転生したガネ…俺は悪にはなりきれないガネ…!人を騙すとか、悲しませるとか…そんなこと、絶対に出来ないガネよ…!

オギャア、と喚くは我なりと、シロガネBS。
先日はなまるうどんに轢かれてなあ、死んでしもたのよ。それはそれとしてこの洋風のしみったれたクソ建物について説明させておくんなましな。
これは俺がな。死んだ後にな。ご幼体で顕現せし場所にあったのよ。
なんか基本的に寒い。
そんでコイツは俺の…なんなんだろね。親みたいなもん。ペリカン?カモメ?みたいな大きな口をしたおっさんが…お母さんでは無い方?父上?ですわ。

うさうさ


マムはおらんようでな?こりゃ困りましたとね。
しかもですわ、最初は言葉通じんかったんですわ。途中から何言ってるか分かるようになってきたんですけどもね。
「おい、シロガネBS…産んどいて悪いが、もう立ち行かなくなってしもてな?」
え、俺、"育児放棄"されるとですか…?
こうして俺は、近所の森に放置されることとなったんじゃ。てんさん。お前は今どこで何しとるんじゃ…俺を助けてたも…(おじゃる丸)と、考えていると、めちゃくちゃ老けたジジイが顕現したのよ。
「おお、おお、哀れな幼子。最近は捨て子が多いと聞いておったが、こんな所に捨てる輩もおるのか…」
ジジイ、コイツは助けてくれる存在かもしれない。 
…というのが実は、7年前の多分、年末?の話なんだわ。
俺を転生させた女神っつーのから、めちゃくちゃな一報が届いちまったのがさ。なあ、恐ろしいことに…
一昨日の夕方とかなんだよな。
今日は日本で言うところの7月15日とかじゃないかと俺は考えている。この世界では1月10日、って事らしいがな。(たまたま冬だけど日本とリンクしてるのかなあ)

あは。

まあ、その女神から届いた一報っつのがね。ヤバいのよ。転生者はお前だけではなく、72人いるってこととね。
────それぞれ私から貰ったチートスキルと名前を述べてから殺しあってください、って事らしい。
なんでやろね。まあ俺はジジイに鍛えてもらったからな。ジジイ曰く魔法は宮廷魔術師レベルさ。
そんで、来たのよ。転生者。
…ジジイに、弟子入りしに…な。
「俺はペニーです。プケファロス翁。転生者である貴方に、稽古を頼みたい。」
ペニーは、頭を深々と下げながら、変態的な笑みを浮かべつつ顔を上げていると思う。そう見えた。
「は?ジジイが転生者ってなんでべや?!」
俺は驚いて大声を出す。勢いで癇癪まで起こしてしまいそうだ。
「…君は…?」
ペニーは訝しげにこちらをみやる。バカ殺すぞ?と俺は思った。と同時にさあ!
シロガネBS、とんでもねえ失態!しまった!という感じです。
「…ああそうだよ。俺も転生者っつー事べや!!」
ジジイは驚愕の表情を浮かべる。
「シロガネBSや…貴様、一度もチートスキルを使用してないではないか。それでも転生者というのは本当なのかい…?いつもの冗談であれば、今回ばかりは…いや、許す。だから、撤回するのじゃ…頼む…お前を殺人者にはしたくない…」
ジジイはめちゃくちゃ悲しそうな顔をしている…俺は今どちらかと言うとハッピーよりのEmotionですけど。
「たしかに、転生者という概念をシロガネBSには教えていない…だから、もしかしたらガチなのかもしれない…」
ペニーは静かに話を聞いていた。アイツは恐らく、多動性がない…存在だろう、と俺は思案する。
「それはワシのセリフではないかい?」
一拍置いてジジイがツッコミを入れたところで、俺は杖を構えた。
「おい、ペニー…俺と試合するんだろ?」
ペニーは、けん玉を飲み込んだような顔をしながら、変態的股間まさぐりなウニを食べたように見える。
「…俺の名前はペニーだ。所有チートスキルは剣戟鋭神∞(ブレードバッファーインフィニティ)。」
「テメーコノヤロ!チートスキルなんて貰ってるのかよコノヤロ!俺はなあ、持ってないぞ?チートスキル…俺はよォ!シロガネBSってもんだ。絵が上手いからどうか見逃してはくれねえかね?」
俺は大号泣しながら本当に許しを乞おうと頑張った。だが… 

「死なせる────。」
ペニーは容赦なかった。変態的キモすぎる性犯罪者ブレードできったない剣さばきを繰り出すその姿は──
バイクの乗り方を知らない子供のよう、っつー事ですよ。

俺は、チートスキル、変態の刻(リバース)を使用…

──バイクすら識らないガキに変えてやるよ、半端者。

次回に続く。

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