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【結論:316km】EVの必要な航続距離は?【3分ロジカル解説】

たかゆきです。
EV車の必要航続距離について、論理的な最適解を導きたいと思います。

「EV車はバッテリーが切れるのが早い」
「航続距離は、長ければ長いほどいいに決まっている!」
「ハイブリッド車より航続距離が短い」という意見への反証となります。

必要な要素は?

1. そもそも人は何時間くらい連続で運転する/できるのでしょう? 

労働法が定める連続運転可能時間は4時間。4時間走るごとに30分以上の休憩を取らなければいけないとなっています。これは運送などをするプロの職業ドライバーに対する制約なので、我々一般市民は当然4時間以下に納めたほうが、安全上正しい判断となります。同行者のトイレ休憩も必要ですしね!

・連続運転時間=4時間 … 1
・休憩時間=合計30分  … 2

2. 4時間で何キロ進める?

国交省資料によると、高速道路の平均時速は79km/hなので、
79km x 4時間が最大航行距離となります。

・79km x 4時間=316km … 3

3. 30分でどれだけ充電できる?

高速道路のサービスエリアに設置してある急速充電器では、30分で160km分の充電が可能というのが日本の充電規格の一般的な公称値となります。

・30分で160km分充電可能 …4

結論:現状必要な航続可能距離は316kmで、30分の休憩を挟むと476km以上ダウンタイムなく航行できます

1から4の前提を合算すると、316+160 →476kmとなります。316km分の航続可能距離の出る電池を搭載すれば、世の中の9割くらいの人のニーズは満たせる予想です。ちなみに東京からの主要都市の距離感が下記の表くらいとなるので、航行可能距離については、既にEV車は実用可能なフェーズにあると言っても良いのでしょうか。 

東京から各都市の距離:
 ・東京−名古屋→ 356km
 ・東京−仙台   → 368km
 ・東京−京都   → 457km

『1000km保証されていないとEV車を認めない!』ということにはならないと思います。なぜなら自動車の魅力は燃費の良さだけではありません。むしろ「走り」「レジャー」「旅行の足」として成り立っているかが重要と私は考えています。

おまけ①:日本の各メーカーのモデルと航続可能距離
電池容量とコスパについて、日本メーカーは完全に乗り遅れてますが(車だけに!)、あとは企業努力だけです。今回の結果とデータからテスラのようにユーザの為に真摯に取り組んでいただきたいものです。

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おまけ②:今回の1冊
ちょっとマニアックですが、EV車の構造について述べている、日刊工業新聞社による『きちんと知りたい! 電気自動車メカニズムの基礎』を紹介します。体系だった知識が、1トピック見開き2ページにまとめてあり、興味のある分野から読むこともできてオススメです。

構造的な話だと『電気自動車化で消滅するパーツ、必要になるパーツ』や力学的な話だと『モーターの特性』などが面白いと思います。詳細はリンク先を確認ください。


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