きまぐれカード紹介③ ハサイサク
みなさんは「イサク」という言葉に聞き馴染みがあるだろうか?
例えば木を切るのは?
与作だ。
では、出来栄えの良い作品は?
佳作だ。
いや、そうじゃなく。今回紹介するカードは「ハサイサク」であるが、
彼の名前には、「イサク」が含まれている。これが俺の「遺作」であるから、今回このカードを扱っているという訳ではない。カタカナだ。カタカナの「イサク」。
あれ、みんな知らない?「イサク」。
おっ、キミ。キミだよ、そこのキミ。「イサク」を知っているのかね?ほほう。見込みがあるなキミ。えらいぞ。じゃあイサクとはいったいなんだね?
……いや、そうじゃなくて。
そうなんだけどさ……。
これ。これです。
え?わからない?まあ読者を置いて行っている自覚くらいはあります。
イサク。
英語で言えば、「アイザック」(Isaac)。アラビア語だと、「彼は笑う」という意味らしい。何を笑うと言うのか。俺のことだな。
イサクは、簡単に説明すれば彼は旧約聖書の登場人物ということになる。ユダヤ人の祖(というかユダヤキリストイスラムの祖、ですか)である、アブラハムの子だ。
アブラハムには子が出来なかった。子が産まれぬまま年を取り、アブラハムは100歳、その妻サラは90歳にもなった(嘘だろ!?)。
「あなた、今年で私は何歳だったかしら」
「もうわからないなあ」
みたいな会話がなかったとかなかったとか。
で、もう2人は子供を諦めていた訳だが、神は(唯一の神は)、子供が出来ると断言していたのである。
「90でもママになれます」
「ウッソだろ!?わははは!!そんなわけねーじゃん!!うわははははッ!!」
ここで2人が笑った為、その後本当に産まれた(!?)彼の名前はイサク、という事になった。そんなわけねーじゃん。うははは。
イサクはスクスクと成長し(ここでハサイサクのフレーバーテキストに触れる天才的伏線回収)、神に捧げられることになった。
えっ神に!?
「アブラハムー、イサク捧げてくんねーかー」
「ういっす。ちすちす」
こんな会話がなかったとかなかったとか絶対なかったとか。購買の焼きそばパンじゃないんだからさあ。神はアブラハムの信仰を試そうとしたのだ。
「イサク、お前舟降りろ」
「……」
アブラハムはこのように素直に従うことにし、イサクもまた自分が犠牲になることを拒まなかった。
さて、ついにササゲール時、いや捧げる時の風景が先程の絵である。アブラハム、お前その歳でその毛量は素直に羨ましいぞ。
神はアブラハムの信仰を認め、これを止めた。止めるなら最初からやるなよ、とは言えないね。神様だもんね。
これが有名な「イサクの燔祭」というエピソードだ。
で、俺は何が言いたいのか。
イサクがアブラハムの子、つまり「偉大な太祖である父を持つ人」を表しているとすれば、ハサイサクは自然文明に属しているから、ハサイサクの父親は新章自然文明に君臨する王家の始祖、ということになる。
そんな大事なクリーチャーが持ってる効果がトリプルブレイカーだけ?
「そんな馬鹿なことがあるかよ」
双極篇の背景ストーリーでは、女王が身を呈して自然文明を守ろうとして犠牲になってしまったので、ガイアハザードたちがお姫様を探す場面があるが、そんなことをしなくても正当な王家の人間(クリーチャー)がすぐそばにいたのだ。
ではなぜハサイサクは無視されたのか。やっぱり能力でしょうなあ。初期デュエマでも見劣りするくらいの能力だから、現代デュエマにおいては雑魚中の雑魚である。
思うにハサイサクは、その高くない能力ゆえ早々と退位させられてしまったのではないか。そして邪魔者扱いされながら、王家の歴史を側でずっと見ていたというわけ。
しかしハサイサクは自然文明ライフを楽しんでいるようだ。オニオン・リングの戦いに参加したりしている(なにそれ?)。人には向き不向きがあるのは当然、面白い人生を生きるのが1番ですなあ。
は?
長々付き合わせてなんだこの終わり方は。もう笑い者にされるしかないな。あれ、それではイサクになってしまう。遺作になってしまう……
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