見出し画像

ノーメロ1st LIVE「シャッターチャンス」が過ぎて


その日、2022年9月9日、1ヶ月ぶりに渋谷の地を踏んだ。初ライブハウス、初ノーメロ。ノーメロにとっても、初めてのライブ。2daysのうち1日目は大阪BIG CATで、そして2日目はここ渋谷のWWW Xで。
グッズを買い、開場時間まで並び、想像していたよりも狭い大部屋(それでもキャパ700人で、今回は4~500人ほどらしい)の中にいよいよ詰め込まれる。
これでもかって程ぎゅうぎゅうに。

19時を少しすぎて開演。演出のシャッターを切る音が聞こえて、合成音声?みたいな感じのご来場ありがとうございますアナウンスでボルテージが高まっていく。後ろのLEDスクリーンにはフラッシュの点滅にご注意ください、と。ボカロMVを思わせる(?)灰色バックのカウントダウンでリリースも記憶に新しい「タッチ」からスタート。
初っ端スケスケの幕(紗幕というらしい)が落ちてきた瞬間ピンクの髪のみきまりちゃんが高画質すぎて惚れた。まずそれだけ。
顔の輪郭と背景との境界がこれでもかってほどはっきりくっきりしてて、自分の目で直接見てるにしてもよくできすぎてると思った。
あまりに綺麗で可愛くて釘付けだった。
最初後ろ向いてたけど、ドラムセットのアクリル板に反射して顔が見えてうおおおお!!!ってなった。
ツミキさんはキレッキレにドラムをぶち鳴らしてた。マジでかっこいい。気づいたら手で腕で、体でリズムを取っていた。
2曲目イントロが何フレーズか続いてのsyrup。生囁き声いただきました。完全にぶち上がった。「苦味が支配したレモネイド⤴︎」のとこキュートすぎ。やばい。
サビはノーメロの曲の中でもかなり好きな伸びやかな高音がある。これ生歌で破綻なく出るのが本当にすごい。気持ち良い。
「計画を終えて 本日は決行の日付」も本当に「ほんじっちゃけっこうの〜」だった。
2B「甘味がキラキラレモネイド」も同様。食い入るように聴いていた。
次ゴーストキッス。大好きな曲たちが序盤から飛ばしてきてる。にしてもみきまりって本当に魅力的なマイク(スタンド)との関わり方をするね。画になる。

MCでもみきまりの声が心地よい。ツミキさんは大阪感を仄めかす口調。でもなんか完全に大阪弁ってわけじゃなくて語尾とかアクセントに垣間見える感じ。
最初のMCはツミキさんによるシャッターチャンスの由来。
"自分は前からライブが好き。セトリ、演出全部覚えて帰るぐらい。帰ってもキラキラした目で人に語れる。何か嫌なことがあって、どうしようもないことがあっても、その記憶があって、自分はその体験を持っているからって乗り越えられた。支えられてきた。
みんなも、何でもいいからそういう雰囲気を1つでも持って帰って欲しい。音でもいい、光のレーザーの感じでもいい、隣の人の顔でもいい。
ライブもまだあと10…曲、いや、ネタバレになるからやめときます"、と。

4曲目rem swimming、遂にデュエットきた。ツミキさんはギタボ。めっちゃ写真を撮ってしまう。2人とも画角に入るように。
サビで男女の歌声が合わさって、あぁノーメロの表現の幅は最高やな!ってなった。
2人共歌えて、ギター弾けて、ツミキさんはキーボードもドラムもいける。両方が作詞作曲できる。このこれからの無限の組み合わせを感じさせるところがたまんないんだよな。
2Aメロ「曖昧な誓いが仇と成る感覚」「然して意味の無いものなのに今更如何すりゃあ善いなんて解らない
そうやってずっと呪い合って居ようぜ」ツミキさんんんんんん!!!!!
唐突の新曲「ウィスパー・シティ」。
これもデュエット!!最高すぎ。
ちょっとだけ新しい感じ。鮮明に光ってたレーザーが記憶に新しい。
MCを挟み、ノーメロ初のみきまり作詞曲「線香金魚」。
どこかもの寂しい、物語のエンディングみたいな曲調に感じた。
「此処はもう迷路 歪み出す音色 二人で居ようって言ったじゃんか」で心がキュッとなる感じ。
INAZMAの次にリリースされた「イエロウ」が続く。ツミキさんの曲ってハイテンポじゃなくてもこんなにドンピシャなるんだ、と思っていたけど、ライブハウスで聴くと音の広がりが違ってよりそれを思い知らされた。どよどよって広がる感じ(語彙力)。
雨音のSEが続いてumbrellaに。
BPMちょい遅の曲に、止め処なく歌詞が組み込まれている感じ。この密度がすき。
そのまま1st EP「感覚派」の中で先行配信されていた、最新曲のSUGAR。エナドリZONeの企画とのコラボ曲。
みきまりの「踊ろうぜ〜!」の掛け声で、力強いツミキさんのドラムで爆発的に始まる。サビ前の「ダカダカダカダカダカダカダン」を現認。会場全体でノって、また写真を撮って、といい意味で忙しない。

みきまりがマイクスタンドを掴んで文字通り斜に構えたような体勢をライブ中何度も見たけど、ああこれが好きだ、ってなった。芯の強さまでも伺わせてくる。
激しい歌ばっかで喉の消費も半端ないはずなのに連続で歌いきるみきまりがすごい。MC中は、ものすごい頻度で水飲んでた。ペットボトルに入った水と、あとお茶かオレンジジュースかよくわかんないやつをかわりばんこに吸ってた。

ラスト新曲は「フイルム」。1音目から鳥肌が立つ感覚。直感でこの曲が新曲でいちばん好きかも、ってわかった。
「ねえ あなたはいつの日かこの色も形も 忘れてしまうのかな」ハッとした。今いるライブのことを重ねて、そんなはずはない、と思った。
初めて聴くのに懐かしい。1音1音を噛み締めるように聴いていた。
最後の最後の息遣いまで記憶にとどめた。
そしてここでデビュー曲INAZMA!後半に持ってきたか!本当に鮮烈な印象を焼き付けてくる曲でいちばん何度も聴いた曲だから、目の前で流れてて本当に感慨深い。

生演奏のピアノをバックに、ラストのMC。ツミキさん。"音楽って何?何のため?音楽は宝物。元気にしてくれて、笑わせてくれて、怒ってくれて、寄り添ってくれる、そばにいてくれる。
さっき言ったことと重なるけど、追い込まれた時、どうにもならない時、そういう時に救われる音楽をやりたい。だから本気で音楽やってる。
ノーメロンノーレモンは、何か目的を持って生まれたユニットじゃない。何かの目標を達成するために結成されたわけじゃない。
"音楽のための、音楽ユニット"。
自分たちの音楽が、日本のど真ん中で鳴ってたら最高。"


ツミキさん、その夢叶ったよ。
"1stライブができて、やっと1歩踏み出したって感じ。
今はこんなに端っこの方(規模的)かもしれないけれど、この輪が広がって欲しい。みんなを幸せにできるように音楽を作ってる。これからたくさん曲書く。本気で。"
ツミキさんはこの時涙ぐんでた。音楽に対する姿勢、あるいは生き様が分かった気がした。想いがこっちまで届いて、自分も目頭が熱くなった。
"僕たちの音楽に救われてくれて、ありがとう。"
"これからもついて来てください"、で噛んで箱全体が和んだ。これも伝説みたいなもんだよね。

水飲みつつ休んでたみきまりに移る。
"自分は大勢の前で話すのがちょっと苦手で、言葉も出てきづらい。でも、だから私は歌ってるんだと思う。"
すごい腑に落ちた言葉だった。
たくさん喋っても喋らなくても、最後は音に乗せて魂を語るのがミュージシャンなんだなって。

ツミキさんがマイクを掴んで、「アンコールは、なしでいきます。」集中するしかない。
最後の曲はアルバム「POP」でもラストを飾っていた「night draw」。
ああ終わっちゃうんだなって気になる。
ちょいアップテンポかつしっとり目の雰囲気から一転、1サビ終わりでドラムが入って一気にバンドチックになる。こっちの方がエンディングかも。
「優しくスカートが揺れる」で爆盛り上がり。
「なにもないよる」以降だんだんテンポが上がって一気に駆け抜ける。みきまりとツミキさんが向かい合ってギターを弾き、床弾きで一瞬視界から消えたりして、とうとう曲が終わる。ツミキさんはギターを振り上げるようにして、あとピックを全部観客席に投げていた。
みきまりは後ろ、ステージ側を向いて肩を揺らして泣いていた。観客の自分たちだけじゃなくノーメロの2人にとってもかけがえのないライブだ、と知った。

みきまりは後ろ向きながら涙を拭いて、2人でステージ中央に寄り、ツミキさんの自撮りで最後に記念撮影。そして深々とお辞儀をして、1st LIVEが幕引きを迎えた。

ノーメロの2人以外にベース、キーボード、ドラムとギターの両方を演奏した他の御三方も素晴らしかった。左側にいたから、ギターとドラムの方だけ見えなかったのが心残り。

写真OKのライブ、「こころで視た色」以上にデジタルな記憶にもたくさん残すことができた。カメラマンには撮れないそれぞれの観客ならではの視点で、夢のような量の写真が残された。みんながカメラマン。最前の人に、いいカメラを持ってきた人には、特にありがとうを言いたい。

フイルム 「魔法は解けるためにあって」の歌詞。
もうほとんど解けかかっててなんだか切なくて悲しさまで覚える。ライブで初めてこんな気持ちになった。半ば恋みたいに次会える日を希求している。次の魔法が待ちきれない。


追記
MCのとこで時系列がかなりあいまいになっています。言ってた場面が違ったらごめんなさい。
言葉のニュアンスもきちんと汲み取れてないかもしれません。すみません。

読んでくれてありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?