最後のセンター試験倫理を読む
先週末は最後のセンター試験でした。倫理の問題を見てみました。
大手予備校も指摘していますが、クワインや鈴木正三などの受験生が(いや、教える側も)見落としがちな、でも資料集にはバッチリ出ている思想家が出題されたところは難しいところですが、例年通りの出題だったかなぁ、というのが私の感想です。
(やっぱり選択肢の作り込みと難度の調整はすごい。)
来年から新テストに変わる前最後の試験だからって奇をてらうようなことがあるかは注目していて、
来年度の新テストを見越していろいろ試してくるパターンと、
特別なことはしないパターンと、
予想の方法が二つありそうで、私はどちらかというと「特別なことはしない」派でした。
(一旦閉店して改装リニューアルオープンしますってレストランが閉店前最後の営業で新メニュー出したりしないのと同じようなもんだろうと考えていた。)
他の科目はそうじゃないものもあるみたいですが、倫理や政治経済の出題については、ひとまず予想が当たったかな、と考えています。
たしかに出題は例年通りだったのですが、一方で出題のリードになる問題文は結構冒険してるなぁと感じました。この部分は来年を見据えているのかなぁ。
かなりくだけた表現をしています。例えばこんな感じ。
R:見たよー。ロボットが色々やってくれたら,人間はもっと自由になるね!
K:だねー! あと、ロボットに頼って暮らすようになると人間同士の関係が疎遠になって,感情的なつながりが希薄になっていくって話もあったなぁ。
(2020年度大学入試センター試験本試験 倫理 第一問より)
気になったのは「だねー!」って表現。こんな若者っぽい口語表現いままであったかなぁ。これはかなり新しい大学入学共通テストを意識していそう。
(一年前なのに詳細決まり切っていないようだけど)共通テストでは「具体的事例を用いて考えさせる問題」という日常の会話の中から倫理の内容を出題しよう内容の出題が予定されています。すでに実施された試行問題でも出題され、結構長い家族の会話文が出題されました。今回のセンター試験の会話文もこの試行問題にかなり近いテイストを感じます。他にも「侍ジャパン」や「サムライブルー」など受験生の年齢層に身近な話題を使おうとする意図が見える単語が出題されていました。受験生の少ない科目なりに努力しているようで興味深かったです。
まぁ、ホントに若者によせるなら、「だねー!」よりか「それな」のほうが若者言葉の実態に近いとも感じたけど。
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