【VRChat】全力で楽しむ猫 vol.5 イントロシーンができるまで
はじめに
「きょうのブイチャ」というタイトルで僕のXアカウントにその日のブイチャ、VRChatで遊んだ様子を毎日1クリップだけ投稿しているよ。
数週間に一度、毎日投稿では紹介しきれなかったクリップやオリジナル要素も交えて1つの映像として「きょうのブイチャ・まとめ」をYouTubeに公開しています。
今回はそのまとめ動画「【VRChat】全力で楽しむ猫 vol.5」から、イントロシーンだけに絞ってアイデアやプロセスについて紹介してみるね。
イントロシーン
イントロシーンはこれだよ。ブイチャ内にあるインスタントカメラのアイデアを活用しました。
アイデア
フレンドと焚き火のあるワールドでゆっくりお話ししてた時、インスタントカメラを使って遊んでたんだ。しばらくブイチャ遊んでたら感覚が麻痺して気が付きにくいんだけれど、撮った写真やカメラが空中に浮遊したままってなんかすごく面白くないですか?
VRCの中で自分の目で見てたら日常すぎて気にならないんだけど、カメラを通してみたときにすごく違和感というか、面白く感じたんだよね。この奥行き感を使って何かできないかなって。
サカナクション - アルクアラウンドのMVって、空中に浮遊したオブジェクトの遠近感をうまく使って文字を作る表現があって、このアイデアとインスタントカメラの浮遊した写真を組み合わせると面白い表現できなかなって思いついたんだ。それがこのアイデアの原点かな。
この一つ一つの写真たちが、グッと引いたら文字になってたってなるとインパクトも強いし感動的だなって思った。
あとブイチャにおける写真ってとても重要なアイテムの一つだと思っています。プレイしたことがある人だとわかると思うけれど、普段写真撮らない人でも、ブイチャだったら思い出にたくさん撮っちゃうよね。後で見返したときに懐かしい気持ちになるし、いろんな思い出が蘇る。そんな感情的なところを大切にしたいと思っていました。
ツール
撮影はいつもと同じHppedeafさんのVRChat Camera Animation (CAHppe)。
空中に浮いている写真、あれのほとんどは、実はVRCの写真じゃなくて3Dソフトで予め制作しました。僕はCinema4Dというソフトウェアを使っています。Blenderでもおそらく同じ表現はできると思う。
3D化させたオブジェクトをアバターギミックとして挿入して好きな場所にON / OFFするツールは「Voyage」を使わせていただきました。
編集・ポスプロにAdobe AfterEffects / Premiere Pro を使ってるよ。
プロセス
下準備
まず今回の表現するのに一番大事なのは写真。なんだけど、実は最近動画ばかりとってたから自分で撮った写真が全然ない…!ってことになっちゃって、Xで募集することにしたよ。
フレンドからたくさん送っていただいたし、僕が入ってるDiscordのサーバーで片っ端から自分の写真をピックアップしていきました。送ってくれたみんなありがとう~!
何の文字を作るか
集めた写真で何の文字を作るか、だけれど、文字書かないといけない時いつも「VRC」にしちゃう。毎回おんなじ癖だからそろそろ別の文字アイデア考えないと…
「ブイチャ」っていう文字も考えたんだけれど、3D化したときにすごく視認性が悪かったから没にしちゃった。
結果、やっぱり「VRC」って文字がちょうどいいし収まりも良かった。みんなもわかりやすいもんね。
3D処理
たくさん集めた写真を3D空間に並べます。最初はVRC内のインスタントカメラをつかって力技で文字を作ろうとしたけれど、さすがに労力がすごいことになってしまうのと、もし撮影失敗しちゃったらまた泣いちゃうから、あらかじめ3Dで作って空間に配置することにしました。
Cinema4Dには、空間にたくさん並べたオブジェクトを文字の形に合わせてマスクしてくれる機能があるので、それを使いました。結構簡単。だけど注意点もあって、ただ文字の形にマスクするだけじゃダメなんです。
今回はビューポイントが重要になってくる。ビューポイントっていうのは、文字が綺麗に見える位置ね。つまり今回の映像でいうとタイトルが載る瞬間の場所。
ただシンプルにマスク切っただけだと、カメラから見ると何が書いているか全くわからないんだ。だからカメラから見たパースにあわせてうまく文字をマスクしないと綺麗に見えない。今回はあらかじめそこを計算して文字をつくりました。
その3Dデータをobj化してunityに持っていきました。アバターにギミックとして入れるために、上のツールで紹介した「Voyage」というツールを活用して、どこでも簡単に ON / OFF できるようにしたよ。
ロケーション
今回はインスタントカメラ表現をしたかったから、基本的にはインスタントカメラのギミックがワールドにおいてあるところを前提に探しました。
インスタントカメラのあるワールドは色々あったんだけれど、最終的に宇宙船のワールドにしました。VRCで物体が空中に浮いたまま静止する表現って、VRCやっている人なら日常的なことだけれど、そうじゃない人が見たら違和感だと思うんだよね。だから初めてこの動画を見た人でも躊躇なく物語に入っていけるようにっていう意図もあります。宇宙だったらいろいろなものが宙に浮いていても気にならないでしょ?
撮影
今回も上で紹介したカメラツールを使用して、冒頭はシームレスに1カットで撮影しました。今回は特に、音楽の盛り上がりと共に「VRC」の文字が浮かび上がってタイトル!って感じにしたかったから、タイミングにはすごく気を使いました。これも本番の前に何度もテストして、写真の密度とかカメラの速度とか色々検証してみました。
テスト映像には映ってないけど、本番にある「I LOVE」の写真、実はこれだけワールドにあるリアルなインスタントカメラで撮った写真。正確には一番最初に出てくる自分の写真1枚と、この「I LOVE」の3枚ね。
これはカメラが引いてタイトルになるタイミングで、「I LOVE」の文字がどの場所にくるか撮影するまでわからなかったから、実際に現場で撮りながら位置調節しようと思ったから。だけど仕上がりとして、本当はもう少し手前にあっても良かった…。ここだけ少し後悔ポイント。
また、この文字が浮かび上がった後そのままENDでも良かったんだけれど、少し間延びしちゃったからもっともっとぐんぐんカメラひいて、どんどん映像が切り替わっていく表現にしました。いくつか真っ直ぐカメラが引くカットをフレンド交えて遊びながら撮ったのが楽しかった。
ここがいいアクセントになって良かった!みんな映ってくれると華やかになるね。
ポスプロ
最初の宇宙のシーンは撮影するだけでOK。特に後処理は加えてないよ。
その後スムーズに世界が切り替わっていくところは色々と手を加えました。
基本的には写真っていう表現の枠を崩したくなかったから、画面の切り替わりに写真の表現を持ってきてスムーズに切り替えていきました。
AfterEffects でカメラワークに合わせてインスタントカメラの写真を手前から奥にアニメーションさせて、写真の中と外側でマスク素材を作ってうまく繋げました。スムーズに繋がると気持ちいいね。
仕上げ
宇宙のシーンは少しだけ明るさを調節してあげたくらい。その後のカメラが引いていくところは、そのワールドの特性に合わせて写真の色味やエフェクトを調節しました。
これをするだけでグッとその場所にある感が増すよね。あと最後のカットは気持ちいい風が吹いてそうなワールドだったので、その風に合わせて写真を飛ばしてみました。
仕上がり
これで完成!今回もいい感じにできてうれしい!
本当にやりたかったこと
1,浮いた写真にGravityさせたかった
文字だけじゃ意味わからないと思うけれど、浮いた写真にタッチするとGravityが働いて下に落ちる演出をしたかった。
これをやるためにフレンドのわからんさんに色々相談に乗ってもらってました。僕自身Unity初心者すぎてアバターの服を着せるのがやっとだから、仕組みとか方法とかいろいろ教えてもらってました。
だけど、色々試してVRCでテストしたんだけれど、アバターに仕込んだGravityが暴れすぎて大爆発起こしちゃうから僕の知識ではうまくできず、今回は諦めることにしました。いろいろ教えてもらったのにごめんね。ありがとう。もっと知識増やしたらやってみたい。
2,地球を操りたかった
宇宙のシーンの後ろに見えている地球、本当なら操ってゆっくり動かしてみたかった。というのも、このワールドにはその操る機能がついていたから、撮影時にVtuberのフレンド、こじかくんを呼んで操ってもらう予定だった。
でも実はその機能、ローカル限定だったんだ…。(自分にしか見えないエフェクトのこと)
こじかくんが動かしてくれても自分には見えてないから、結局撮影に来てもらったのに何もできず。そしたらメイキング撮っててくれました。
自分をメインにとってもらうことなかったからめちゃくちゃ新鮮だった!ありがとう~。
さいごに
今回はVRCの枠を飛び越えて、Unityや他のソフトウェアも色々活用しました。めちゃくちゃ勉強になるし達成感がすごくいい!いろんな可能性が見えたし、なんでもできるんだなぁって改めて思った。
あと自分の込めたかった感情的なところも伝わってとても良かったです。
最後まで見てくれてありがとう。何かの参考になればうれしいです。
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