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とある少女漫画の話

『ぽちゃまに』という少女漫画をご存知だろうか。

花とゆめから出ている少女漫画で、ぽちゃっと体型の主人公とぽちゃっとした人(モノ)が好きな男の子の恋愛模様を描いた少女漫画である。

実家に帰って、久々に買っていた1巻を読み返してみた。


そしたらもうあれよあれよと泣いてしまって。

これだけ読むと泣ける感動系の話?と思われる方もいると思うがそうではなく。


私自身がぽちゃっと体型で、それ故に主人公の思考回路にめちゃくちゃ共感したり、相手の男の子の言葉に自分も許容されたような気持ちになり泣けてしまったのだ。


私は、少女漫画はもちろん好きだが、少年漫画でもカッコいい男の子を好きになったり、乙女ゲームを買ったり、なんならシチュエーションCDも買ったりする程には男の子との恋愛でキュンキュンするのが好きだ。

そう、好きな男の子、好きな男性と、恋人ができるようなことをしたいとずっと前から思っていた。憧れていた。


けれど一度もそれは叶っていない。


その原因の一つが、体型のせいである。

体型が整っていないあまりに、避けられたり笑われたりしてきたせいで自分の容姿、自分自身にも自信なんてものはなく、恋愛なんてのは好きになっても、気持ちを自分の中で留めてきた。伝えるという選択肢は選んで来なかったしその気は毛頭なかった。

なぜならこんな体型の私に恋愛感情を抱く人などいないと思っているから。


私は恋愛しても、絶対成就しない。

だから好きになっても勝手に思うだけ。で、終わり。負け試合と分かってて負けに行けるほどの度胸はない。



ぽちゃまにの2巻で

友人にぽちゃっと主人公のことをどう思うか聞いた主人公の彼氏

友人は主人公の良いところ(主に性格や振る舞い)を伝えると

彼氏となった男の子は

「俺はそれが悔しい。だから、体型のせいで紬(主人公)が経験してこれなかったことは、経験させてやりたい」

だからクリスマスは彼女のために張り切るのだと言う。

この台詞を読んで

これまた一気に涙が溢れ出た。


こんな風に苦しかったところに気づいてくれているということが嬉しくもあり

ずっと自分は一つ一つの恋愛のステキな部分や、憧れる物事を、経験できないことだと、今諦めてるんだということに気付かされた。

もう周りの人は彼氏がいない人の方が少なくて

何年か前まで彼氏がいないと同じように言っていた友達は今みんな彼氏がいて、結婚をしている子もいて、なんならお子さんを産んだ子もいる。


比べるべきではないのだと思うのだけれど



やはり、選ばれるような人間ではないのだと思い知る。




その「選ばれない」の要因の一つ

しかもトップとも言える部分に

「体型」が鎮座しているのかなと思ってしまう。


20代なんだから恋愛しな!

と、昨日も職場の人に言われたばかりだが

恋愛に頑張れる勇気は削がれてしまっているので

「出来たらいいんですけどねぇ〜」と、苦笑いしか出来なかった。



もちろん内面も整っていなければ人に本当に好かれはしないとは思うのだが

人は見た目が9割


これで、見た瞬間にアリかナシかで振り分けられてしまう。


そこから印象をひっくり返せる自信もないのだ。


体型の悪さが、いかに自分の中で重たい呪縛となっているのかを知った。


ただ、ぽちゃまにという漫画事態は非常にステキな初々しい恋愛を描いているのでほっこりしたい方には是非オススメしたい。また、この体型というテーマに挑んで下さり、噛み砕いて色んな感情を言葉にしてくれている作者様には多大なる感謝をお伝えしたい。


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