり、メリノールがタイムアウトを取ります。この時のメリノールはファールが少しかさんでしまい、ディフェンスが少し消極的になっていたのかなと思います。
しかしタイムアウト空けにNOSHIRO#2 大友くんのスリーが再び決まりNOSHIRO10点リードとなります。
しかしここでもメリノールは落ち着いていました。流れに飲まれて焦ってシュートを打つのではなく、しっかりオフェンスを作ってスペースを作って攻めるということはブラさずでしたね。メリノールは#11 櫻井くんの1on1から連続得点します。
しかしNOSHIROも負けず、高橋くんのミドルで得点し流れを渡しません。
2Qは33-41のNOSHIRO8点リードで終えます。
高橋くんの得点能力と大友くんのスリー2本が光ったQになりました。

3Qに入り一気に追い上げたいメリノールは白谷くんと櫻井くんの3連続得点で4点差まで追い上げます。しかしここでNOSHIROは#58 千田くんのゴール下と高橋くんのスリーで再び9点差に戻します。ここで再び千田くんのゴール下で点差が11点差に。
ここは多分この試合の中で最も重い時間帯でしたが、ここでメリノールは櫻井くんのバスカンが決まります。このフリースローは外れますが、それを#61 本田くんがリバウンドをとり得点し7点差にします。この4点プレイ(?)がとても大きかったです。
その後本田くんのスリーや白谷くんのバスカンで4点差となったところで、NOSHIROがタイムアウトをとります。
タイムアウト空けでメリノールはついに#82 藤原くんのスリーが決まり1点差に。
一気に逆転ムードかと思いましたが、3Q残り2:46で櫻井くんが4Fとなりベンチに下がります。これはかなりのピンチだと思いました。ここまでこの試合をPGとして引っ張っていた櫻井くんがこの大事な場面でベンチに下がるとは。
再び訪れたメリノールの大ピンチ。しかしこの大ピンチをチャンスに変える男がいるのです。
ここでメリノールは#23 木村くんのスティールから#21 中村くんのスリーで一気に逆転。続いてまたしても木村くんのスティールから、今度は自らドライブしファールをもらいます。これは流れを変えたプレーになりました。
ここでNOSHIROはたまらずベンチに下がっていた#10阿部くんをコートに戻しますが、またしても木村くんが阿部くんからスティールを奪い、イージーレイアップを決めます。その後リードを5点まで広げますが、最後NOSHIRO高橋くんが入れ返し3Qはメリノール3点リードで終えます。

4Qに入り早い時間帯に追いつきたいNOSHIROでしたが、残り7分過ぎたあたりで、またしてもメリノール木村くんのスティールが出てイージーレイアップを決められ5点差に。ここでNOSHIROはタイムアウト。しかし流れは変わらず、残り6分で8点リードまで広げます。残り5分で木村くんのこの日5つ目のスティールで得たオフェンスで中村くんのスリーが決まりついに10点リードに。
しかし諦めないNOSHIROは高橋くんの連続得点などで追い上げ、残り2分半でスリーが決まり5点差に。メリノールは本田くんの得点で7点差にするも、再び高橋くんの得点で残り2分で再び5点差にしたところで、メリノールがタイムアウトをとり4Fの櫻井くんを戻します。
すると早速櫻井くんが1on1からドライブをねじ込み7点差に広げます。しかしNOSHIROは阿部くんのスリーで4点差にします。しかしメリノールは本田くんのゴール下で6点差に。そして残り1分切った時に櫻井くんのドライブが決まり7点差に。
そして残りの時間を落ち着いてボールを回したメリノールが76-69で勝利しました。

全中・Jrウインターカップを通して唯一といっていい接戦のゲームでもメリノールは本当に落ち着いていましたね。それはどんな展開になろうと全くブレなかったと思います。その中でも最もピンチだったのが、3Qの櫻井くんが4Fでベンチに下がった場面だと思うのですが、この最大のピンチを最大のチャンスに変えたのですから、素晴らしいとしか言えません。なんと言ってもここからスティール5本した木村くんがこの試合のMVPですよね。この試合でベンチメンバーがMVP級の活躍をするのがメリノールの強さということでしょう。

しかし、この1年間(実質全中からの半年間くらい?)は本当に楽しませてもらいました。
今年のメリノールは「大エースとして毎試合30点くらい点取って、世代の注目選手と呼ばれるような」選手が同じチームに5人揃ってしまった奇跡のようなチームだと思っています。
なので、誰がエースで誰がロールプレイヤーということではなく、全員をエースとしてできる限り経験を積ませるチーム作りをしてきたのだと思います。

これでこの5人の試合を見れないのが寂しいですね。
アジアで同世代のチームと戦ってもかなりいい戦いが出来ると思いますし、より成長できるのはと思いました。
他の方も言っていましたが、このチームでU18の大会に出るのもとても面白いですね。
U18の三重県大会でどこまで勝ち上がれるのかはとても興味あります。

個人的にこの5人の次の物語になるのでと思っているのが、2026年のU18アジア選手権です。この大会はこの代が高3でメインになります。
それぞれ別々の高校に進んだ5人がこの大会で再び集結し、アジアのライバルを相手に戦うなんて、このドラマのスペシャル版みたいで、とても期待しています。

記事で出ていますが櫻井くんと本田くんは大濠に、中村くんは東山に進学するそうです。(藤原くんどこなのか楽しみ)
高校での活躍も楽しみです、中3になりフォワードになりバリバリ点を取りに行くプレイヤーになっているらしい白谷くんも楽しみですね。
これからもこの5人を追いかけていきたいですね。


かなり長くなってしまったので、次回はメリノール以外で気になった選手について書きたいと思います。

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