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Loud Park 2023でBleed From Withinが3年間を取り戻してくれた話

この4月からSNSに戻ってきました。しれっと。
InstagramやFacebookのアカウントは完全放置してたし、Twitterは削除していたし。正直言えば完全に音信不通になってました。

それでもその期間中、何度もHOTOKEのレイガくんが声かけてくれて、一度だけライブの撮影をしに外に出かけたり。あとは返事以前に既読すら付けられない私に毎年誕生日のお祝いを送ってくれたDespite Exile、Thy Art Is Murder、Boris The BladeとSigns of the Swarmのメンバー。かわんちゅさんも連絡くれてたりして。
Fit For An Autopsyは付き合いが一番長いので、撃沈してる私をそっとしておいてくれてました。
それから、何度も何度も「今何してる?」「元気?」「どうしてるかなと思って」と連絡をくれ続けたBleed From Withinのスティーブン。
本当に具合悪くて、文章読むのも通知が来るのも怖くて、何もできなかった。そんな私を沢山の人の思い遣りが生かしてくれた3年間だったと思います。

今回ラウドパークに行く前に、「もしかしたら会場で知ってる人に会うかもしれない。ちゃんと向き合おう」と改めてLINEやメール、DMを全部開いて読みました。
当時限界だった私に皆さんが送ってくれたメッセージは凄く優しくて。
その優しさすら読めないほどに、私は限界だったのかもしれないけれど、凄く申し訳ない気持ちになりました。そして皆の素晴らしさにも感謝の気持ちばかりが湧いてきました。


Loud Park 2023にBleed From Withinが追加

数ヶ月前。たまたまSNSを開いた日に、Bleed From Withinがラウドパークの追加アクトで決定したという投稿を発見。
凄く嬉しかった反面、教えてくれてもよかったのに…やっぱり私忘れられちゃったんだろうなとも思ったんです。そうよね、ずっと連絡取れなかったんだし、と。
この頃私はまだ人に会うのが凄く怖くて、もちろんお仕事はちゃんとお仕事としてこなすので大丈夫なんですけど、休日一歩も外に出られない状態が続いてました。

大阪なんて行けない…人が多い場所なんて無理だ。
でも…Bleed From Withinが来るなら、万が一億が一でも外に出られる可能性があるかもしれない。チケットだけ買っておこう、と。

Bleed From Withinはスコットランドのグラスゴー出身のバンド。
物凄く大好きで、空白期間が5年ほどあったんですが復活してアルバムERAをリリース。ちょうどまだ私が個人で招聘をしていた時期だったので迷わず彼らに声をかけました。

同じく、海外からはイタリアのDespite Exileも。
Vo.のJeiとは彼の別バンド繋がりでやり取りをしていたのですが、ある夜彼から「ねえ!今日BFWと共演したんだ!マリナ大好きでしょ!?」とテレビ電話があったんです。その隣には酔っ払ったBFWのVo.スコットの姿(笑)
その場で「やばすぎる!一緒に日本来てよ!誰に連絡入れたらいい?」と伝えてコンタクトを取り、招聘が決まったという裏話があります。

その前からFrom Sorrow To Serenityとしてスティーブンとはちょっと知り合いになってたし、気がつけばトントン拍子に来日が決まり発表へ。

間違いなく、あの時期私が「今世界一カッコいいバンドだから」と言い続けていた彼らですが、EUから出てツアーをするのは初めての事。
私の宣伝力不足もあり、彼らの実力をもっと観てほしいと思う面ではちょっと渋い集客だったかもしれません。

ただ、会場に来てくれたお客様、共演したバンド、ライブハウスの方々からは
「これ、観ないと一生後悔するやつ!」
「凄すぎる!」
「フェスじゃないと来ないクラスのバンドじゃないですか!」
と大絶賛をいただき、彼ら自身も憧れの日本ツアーを楽しんでくれた事が何よりも嬉しかったです。

前日まで外に出るのが嫌だと震えていた私でしたが、「せっかく友達が日本来るんでしょ?」と家族に背中を押され、早朝の新幹線に乗りLoud Parkの会場へと向かったのでした。


世界の視え方が変わった二日間

実はインテックス大阪に行く道中、電車に乗るのが怖すぎてタクシーを使いました。この時点で大丈夫か自分感がハンパない。
だけどインスタのストーリーに「大阪に向かう」と一言だけ、Bleed From Withinのアルバムジャケットの写真と一緒に載せた途端、メンバー皆から連絡が来たんです。

「そっか、皆は何にも変わってないんだ。私が一人引きこもってたんだ…」

大阪はトップバッターだし、勇気を出していこう。と手が震えながらも会場へ。
ステージにいるメンバーや、クルーの皆が通る時に気づかないかなって手を振ってみたものの、やっぱり会場が大きすぎて誰も気づかない。周りには沢山の日本の人達がいて息ができなくなりそうに。
でも皆音楽が好きな人がこんなに集まってる…集まれる日常が戻ってきたんだ、と深呼吸して開演まで過ごす事ができました。

そこからのライブ、Bleed From WithinのSEで既に号泣(苦笑)
周りの人達、多分誰も彼らのこと知らない。
だけど3年ぶりに彼らの姿と音を目の前で聴いた瞬間、何かが吹き飛びました。
誰もシンガロングしなくても歌ってた。こんな大きなステージで彼らを観られることが素直に嬉しかった。初来日の招聘者って言っても、私ただのファンですしね。
そんなら周りの人が知らなくったって一人楽しんでやろうと。

途中スコットが「2019年に初来日のヘッドラインツアーしたんだけど、その時の事知ってる人いる?」とMCで言ったんですよね。
手挙げたの私ひとり(笑)「1 person…」ってちょっとしょんぼりするスコット。

でもそのまま「俺のイントネーション、スコティッシュ訛りで伝わってないんだよねきっと!じゃあ、次の曲は君に捧げます、マリナ!」ってTemple Of Lunacyが始まったんですね。

「えっ、ありがとう」って思わず呟いてしまった。
そんでまた号泣しました。
私は。単純に大好きなバンドを日本で観たかったから、だから初来日を組んだ。けれどずっと彼らはその思い出を大切にしてくれたんだなぁって。凄く嬉しかったです。

曲は新作と一つ前のアルバムからの選曲。ERAからは演奏しなかったけど十分に楽しめたし最高のショーでした。

その後はSTRATOVARIUSもNightwishも凄く普通に楽しんでた。楽しめた自分にびっくりしました。
近くにいたSTRATOVARIUSのファンのお姉さんに「場所変わりますよ」って声かけたり、そうやって人と話せる自分にもびっくりした。

そして気づけばメンバーから連絡が。
移動時間が早くて会えなかった、明日は会える?どこにいる?ってずっと連絡してくれてたのに、私普通にNightwish楽しんでたわ、申し訳ない。
なんならステージ前でカメラマンしてると思ってたらしい。私を見つけられなかったからどうか届きますようにと、スコットは大阪の会場で私の名を呼んでくれたんだそうです。

正直、大阪だけのつもりだったので「ごめん、明日はもう地元に帰るよ。でも最高のショーだった!皆やっぱすごいね!明日も最高な日になりますように」って返したんですよ。

「せっかく日本に来たのに会えないのは悲しすぎる!」
「どうやったら会える?」「明日のショーも観てほしいんだ」

そんな言われたら、ね。幸い次の日も休み取ってたので弾丸で東京行きましたよ。
…ファントムエクスカリバー観たかった(間に合わず)

東京での彼らのショーは、大阪以上に凄かった。
何より、私二列目で観ていたんですけど周りの人達がBFWのマーチを着ている。それに初来日に来てくださった方もいっぱいお見かけして。
凄く凄く嬉しかったです。
確かに東京公演、物凄く盛り上がってメンバーもこれまでにない程幸せそうで胸いっぱいな表情してた。その前列で待ってくれていたファンの人たちが、ずっと彼らを応援してくれていたのが嬉しくてたまらなかったです。

前日は下手側から観ていたBFWを、東京は上手側から観ていたんですが、巻き起こるスティーブンコール(笑)おおおキミ人気あるやんお姉ちゃん嬉しいで!みたいな気分でにやにやしてしまう…。
すっごく楽しんでライブ観てたんですけど、ダイバーの人が危なくないように頸椎支えて柵前に渡した瞬間に「やっぱマリナさんだ!」って近くにいた方に言われたの笑いました。
セキュリティまでDIYでやってて、よくバンドメンバーに驚かれてたものです…。
そんな私に「見つけたっ!」と目が合ったメンバーが笑ってくれたり。

ラストのLevitateからのThe End Of All We Knowの流れも最高すぎた。
あんな大きな、日本のステージで彼らを見る事ができて幸せでした。

(サイン会並ぼうとしてポスター買ったのに、整理券間に合わなくて撃沈した私)

次の日仕事だったので、前日十分にPANTERA堪能したしと早めに会場を後にする事に。その前に待ち合わせしていた彼らと会う事ができました。

「もうツアーやらないの?一緒にやろうよ」

そう言うスコットに「思ってても誰も言わなかったのに言うなよ」ってメンバーが苦笑してたのには笑いました。十分彼らは注目を集めただろうし、もっと大きいステージで来れると信じてるから私が関わる事やできる事なんてきっとないんですけど、その気持ちが嬉しかったです。

ソーシャルディスタンスって何だったんだろうねって思うくらい、会った瞬間全員とハグして。嬉しくてたまらなくて少し泣いて。
ファンの人達と交流する皆を見てると嬉しくって。
こんなに素敵なバンドだから、もっともっと人気出てほしいなぁ。

そう思ったら動き始めてました。
返事返してなかった各国のバンドの皆へ返信を返して、HOTOKEのアー写を撮ったのもあってSNSのアカウントを作って。

『HOTOKEとBFW、それに今まで関わってくれたバンド達を少しでもいいから声上げて応援したい』

その気持ちで戻ってくる事ができました。

毎日辛くてたまらなくて、動くことすらできなかった私を。
Bleed From Withinのステージが変えてくれました。
不思議な事に、その日から出かける事が怖くなくなったんです。数年会ってなかった友達にも会いに外に出られるようになりました。

多くの人とのご縁に感謝して。
ちょっとだけでもいいからシーンが盛り上がるお手伝いができるといいな。
私一人にできる事なんてほんの小さな事でしかないんですけど、若い子達が見て音楽をやりたいと思えるような場所がまたできたら嬉しいし、知ってもらえたら嬉しい。
そんな橋渡し役になれたらなと思ってます。

Twitterにも書きましたが、私別に海外バンド至高主義ではないので、良いバンドを今度は逆に海外のデスコア勢にガンガン広めて「このバンド自国に呼びたい」って思ってもらえるきっかけを作りたいんですよね。
日本は島国でマーケットも不明やから、メンバーが日本食や漫画のカルチャー好きでないとそこまでチェックしてないんだろうなっていうのが過去のプレスや現地でブッキング交渉してた時の印象です。
LANDMVRKSも最初Floにベルギーで話しかけた時「何言ってんの?夢物語?」みたいな顔されたし。そういう糸口を作れる人になれたら。

現状、来日公演すごく増えてきてて。
コロナ禍の中で耐えて耐えた方々が今その活動を再開されてるのはとてもすごい事だし、心から尊敬しています。
だから私がするのは伝える係かなぁって。今のところそう考えてます。

水面下ではいろんなバンドとコンタクト取ってインタビューとか現地取材の話をしているので、それをまたお届けできたらいいなと思ってます。

音楽シーンの中で耐えて、それでも音楽を好きでいてくれたファンの方にも多大なリスペクトを!!

それではまた。

私、Marinaの今後の取材や活動費、または各バンドのサポート費用に充てさせていただきます。よろしくお願いいたします!