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『ドン・カルロス』アフタートーク回答③

2021年11月21日(日)18:00-のアフタートークで、twitterアンケート #教えて深作さん🕯🤴さんが寄せて下さったご質問にお答えしました。まとめ、補完して公開いたします。


「お前は病気なのだ」という台詞、似たような台詞が火の顔でもあったと記憶しているのですが、ドイツではよく使われる言い回しだったりするんでしょうか?


(敬称)Sie sind krank.
(親称)Du bist krank.

私も翻訳しながら「火の顔でも頻出したなあ」と発見があった「病気だ」という表現。一般的に使われています。文脈によって「病気にかかっている」「具合が悪い」「(良い意味、悪い意味で)ヤバい」「キモッ」などの意味を持ちます。ドイツの方に改めて確認したところ、相手が病状を無視して無理しようとしている時には「あなたは病気だからやめておきなさい」というニュアンスを含むそうです。

『火の顔』では「あんたはメンタルのビョーキなんだよ」「お前ヤベーよ」という意味で「ビョーキ」が発せられました。強調したかったため意図的に意訳せず「ビョーキ」を繰り返しています。

『ドン・カルロス』ではカルロスの訴えを退けるフェリペの言葉が「カルロス、お前は病気なのだ。医者のもとで十分に静養しなくては――」です。とっぴなことを言い出すおかしな状態だから休ませなければ、〈大人の男〉でないお前とこれ以上話す必要はない、などの意味を感じていただけたと思います。

ドイツで観られるお芝居の本数が増えたり、資料を購入し易くなったり、作業をしに行くカフェでコーヒーをお代わりできたりします!