【回顧】フェブラリーS

2021/02/21 日曜東京11R フェブラリーS

勝ち時計：1.34.4
レースラップ：12.5 - 10.8 - 11.4 - 11.8 - 12.0 - 11.9 - 11.9 - 12.1
前後半：34.7-35.9
ペース判定：H

☆このレースのポイント
①中間(コーナー)のラップが過去10年でも最速
→コーナーで外を回す馬の負荷が最大

②６ハロンで見れば早いペースだが、馬群は9馬身前後と団子状態。
→全馬が基礎スピードを要求され、中距離質の強い馬にはキツイ展開。

34.7-23.8-35.9と中間も緩むこともなく淡々としたラップを刻んだレース。前半部分が34.7とそこまで速くなかったため、全馬馬群にとりついての競馬。

しかしワイドファラオが３角手前から競りかけることで中間も緩まないラップ。残り600～1000mのラップが23.8秒と早く、これは近10年において最も速い。良馬場でタフな馬場であったことを考えればコーナー部位はかなり早かったと考えてよく、ここで外を回していた馬のロスはかなり大きい。

もちろん、今週も含め現在の東京ダートはインが強い傾向にあり、馬場的な面も含めてインが強かったのもある。つまり、ラップ、馬場ともにインがかなり有利な競馬であった。

実際、１～３着馬はもちろん、上位馬は全頭ラチに近いところで競馬をしていることがわかる。

参考：コーナーでの位置取り

と、ここまで書いて思ったけどチャンピオンズCでも同じことを言ってました。もちろんチャンピオンズＣも同様にコーナーが速かったという一面はあるけど、基本的にダートG1レベルになるとかなり高いレベルでの接戦になることが多く、最終的な着順に道中の位置取りが反映しているようにも思う。フェブラリーSも1.34.4という時計はかなり早いと言っていいし、道中の距離ロスを取り返すことさえも許されない競馬となっていた。

参考：チャンピオンズＣの回顧記事
https://note.com/to_keiba/n/n3f4c7955d5c5

また、ポイントの②に書いたように全頭がある程度の基礎スピードを要求されているはず。カフェファラオは別次元のため除くと、２～４着馬は1200～1400mでの好走歴がある。この辺は予想段階では見当違いだったので反省しなければならない。

勝ったカフェファラオは道中はじっくりインに構えての競馬。懸念されていた砂を被った競馬も全く問題なく、最後は危なげなく抜け出して完勝。道中はやや忙しい競馬に見えたのは前述のとおりどちらかと言えば短距離質の基礎スピードが求められたことが要因であり、そう考えれば着差以上にカフェファラオの勝利は価値がある。ラスト１ハロンも12.1でまとめた上に1.34.4という時計を出されてしまっては他馬は追いつかない。能力通りの勝利であった。

２着エアスピネルは対抗に推したがよく頑張ってくれた。道中はラチにつけていたようにポジション利もあったが、なにより1400mをこなせる下地があったのも大きい。最後の直線ではやや進路取りに苦労する面もあったが、これはこの血統らしくピッチの効いた走りをするこの馬にとってはむしろプラス。進路ができると一気に加速し、最後の50mはしっかりと脚色が鈍ってるあたりまさにピッチを生かした一脚が武器の馬であり、仕掛け遅れは結果的にベストなタイミングでの追い出しであった。予想文に書いたように武蔵野Sではワンダーリーデルに先着しているし、チャンピオンズCではインとはいえ脚を使っている。にも関わらず人気は落ちていたし、このオッズ妙味は本命にするだけの価値はあった。

３着ワンダーリーデルもこれまでの競馬とはうって変わってインから強襲する競馬。結果としてその戦法はマッチしていたし、マイルだと少し距離が長い印象のあるため、最初から決めていた戦法なんじゃないかな。とはいえこの年齢にして休み明けでも好走できるようになっているし、やはり血統面の影響が大きい。長い直線で脚をしっかりと伸ばしたいだけに好走レースが少ないが年齢的な割引はまだ必要ない。

本命にしたソリストサンダーは1400m質の基礎スピードは問題なかったものの、道中外目を追走していたロスが響いた。もう少しやれていい印象もあったけど、同じように内から３頭分外をまわしていたサンライズノヴァはもっと走れていないし。距離ロスというか、コーナーで外をまわしている時点で無酸素に入るようなスピードでの追走を余儀なくされたと考えるべきか。この敗戦で見限るのは早い。

☆道中不利のあった馬

サンライズノヴァ・・・出遅れ
サクセスエナジー・・・出遅れ
インティ・・・出負け
アルクトス・・・かなり大外追走
ミューチャリー、ソリストサンダー、サンライズノヴァ、スマートダンディー、オーヴェルニュ・・・外追走
ワンダーリーデル、ミューチャリー・・・直線逆手前