【医学部受験】講師が語る予備校の選び方③

①集団授業をメインとする大手予備校(医系コース)の特色

大手予備校を選ぶ最大の理由は学費だと思います。
医系専門コースは他コースに比べ割高とはいえ、医学部予備校に比べその費用面は格安であることが言えます。
さらに、各予備校には顔となる有名講師が存在し、その先生の授業が受けたい!というモチベーションや、周りの受験生(ライバル)と切磋琢磨して受験生活を送りたい!という願望から大手予備校を選ぶ受験生も多いでしょう。
こちらで合格を勝ち取れれば言うことなしですね!

カリキュラムとしては、基本的に受講する講座を自分で選択し(またはコースによって予め決められた講座を受講)、授業を受ける。それ以外の時間は自習する。
といった流れになるでしょう。
季節講習の受講や、受験直前期には個別指導を受講するように勧められるのはお決まりかも知れませんね。

・既にある程度の学力があり、さらに高みを目指したい
・偏差値的には物足りないが自分の勉強法が確立されており、これからの課題も明確

こういった受験生は大手予備校をうまく使っていけると思います。

・自習環境を良くするために予備校で授業だけ受け、レンタル自習室で自習する
・苦手科目克服のため、部分的に個別指導や家庭教師を併用する

といった、併用パターンで自分にあった学習をしていく学生もいてますね。
中には

・自習室を使うために最小限の講座だけ受講

といった低コストで学習を進める強者ももちろんいてます。

ただ、残念ながらそもそも大手予備校を選ぶべきでない受験生もいてます。
その筆頭は自分の学習法が確立できていない者

集団授業は基本的に講師からの一方通行の発信になります。学習法が確立できていないと、この発信されたものを受け取れない・留めておけない・使えないと負の三拍子を揃えてしまうことになります。

有名講師のテンションの上がる授業であれ、上記のようになればなんの意味も無さないですね。

この手の失敗は大体が学費 or 親御さん(特にお父様)の勧めで大手予備校を選択したケースで起こります。
後者では、おそらくお父様はご自身の体験と併せ、この大手予備校形式が最も成績が伸びやすい!と勧めてくれてるのでしょうが、残念ながら今は時代が違います。
当時はそもそも教育環境がほぼその一択だったと言え、学生側もその教育になれていましたが、今の学校教育ではこの大手予備校形式に適合できる学生が多いとは言えないのです。
たった1つの自身の成功例に当てはめるのではなく、お子様の適性をしっかり見極めてベストな選択を下していただきたい限りです。
(実は親御さん判断による受験失敗例は言い出すとキリがないんです。笑)

あ、親御さんに関わらず、先輩や友人など、他者の勧めで大手予備校を選ぶケースも多いですよね。
そもそも学生の絶対数が多い大手予備校だと、合格者の絶対数も多くなります。
なので一見成功例は多く見えますが、分母の違いに気を付けなければなりません。

また、交友関係の失敗もよく聞きます。
大手予備校となれば、学生の絶対数は多いです。そのため、ライバルになり得る存在が多いのは確かですが、反面、見習ってはいけない(仲良くすべきでない)学生の絶対数も多くなってしまいます。
「友達にするやつ間違えた!」
生徒からそう聞かない年はないかも知れません(笑)

ただし、予備校内に競争相手はいてくれた方が成績は伸びやすいです!
最近の学生は競争を好まない傾向も強く見てとれますが、この点に関しては昔と変わらず、競争相手がいた方が結果が出やすいことを間違いなく体感できています。

でも、受験生のレベルによっては大手にはライバルになれそうな相手がいないこともままありますのでご注意ください。
大手予備校のメインターゲットは学費の安い国公立大医学部や私立大上位医学部合格を目標としている層になります。
これらの大学は当然学力レベルが高いです。
もし、自分がそのレベルで戦おうとしていないのならば...例えば陸上部の長距離ランナー達と苦手なマラソンをすることを想像してみてください。
一年間のマラソン、並走する相手を間違えると良いタイムを出すどころか走り切ることすらできなくなります。

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