映画「トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!」感想(ネタバレあり)

はじめに

 遅ばせながら映画「トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!」を見に行ってきましたので、感想を書くこととします。

ネタバレなし感想

 まずはネタバレなし感想をば。結論から言うと、
 [1] あすか先輩の株が爆上がり
 [2] 面白いと思うし好みなんだけどパワー不足って感じ
 って感じがしました。

 [1]はあすか先輩はTV版と同じくツッコミキャラっぷりに加えてムードメーカーっぷりを発揮してて非常に楽しめました。なんか一番いきいきしていたような気がします。
 [2]についてはコロナ禍なので仕方ないか、と思える部分はありますが、話が好みなだけにパワー不足が余計目立ってしまってる感はありました。

ネタバレあり感想

 じゃあ先述の感想のどこがそうなのか、について語ることとします。

[1] あすか先輩の株が爆上がり
 本作のあすか先輩、
・4人掛けの席に一人あぶれるあすか先輩
・ジャンケンで負けてしぶしぶ一人座るあすか先輩
・気を遣ってかみのりん先輩があすか先輩の席へ移動するも、勝手に黙々と本を読み始めたためガッカリするあすか先輩
・保護者的な立ち位置のはずなのに、雪合戦になると「お前ほんとに上級生か?」って思えるぐらいはしゃぐあすか先輩
 と、ムードメーカーっぷりが楽しかったです。
 戦闘になるとキュアムーンライトとのコンビがかっこよくて素晴らしかったです。(あとあすか先輩関係ないですが、ハトプリ名物おしりパンチも復活しててうれしかったです。)

 それとローラは安定の主役力の暴力で楽しめましたし、まなつも雪国に普段着で凸って寒がるというポカをやりつつも、雪のプリンセスとの対峙でローラに勇気を出させるために手を握るといった「ここぞというときにやる主役」感も良かったです。先述のみのりん先輩のマイペースっぷりも楽しめましたし、しれっと活躍してるくるるんも良かったです。
 逆にさんごの影が少し薄めでしたが、さんごを主役に持ってくると面白いんだけど他のキャラが逆に目立たなくなるので、デザイナー志向のえりかにツッコミを入れるぐらいの活躍でちょうどよかったのかもしれません。

[2] 面白いと思うし好みなんだけどパワー不足
 本作の全体的な感想ですが、個人的には恋人とか国とかのために人を誘拐するという点で、ゲストキャラである雪のプリンセスに劇場版仮面ライダーゼロワン REAL×EYEZの仮面ライダーエデンと共通する部分があると思いました。
 また、主人公を食いかねなさそうな主人公の相棒が主役であり歌で締めるという展開も、名作と名高い(と思ってる)劇場版「映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」と共通してると思いました。
 「ネタ切れか?」と一瞬思いはしましたがそれってあくまでオタクの感想であり、ただ劇場版トロプリと劇場版仮面ライダーゼロワンの両方を見に行ってる女児の方ってそこまで多くないと思いますし、スタプリについても好評だったからこそ恒例化しようという意図があったのかもしれません。なので「好評だった作品の設定を取り入れた」と考えるのが妥当と思っています。個人的には面白かったと思いますし好みですし。
 しかし、この手の劇場版では変身シーンがだいたい省略バージョンになっていますが、本作は
 変身シーン全員分しかも省略なし
であるあたり、(個人的にはハトプリやトロプリの高画質変身バンクが見られてうれしいと思いつつも)5分近く変身シーンで尺を稼いでて(サントラの曲の分数で確認)、なんかパワー不足って感じが個人的には否めなくなりました。
 そしてラストの
 「次回劇場版プリキュア 2022年秋公開予定」
 って文字を見て、春映画やらないあたり
 台所事情本当に厳しいんだな
 と思いました。
 春映画がないということはヒープリに会うことはおそらくもうできず(近年の春映画の共演作品は3作まで)、非常に寂しい気持ちがあります。しかしそれ以上に、春映画が作れないほどリソースが不足している現状のほうが心配、という思いが強いです。
 とはいえ、映像制作会社における過重労働の告発が最近飛び込んできて、あの話の真偽や妥当性についてここでは語らないとしても、映像制作における過重労働を避けるという点ではリソース不足への対策としてTV本編に注力する、という方針は個人的には賛成だと思っています。
 まなつの故郷訪問回やグランオーシャン訪問回といった、劇場版でやれるような内容をTV本編でやるという話も、とにかくTV本編に注力して劇場版はコロナ禍による公開延期とかを見据えて過去プリキュアとのVSを交えた番外編にしようという意図だったのかもしれません。(春映画やらないのも第6波以降が来た場合の公開延期を見据えてかもしれません。)そういう視点で考えると、変身シーンで尺を5分稼いだり、過去作のいいとこどりをしたりするというメソッドも理にかなってると思っています。

終わりに

 そんなわけでトロプリ劇場版、パワー不足と思いつつもいろいろ考察していくうちにこれはこれで味のある作品と思えるようになってきました。テレビ本編もグランオーシャンの謎に迫ってきて佳境に入ってきたところで、これから非常に楽しみです。

追記

 変身シーン、5分近くではなく10分近くでした(5分近くって話はそれぞれのプリキュアの変身シーンでかけた時間)。

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