『三嶋くろね 新作版画展』行きました:版画の美しさ、芸術としてのイラストの深さを知りました

 私が三嶋くろね先生を知ったのは、約10年前のことです。今思えば、まだイラストレーターや一次創作や二次創作という存在を知らなかった頃に初めて知って、それからずっと心に残っている創作家が三嶋くろね先生でした。

 好きなイラストレーターは何人もいますが、絵を描くのが好きな自分として憧れの存在は三嶋くろね先生だけです。そのくらい好きなイラストレーターです。
 初めて買った画集も三嶋くろね先生の「W」の初回版でした。

 早いものであれから10年…。ずっと三嶋くろね先生に関するイベントを行きたいと思っていながら、全く行けなかったので今日というこの日がとても幸せでした。


 版画展の感想を書いていきます。

 普段パソコンの画面でしか見れないイラストが、額縁に入れられて大きくドドンと隅々まで細かいところまで見れるサイズ。

 どのイラストもとてもきれいでした。語彙力を失うくらいにきれいで圧巻でした。


 そしてスタッフの方に好きなイラストを選んでくださいと言われて3つ選んだのですが…。ここからがすごいんですよ…。
 私が選んだのはこの版画展の看板にもなっている「アンセルとシエル二人組のイラスト」、「アンセル、シエル、ティオが暗い背景に炎に包まれている戦闘ポーズのイラスト」、そして3つ目は”漆”で作られた「暗い水面に寝転がるシエルのイラスト」でした。

 キャンパスを置くスタンド(イーゼルというらしい)に、選んだ3つのイラストを置いてもらって自然光を再現したライトを当てた途端…。

 印象がガラッと変わりました。


 というのも版画というものは、5~6人の職人の方が作っており、イラストの色塗りもすべて背景や髪の色などによって、”デジタルイラストで言うレイヤー分けのように、一つの層を塗ったら乾かしていく”という手法がとられていることで…(そのために正確には1枚につき2~3か月かかるとのこと)。さらにラメも振ってあるので、ちょっとした光の当たり方で印象が随分変わります。


 なので明暗が分かれている3人が並んでいるイラストは、暗い部分と炎の部分で光の当たり方がとても自然でまさに炎が揺らめいて煌めいているように見えるわけですね。光の当て方によっては、遠景で炎が立ち上っているようにも見えます。
 漆で作られたシエルの版画は背景が真っ黒で暗い夜空なのですが、ライトを当てることで黒かった空が紫や青に変わっていく!そしてラメがついているので、星のように輝いてとても美しい!

↓イメージ図

版画説明図1

版画説明図2

 そして最も感動したのが、新作版画展の看板イラストになっているアンセルとシエルの版画でした。
 このイラストには、二人の間に太陽が描かれているんですね。で、上から徐々にライトを当てていくと、二人の間に背後から本当に日が差し込むように…。
 「目の前にマジでアンセルとシエルがいる!!!!日に照らされている!!!!」

 という気持ちになるわけですね。なお、あまりの感動と、すごすぎて「すごい!」を連呼するていどに語彙力が下がった模様。



 いやぁ、本当にすごかったですね…。すごくきれいなイラストが、あそこまで美しく変化するとは…。
 一つ一つの何十分も版画を見続けたし、スタッフさんの話をずっと聞いてました。で、2時間も居座りましたねw
 版画展は1日いても飽きませんね…。一つ一つ何時間も見ていられます。

 ちなみに、主役の三嶋くろね先生の版画のほかに、様々な有名なイラストレーターの先生方の版画が展示されています!
 珈琲貴族先生の版画もあったよ!

 もちろん、購入もできます。40~60万円くらいでした。


 いつか、経済的な余裕ができたその日に出会った三嶋くろね先生の版画を買うために頑張って生きるんだ…!


 今後、Vtuberのシチュエーション系のイラスト版画グッズができる日も近いと思います。
 あと、版画入門用に小さいサイズの版画や、パソコンやスマホのスクリーンショット?みたいなデスクトップの背景として使える時間によって日の当たり方が変わるイメージ映像系のデジタル版画がある(購入できる)と、さらに版画への認知向上につながるかもしれませんね。

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