大阪杯と札幌記念の回顧から各コースの特徴をつかむ

どうも、とうけいばです。

今回は札幌記念をラップの面から回顧したいと思います。

比較対象として、同じく芝2,000mで行われる大阪杯と比較し各コースの特徴を理解してもらえればと思います。

1, 両重賞のレースラップ比較

まず大阪杯と札幌記念のラップを比較してみましょう。

レースラップ

ざっくりと札幌記念のほうが前半速いことがわかると思います。
ここで気を付けてほしいのが、札幌と阪神では馬場が異なること

札幌は洋芝であり、阪神は野芝がメインです。
それぞれの芝で馬場の速さが違うため、一概にこのラップを比較することは正しくありません。

そこで馬場差の補正をするため、ラップタイムを全体の平均ラップで割ることで“相対ラップ”を算出しました。

簡単に解説すると、1よりも大きければレース全体の中で遅い区間、
反対に1よりも小さければレース全体の中で速い区間になります。

以下、算出結果とグラフです。

相対ラップ

相対ラップ グラフ



ひとつひとつ確認しましょう。

まずは大阪杯。
札幌記念との比較では前半部分において大阪杯のグラフが上にあることから、前半がゆったりとしたペースであることがわかります。

一方、札幌記念は前半が速く、中盤にやや緩みその後再加速するレースラップになっていることがわかるかと思います。

両レースともに先行したラッキーライラックにとって、大阪杯は楽なペース。一方、札幌記念はきついペースで追走していたことが容易に想像できるかと思います。

また、札幌記念を勝利したのはノームコアです。
その前の勝利は東京1,600mで行われた富士Sまでさかのぼります。

ついでに富士Sの相対ラップも見てみましょう。距離こそ違えど、札幌記念と同じようなレースラップであったことがわかると思います。

富士S グラフ


話がそれましたが、このように同じ2,000mのレースでもコースが違えばレースラップが異なります。

では、このようなラップの違いがなぜ生まれるのか、コースの特徴とともに理解していきましょう。

2, 阪神、札幌2,000mの特徴

それぞれのコースの特徴を、違いのあったレース前半部分に寄与する所を抜粋しました。

コース特徴

大阪杯が行われる阪神芝2,000mはスタートすぐ上り坂な上、札幌と比較しすぐにコーナーに突入します。

人間もそうですが、コーナーを曲がる際は減速しないと遠心力によりうまく走ることができません。

これは馬にとっても同じであり、特に阪神内回りはコーナー角がキツイため、大きく減速しなければなりません。

これが大阪杯で前半のペースが緩くなる要因です。

一方、札幌は阪神と比較して1角までの距離があるため先行争いがはげしくなります。

また、コーナーも大回りでゆったりしているため、大きく減速する必要がありません。
そのため、札幌記念は前半のペースが速くなりやすい舞台となります。

このように、コースの特徴を理解しつつラップを見ることで、より深くレースの質を理解できます。

3, 人に例えてみる

では、上記の特徴を理解した上でどういった馬を狙えばいいのでしょうか。

ここで人に例えてみます。
あなたはマラソン選手になってコースを走っていると考えてください。

まずは大阪杯です。スタートしてすぐに減速を強いられる舞台のため、前半のペースが緩くなります。しかし向こう正面に入ると徐々に加速し、最後まで加速していきます。

あなたはスタートに出遅れて集団の後ろを走っていたとしましょう。勝つためには前の人を抜かさなければいけませんが、前の人は加速し続けています。
また最後のコーナー付近では全速力で走っているため、前の人を抜かすにはそれ以上に速いスピードで外から抜かなければならず、容易でないことが想像できるでしょう。

一方、スタートでポンっと出た人は前半からペースが緩いため楽なペースで走れます。ほぼジョギングです。

また、終始楽に加速するだけなので、スタミナのない短距離選手でも最後まで走り切ることが可能です。

このように、阪神2,000mで重要なポイントは

①スタートで先行できる先行力
②短距離馬のような高い基礎スピード能力
③内を回れる枠順

が大事になります。

実際、今年の大阪杯ではスタート後すぐに内を先行したラッキーライラックが勝利しました。
ラッキーライラックはマイルで勝利経験があるように高い基礎スピードを持っています。

一方、適正距離が長く後方からの競馬になったブラストワンピースは懸命に外から追い上げるも力尽きていまいました。

では、次に札幌はどうでしょう。

スタートから先行争いが激しくなかなかペースは落ちません。
ここであなたも先行争いしてしまうとキツイ展開になります。

一方、差し馬にとっては前半の先行争いに巻き込まれないため、終始自分のペースで追走できます。
またコーナー角も大きく緩いため、全速力で走り続けることが可能です。

そのため、札幌2,000mでは最後まで足を使う持続力が問われる舞台となります。

札幌は阪神と比較して展開による紛れがすくないため、各馬が能力を発揮しやすい舞台です。

またコーナーが緩い関係上、トップスピードに近い能力を発揮できるため東京コースと成績がリンクしやすくなります。

東京と札幌コースが馬券的に荒れにくいのは、各馬が能力を発揮しやすい舞台であるというのが一つの要因かと思います。

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