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anotherSTORY〜人生の目標〜

バルディ

自慢じゃないがの?儂はこの海賊船アドリニアで暮らし始めてもう半世紀を迎えるんじゃ。そう。嬢ちゃんの前任の頃から此処に居たんじゃよ?とはいえ、前任者から直接嬢ちゃんに代替わりしたわけではなくてのう。まあ、色々あったんじゃ。そう急かすでない、エミーリオ。順を追って話すでのう。

嬢ちゃんよりも先に出会ったのはディノじゃ。んでもってその初顔合わせは、ルーセンハイト王国ではなく、アティアス皇国の首都の港じゃった。んでもって更にじゃ、ディノは一人じゃなかった。その連れの男は賑やかなやつでの?海を知らなんだらしくて、ヤケに興奮しておったわい。

港の小汚い居酒屋で三人で酒を酌み交わし、二人の事情を一晩かけて聞いたんじゃがの?どうやらアティアスの山間部で農業を営んでいたらしい。それがどこで噂を聞きつけたのか、儂がアドリニアの船員じゃということを聞きつけたようでの。なんでもするから乗せてくれと言うんじゃ。結局のところ、酒呑みを競って儂に勝てたら条件を飲むってことになってなあ、今思えば奴らの策略にまんまと乗せられたのは儂じゃったってことよ。

結果ふたりとアドリニアで数年過ごしたのじゃが、ほどなくその賑やかな男は別の目的を見つけたと言って船を降りることになっての。それでもここでの経験を貴重なものとして生かすと行っておったが、まさか提督にまで上り詰めるとは思ってなかったのう。

その後、提督を通してディノがひっかけてきた嬢ちゃんもこの船に乗ってくることになってな。今に至るわけじゃ。その嬢ちゃんが親方になるまでの話は、また今度じゃ。そろそろ嬢ちゃんが呼びに来る時間だからの。
ほれ、思った通りじゃわい。

さあ!次の仕事はなんじゃ?嬢ちゃんと一緒だと次から次へとやりたいことが増えて人生バラ色じゃ!


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