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推しの生誕に行かなかったわよー

初めてアイドルの生誕祭に参加したのは去年の11月。青い子の転生生誕日。
「場違いじゃないかな?」と不安だったが、アイドルを推すということに未経験だった僕が、珍しくこの趣味(?)に関して「なんでもやってみよう。なんでも経験してみよう」と少々壊れた前向きさ加減で臨んでいたので、思い切っての参戦だった。

はじめまして僕です。
高い包丁が欲しいけど、とりあえず切れるので100均の包丁を10年使うタイプです。切るというより叩き潰します。

10人のメンバーの中で比較的大人しそうに見えた青い子。
見るからに緊張している姿が微笑ましい。
青く染まったステージとフロア。
「これ以上話したら泣いちゃう泣いちゃう!」って言いながら泣きだす主役。終演後のフロアでは、大きな男の人が上を向いて号泣しており、「今日は特別で格別な日なんだな」ととても感動した記憶がある。

僕が応援している点染テンセイ少女。は10人グループなので、ほぼ毎月生誕祭は開催される。
各メンバーの担当のファンの方々がソワソワしながら準備している姿を見るのも楽しいし、生誕日が近づくにつれ、各メンバーが各々違った落ち着きのなさを見せるのも楽しく、毎回楽しく参加していた。
ただ、どうしても恥ずかしいのと照れ臭いのと怖いのとで、直接おめでとうと言いに行くことが出来ず、本当に隅っこで参加するだけだったけども。

長いことわからなかったが、僕の推しさんの生誕月は8月。青い子から数えて9番目。くっそ遠いくせに、最後の一人ってわけでもない、なんとも僕らしい微妙な順番。
遠い未来の話として、普段通り推し事を続ける。


時は過ぎ、7月10日。水色の子の生誕祭。
同居人の推しってこともあり、代行等で何度かご挨拶もしたことある。
ステキなドレスを着て、とても楽しいステージだったのでご挨拶しようか迷ったけど、やっぱり推しさんにだけ挨拶をして帰る。

多分、僕以外の誰に聞いたって「挨拶に行った方がいい」と言うと思う。
なんなら蕨駅の改札前で知らないおっさん100人捕まえて聞いてみても「(どうでもいいけど)行った方がいいんじゃない?」との意見が大半を占めるだろう。
でも、どうしても、推しさんも含めてふわっと認知されたくない、されるのが怖いという気持ちが勝ってしまう。

単純に人込みと行列がはみ出るほど苦手ってのもありますけども。

8月が近づき、TIFをはじめとした大きい舞台が待っていたり、かなり力を入れた新曲を用意していたりと慌ただしそうな日々が続く。

TIFなんて舞台、もちろん知らなかったが、事務所の後輩グループがバトルマンガのクライマックスような激闘を繰り返しても参加できなかったり、でんぱ組.incのように僕でも知っているグループが出ていたりと、開催が近づくにつれ舞台の大きさを実感していく。

演者も運営もファンも、どれだけの苦労を重ねて去年初出場を決めることができたのか、今でもさっぱりわからない。

推しさんの配信もTIFTIFTIFTIFTIFと自分の生誕のことなんか忘れてるんじゃないかという状況。
あーそういえば生誕もありますみたいな扱い。


TIF当日はうだるような暑さ。
いろいろ暑さ対策をするつもりだったのが、結局ボディシートだけ持っての参戦。
初めてなので、無理のないスケジュール。
新体制の「戦国アニマル極楽浄土」を観て、特典会参加して、「点染テンセイ少女。」の新曲と新衣装に感動して、「神使轟く、激情の如く。」観て、「点染テンセイ少女。」の特典会で新衣装回収しようとしたら間に合わなくて。
しょんぼりしながら「でんぱ組.inc」観て、夕方のビルの屋上という最高の場所で「点染テンセイ少女。」観て。

お目当てのグループを観るために、一つ二つ前のグループを観ることになるんだが、やっぱり王道グループが肌に合わないのを実感しまして。
メインステージですら同じ気持ちだったので、これはもう如何ともしがたい模様。
このグループいいなーと思うと、「〇年かかって初出場です!」みたいな王道とは言えない曲引っ提げての出場だったり。
感性が終わらない厨二病みたいでなんか…ねぇ。


初めてのTIFを楽しんだ3日後、推しさんの生誕二日前。
同居人が38℃熱を出した。
病院に行くと時期外れにも程があるインフルエンザ。あっという間に熱は下がるものの、それはそれとして自室に監禁する。
とりあえず自分の体調を内診し続けるも、TIF疲れのダルさなのか感染しているのか判別がつかない。熱は出ない。
当日まで症状が出ないようだったら行くかどうか迷うが、基本行かない方向で心の準備。

医療に詳しい同担の方に「症状なければ大丈夫だよ」と言われ、前日の夜まで様子を見て、大丈夫そうだと行く方向で心の準備。

当日の朝。
特に症状は無いが、行かない決断。
自分でもネットで調べてみて、まず間違いなく大丈夫だろうと思ったが絶対ではない。自己診断だし。
大きなスケジュールが詰まっている人たち、それを応援する人たちにいらんリスクをバラまきたくない。

昼過ぎ、同担の方に会って、用事を済ませて帰宅。
会場で観る予定だった1部をyoutube配信で観る。

オンラインチェキを購入した際、
「なんでおまえココにおらんのや」
みたいな顔をされたように感じたのは思い上がりも甚だしいだろうか。

2部もつつがなく終了したようで、演者さんからもファンの方からも楽しそうなTLが流れてくる。
人間が出来ていないので「よかったね」なんて温かい気持ちで見ることはできない。

行かない選択をしたことに後悔はないが、何故あの場所に自分がいないのかがさっぱりわからない。
きっと前世も極悪人だったのだろう。生まれ変わったら川底の石の下に潜む虫になりたい。

忙しくて全然考えて無さそうなフリして、一生懸命考えたであろうステージを観たかったし、予想外(失礼)にものすごくキレイだった衣装の姿を見たかったし、メンバーと楽しそうにわちゃわちゃしてる姿を見たかったし、黄色に染まるフロアを見たかった。みんなに祝福されている姿を見たかった。会いたかった。

まぁでもS席でなんてどんな顔して観ていいかわかんなかったけども。

先人の教えをなるべく守って、迷ったら行くようにしていたけど、行けなくなる選択肢が発生するなんて考えてもなかった。ときメモからヲタクやり直した方がいい。

思ったよりダメージがでかくて、来世の練習かのようにひっそりと引きこもっていたのだが、今日誤タップでチェキチャのチケットを購入してしまった。へっぽこにもほどがある。
推しさんさらっと「来年こそは過ごそうね」って言ってくれた。あっちもへっぽこなのにいつも要所要所で欲しい言葉くれるのずるい。

相も変わらず僕の目標は推しさんたちに忘れられること。
大きなステージに立って、目があったかどうかもわからなくて、ニュージーランドの羊の群れの最後方一匹ぐらいの認識になりたい。
「もう忘れるわけないじゃん笑」って言われたけど、何千何万といたらなんとかなるんじゃないかな。事務所の先輩を軽く超えないとむつかしそうだけども。


来年、トラブル無しに行けるといいな。
今年、どうしても行きたかったな。


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