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写真歌集『すくう、すくうよ。』

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言葉とレンズで、ひかりをすくう。Photo+Tanka:田中ましろ / model:遊上なばな
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#歌集

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 023

023:「鳥籠と空」 鳥籠みたいなこの世界で 生きるのが上手になった // 窮屈な自由がちょうど心地よく空まで届かなくとも踊る --- 田中ましろ

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 022

022:「優しいだけの」 柔らかい光に 刺されるような気分で // 夕暮れに心をひたす 僕がただ優しいだけの人でいること --- 田中ましろ

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 021

021:「日々に心は」 ただ生きることが こんなに苦しいのは何故だ // 日々、日々に心は擦り減るものだからあなたに告げる Take it easy. --- 田中ましろ

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 009

009 時計の音が響いていた 言葉が邪魔になるときもあるんだ 蜃気楼 あなたの息の気だるさが狂わせている針のあること

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 008

008 その景色を伝えたいと思うのは ひとつの愛のカタチ、かもね さみどりのぬるい木陰に風は来て会いたい人に会わねばな、夏

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 007

007 こころの在り処を 探す日々でした 脇役としての暮らしに飽きてきてその日、少女は窓をひらいた

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 006

006 美しく生きるのではなく 生きていることが美しいのです 今日もまた光のなかに終わる今日 生き方を嗤うやつが馬鹿だよ

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 005

005 希望と呼べば歯がゆくて 照れ隠しのように微笑んだ 失敗のあとに出会えたひかりとか やさしい夕を小走りでゆく

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 004

004 強さってなんだろうね 生きてるだけですごいことなのに 強くあれ、なんて言わない ひだまりに命をひとつ遊ばせながら

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 003

003 記憶の中の春が 色褪せないのは何故だろう はなびらのひとつひとつが光るから走っても走っても春の坂

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 002

002 そこにあった日々を それでも僕は愛していたい どの過去も僕から遠ざかるばかり 四月 あなたの記憶を追えば

写真歌集『すくう、すくうよ。』 / 001

001 あなたのいない季節に 慣れたくないと何度も思う はじまりは春のひなたのあたたかさみたいでそれが恋だったんだ

写真歌集、はじめます。

世界は美しいか。 その問いに躊躇なく イエス、と答えられたらよかったけれど。 世界は美しいか。 否、世界は混沌に満ちている。 だから僕は、 僕というフィルターを通して 世界と向き合うことにした。 それは一片の言葉で。 それは数枚のレンズで。 混沌の中から掬いあげる、 あるいは救いだすように、 光を探す旅だ。 世界は美しいか。 答えのない、果てしなく続く旅だ。 言葉とレンズで、ひかりをすくう。 写真歌集『すくう、すくうよ。』 はじめます。