Meishi keyboard作ってみた感想

■はじめに

この間、GWにWindowsタブレットを買いまして、フルキーつけるまでもないけど、コピペとエンターキーくらいだけのショートカットを何個か登録できる小さいキーボードを探していました。
(ちなみに、買ったタブレットはこれです。https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/wakiba/find/1183461.html )

プログラマブル・キーボードの市販品もあるにはあるのですが、自作するという選択肢もあることを知り、Meishi keyboardと呼ばれる4つのキーを持つ自作キーボードの作成にチャレンジしてみることにしました。

■Meishi keybordとは

楽しい人生(Biacco42)さんが設計した、自作キーボード入門用の名刺サイズ自作キーボードキットです。
https://tanoshii-life.booth.pm/items/841028

ただ、キーを並べるだけでなく、はんだ付けも必要ですが、QMK(Quantum Mechanical Keyboard) Firmware というオープンソースのキーボード用ファームウェアを利用でき、C言語でキー入力やマクロを自分でコーディングして設定できる所に魅力に感じました。

■作成の流れ

作者さんのboothでの販売は終了しているようなので、私は遊舎工房さんの通販でスイッチ&キーキャップ付きを購入しました。
1500円+送料と正直そんなに高価ではないので、失敗する可能性も考慮してキットを2つ購入しました。(フラグ)
遊舎工房 https://yushakobo.jp/shop/meishi/

基本的には同梱されているマニュアルに沿って進めていきます。
http://biacco42.hatenablog.com/entry/2018/01/21/204749

上記マニュアル以外の作成方法は検索すると他に詳しいサイトが出てくるので、ここでは自作キーボード初心者の私が作成時に思ったことなどを書いていくとにします。

写真では写っていませんが、遊舎工房さんのサイトではスイッチとキーキャップはランダムと書いてありましたが、青軸、赤軸、茶軸、白軸(?)がそれぞれ1つづつ付属、キーキャップの色は全てバラバラでした。
ランダムなので、全部同じこともあるのかもしれないのですが、2セットとも同じ色のスイッチとキャップの組み合わせでした。

キースイッチが違うとキーを押すときの重さが違うので、別途好みのキースイッチとキャップを別途揃えるのがいいと思います。

■ダイオード付け

ダイオードにはカソードとかアノードとかありまして、向きがあるのですが、正直よくわからないのでマニュアルの写真通り付けました。
なんですが、、関係ない場所をハンダを垂らしてうめてしまいました。(上記写真の青丸の部分)

頑張ってはんだ吸取り線でケアしようと思いましたが、穴が小さすぎて困難な状態。あとで配線するときにどうにかする事に。

あと、今写真を振り返って見ると、ダイオードの足の切り方も結構雑な感じです。

ピンヘッダを取り付けてはんだ付けして足を切った状態です。
写真は裏面なので、ニッパでピンを落とすときにきれいに切らないと後でガタガタして安定感がなくなるらしいです。
はんだ付けのピッチが狭く油断すると、隣の箇所とくっついてしまったりします。2mmくらいのスペースで格闘しました。
盛りすぎたり、関係ない所に付けてしまったときのために、はんだ吸い取り線は必須だと思います。

表面にはPro Microを指してハンダ付けします。左右向きがあるのでマニュアルの写真通りに。
あとマニュアルでわかりにくいのですが、気をつける点としては、ピンヘッダが -■- みたいになってるので、(裏面)[はんだ][基板][■][Pro Micro][はんだ](表面)となるようにはさみます。黒い■がPro Micro側にきます。

ピンヘッダにがいる理由はわからないです。こういう界隈では常識なのかもしれませんが、多分絶縁してるのかな。

さっきのピンヘッダなのですが、裏面で斜めにはんだ付けしてしまうと、表面でPro Microの穴にピンヘッダを挿せなくなります。
ピンヘッダが長いので安定せず私は裏からやったのですが、表面のPro Microハンダ付けしたほうがいいのかもしれません。

リセットスイッチを取り付けました。
たぶん向きとかないと思います。はんだ付けも簡単。
マニュアルみてもつけるタイミングがわからないのですが、いつ付けてもいいと思います。

キースイッチを取り付けました。
スイッチをはめ込む穴が少し大きいのでしっかりはんだ付けしないと無反応になりそうです。
完成系が見えてきてワクワクしてきました。
なお、最初に関係ない場所にはんだ付けしてしまったと書きましたが、付属のスイッチではこの穴は使ってませんでした。失敗した場所がラッキーだった感じです。

MicroUSBケーブルをつないだところです。緑のランプがつくので通電はしているようです。
接続端子の剛性がやや気になります。頻繁に抜き差しするなら補強が必要かもしれないです。
ちなみにケーブルはmeishi キット には同梱していません。
規格はMicroBで、ちょっと前のAndroidスマホのケーブルなので家にあったものを使いました。

■ファームウェア書き込み
マニュアルに従って、ファームウェアを書き込みます。
後で知りましたが、ビルド済みのhexファイルを別で用意できるならQMK toolboxでGUIでやるほうが簡単みたいです。

マニュアルに書いてあるとおりレポジトリをcloneしましたが、実行に失敗しました。クローンしたディレクトリ以下を眺めていると、どうもsubmoduleがinitされていません。
レポジトリの状態が変わったのかわかりませんが、とりあえずgit submodule update --init --recursiveしたところ、ビルドは通りました。

つまり、git clone時の正しいコマンドはマニュアルと異なり、以下のような気がします。

git clone --recursive https://github.com/qmk/qmk_firmware.git

Macなので ./util/qmk_install.sh でインストールしますが、結構brewコマンドで色々入れているので時間がかかります。
環境を汚されてるかもしれません。

make meishi:default:avrdude

でビルドしてflashします。ビルドが終わったとフラッシュの段階で、

Detecting USB port, reset your controller now.........................

と表示されるのでここでリセットスイッチを押すらしいのですが、どうも反応がありません。うまく書き込めないでようです。
USBケーブルを変えてみたり、USBハブから直接接続に変えてみたり、はんだ付けの怪しい部分を見てみたりしましたが、解決せず。
Pro Microの基チップにハンダを垂らしてしまっているのも気になります。

数時間試行錯誤したのですが、電気テスターなどもないので、切り分けのために諦めてもう1つ予備で買ってあったキットを最初から作ることにしました。
2回目ははんだ付けに慣れたのか30分くらいで作れました。


ハード的には完成です。
どうも赤いランプが付くのが正みたいです。さっきは付かなかったのでやっぱり壊したのかなぁ。

■キーマップの変更

make meishi:default:avrdude

で書き込まれるdefaultのキーマップは左から、Control+Z、Control+Z、Control+C、Control+Vのようです。コピペ捗る。
Macで使うならControlキーではなくて、Commandにしないとコピペになりませんので、変更してみます。

gitでcloneしたディレクトリから /keyboards/meishi/keymaps/default/keymap.c 開きます。

const uint16_t PROGMEM keymaps[][MATRIX_ROWS][MATRIX_COLS] = {

[0] = LAYOUT( /* Base */

  LGUI(KC_Z),  LGUI(KC_X),  LGUI(KC_C), LGUI(KC_V) \

),

};

このLCTL(KC_Z), LCTL(KC_X), LCTL(KC_C), LCTL(KC_V) と書かれている部分のLCTLをLGUI(Commandキー)に書き換えます。
先頭のLはLEFTのことだと思います。試していませんがCommandキーは右にもあるので、Rでも行けるのだと思います。

make meishi:default:avrdude

でビルドします。
いろいろいじるなら、defaultのキーマップとは別名で新規に保存してパス指定でビルドしたほうがいいかもしれないです。
default/keymap.cはgit管理されているファイルなので初期状態には戻せます。

ちなみにキーを押したときにどういう入力になっているかはMacに標準でついているキーボードビューアで確認できます。
https://pc-karuma.net/mac-keyboard-viewer/

C言語でマクロを書けたりするそうなので、そこはこれから色々遊んでみたいと思います。

■困った点

○ハンダ付けめちゃ大変
慣れている人はいいんでしょうけど、高校の技術の授業で基板を焼きまくってラジオ付き懐中電灯を完成させられなかった私には厳しいなと。
もっとも難しいのはPro Microのハンダ付けだけで、それ以外は割と簡単だと思います。

トラブルシューティングの大変さ
ハンダ付け自体ほぼ経験ないため、自分のハンダが悪いのか、物が壊れてるのか、ケーブルが駄目なのか、ファームウェアが駄目なのかトラブルシューティングに時間を要した。
不安なら電気テスター買うとか、キットの予備を買おう。

入れ物
とりあえず、基盤むき出しなのでいいケースないですかね。
遊舎工房さんのレンタルボックスには色々入ってるらしいので、今度お店に行ってみたい。

Meishiのググラビリティの微妙さ
「もしかして 名刺? → いいえ」

■QA

Q:今後自作キーボード作ってみたいか?
A:ハンダ付けが大変だったのしばらくはいいかな…
フルキーは流石に作るつもりはないけど、10個位までならLAYERを使った実用的なキーマップがかけそうなので興味あるかも。

Q:どんくらいお金かかった?
A:
* meishi キット - スイッチ&キーキャップ付き (遊舎工房で1セット1500円)
* ニッパー(ヨドバシ・ドット・コムで500円程度)
* 太洋電機産業 goot グット X-2000E [ハンダこてセット](ヨドバシ・ドット・コムで1550円)

で、4000円くらいです。
ただ、本文にあるようにセット1つ駄目にしてるので、余分にお金かかってはいます。
強いて言うなら、コテ台はセットのではなく使いやすいの買ったほうがいいかもしれないです。
ビニール袋を溶かしました。

あと電気テスターも。

■参考

Meishi keyboard 組み立て方ガイドhttp://biacco42.hatenablog.com/entry/2018/01/21/204749

Meishi keyboard組み立て遍歴https://qiita.com/chesscommands/items/b685885ca1b43561b65b

QMK configuratorを使ってキーマップを作成する
https://skyhigh-works.hatenablog.com/entry/2019/02/13/161011

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