同志少女よ、敵を撃て

テスト勉強できなくて部屋の掃除してたら中学生の時の読書感想文を発掘してしまってちょっと笑いが止まらないので読んでほしい、なんかこう、中学生の拙い文章って感じですごく恥ずかしい↓

私が知る戦争とは、社会の授業で学んだ歴史上の戦争や第二次世界大戦などだ。また、ニュースが報じる遠い国の紛争や戦争などである。戦争について授業で学んだり、ニュース報道を見ても、どちらも表面上の情報しか伝わってこない。自分には遠い場所で起きている事としか感じられず、戦場で起きていても報道されていないこと、ましてや戦場の兵隊の感情など、想像すら出来なかった。

「この戦争には、人間を悪魔にしてしまうような性質があるんだ。」
ロシアの狙撃兵の少女セラフィマは、たとえ敵であっても戦場で人間を殺すことは決して正しい行動だとは思っていなかった。しかしある時、敵兵を撃ち殺しているうちに、さも殺人を楽しんでいるかのような感情に陥り、その顔には笑みさえ浮かべる。自分には人を殺すことなどは決して出来ないし、それが決して人として正しい行動ではないと最初は信じていた彼女だったが、自分が殺した敵の数を仲間に自慢するようにまで心境が変わってしまった。しかし、自分のその発言は仲間には称賛されないばかりか、逆に軽蔑されたことに気づき、我にかえり、なんとか冷静さを取り戻せたのだった。だが、もし周りの仲間も理性を失い、セラフィマのように殺人を楽しんでしまったなら、どんな世界になってしまうのだろう。人間と人間がお互いに殺人をゲームのように楽しみ、殺した敵兵の数をただのスコアのように自慢しあう。想像しただけでもとても恐ろしい世界だ。だが、戦争というものは正常な人間の理性を壊し、殺人を楽しむような人格を作り出してしまう。そんな世界になってほしくはないが、その状況に置かれた人間には選択肢は無いのかもしれないとも思ってしまう。人間の心は弱く、その場に置かれている状況で、正常な判断ができなくなってしまうのだろう。まだ十代の女の子が、このような状況に置かれ、逃げ場がない人生を送らないといけないなんて、想像しただけで胸が苦しくなる。これが、教科書やニュースだけでは私たちには見えてこなかった戦争の暗い影の部分だと思う。

もう一つ心に残ったのは、セラフィマが戦場に出る前に語っていた、「女性を守るために自分は戦うのだ」という強い信念だ。セラフィマには結婚したいと思っていた、ミハイルという幼馴染みの心優しい少年がいた。だが、彼もまた戦闘の中で、決して女性への暴力や暴行などはしないとセラフィマに誓った言葉を裏切って、敵国の民間人の女性を暴行してしまう。そしてその姿を偶然、セラフィマに目撃されてしまうのだった。ある領地での戦いが終わり、セラフィマがふと覗いたライフルのスコープには、味方の少年の兵隊が女性を暴行している姿が映る。その少年は、戦争によって悪魔にされたミハイルだった。自分がを何をすべきか確信したセラフィマは、ミハイルに照準を合わせ、引き金を引いた。銃弾はミハイルのこめかみを貫いた。彼女は女性を守るために、自分がかつて愛していた人がした蛮行を許さず、自らの手で制裁を与えて命まで奪う選択をしたのだった。

戦争は、人を変えてしまう。戦争さえなければ、心優しい少年と、幸せな人生を望んでいたセラフィマは、結婚して、望み通りの人生を歩んでいただろう。二人の悲しい結末には心が締め付けられた。

この本では、戦争は許されざる行為だと直接的には表現されていない。ただ、読み終えた人は、戦争が悪い行為だから止めるべきだといった単純な感情にはならないはずだ。この本を読み、主人公セラフィマと共に悲惨な戦場を駆け抜けたことで、戦争の世界の内側、授業では知れない部分を感じられた気がする。本の中では、セラフィマはこの戦争が終わったら世界の平和が訪れると信じているが、今のロシアによるウクライナ侵攻のニュースを見ると、現実の世界はもっと残酷で、常識的な考えでは理解できない事が起きていると感じる。この瞬間も、大勢の罪のない民間人やウクライナ人の兵隊、そして本当は侵攻なんてしたくないロシア兵も命を落としているかもしれない。いつ終わるのかも予想出来ない。そんな中で私たちは、遠い国で起きていることだからと他人事として捉えずに、まずはこんなことが起きているんだという事実を知り、自分に今できる事は何かないだろうか、そして戦争がもたらす損害や失われた尊い人命について、一人一人がしっかり考えることが平和への第一歩になると感じた。戦争で得をするのは、一部の限られた階級の人間だけで、戦争に関わらざるを得なかったその他の多くの人の幸せには絶対に繋がるはずはないと思う。戦争がない世界にするには、自分に何ができるのかは分からないが、これからの人生でたくさんの経験をして平和について考えていきたい。そして、いつか世界中の人が幸せに暮らせる日がくる事を強く願っている。

おしまい!
お前に戦争の何がわかるんだ簡単に戦争を語るなあーー!という感じ

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