「ひるなかの流星」を読んだ話
(2016.09.30の記事転載)
※ネタバレを多分に含みます。未読の方は一度原作をお読みになってから記事を閲覧いただくことをおすすめします。
すごく今更ではあるが、「ひるなかの流星」を読んだ。
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『ひるなかの流星』(ひるなかのりゅうせい)は、やまもり三香による日本の漫画作品。『マーガレット』(集英社)2011年12号から2014年23号まで連載された。単行本全13巻。
-出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
有名だったし評判も良かったし、先生と当て馬という構図もなんとなく知っていた。
のだが。
12巻読み終わって、最後の展開に思わず「えっ」と声に出してしまった。
いやいや、あんなに引きずっといて、馬村エンド?この物語の中心はいつもすずめと獅子尾で、いかに読者が応援しようと、馬村は単なる飾りなのに、と。
ただ、冷静になって読み返してみて、ああ、と深く納得した。この漫画のタイトルは「ひるなかの流星」。手の届かない場所にある、ずっと光っている、いつでも思い出せる、普通じゃない存在。
すずめにとっては初恋がそれにあたるし、獅子尾にとっては久しぶりの(そして禁断の?)恋がそれにあたる。
多分、言いたかったのはこれに尽きるのだと思う。
だからやっぱり馬村は(最終的に主人公とくっつこうがなにしようが)やっぱり脇役で当て馬で、この話は終始すずめと獅子尾の話だ。馬村への心移りの描写があまりに少ないのも、それなら頷ける。「ひるなかの流星」を逃すまいとしていた気持ちが主にあって、心移りしてしまったことはあくまで横に置かれている。
そういう意味で、今までの少女漫画とは一味違う読み口に仕上がっている。だから初めは違和感があったし、ストーリーに置いていかれさえした。しかし、2度読んで、こんなにタイトル通りの、描きたかったことを描ききった漫画は他にないんじゃないかなあと思う。ふむ、名作と呼ばれる理由もわかるなあ。
今連載している話も、また読んでみたいと思わせるすてきな漫画だった。
特にオチはないけれど、久しぶりに漫画を読んだので。
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