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メディアの価値

メディアセクターを担当していた時の驚き

証券会社に証券アナリストとして新卒で入社し、ある時期にメディアセクターを担当していた。具体的には、電通や博報堂などの広告会社、在京のテレビ局5局、スカパーそして東宝などを担当していた。

そのように調査を担当するずっと前、高校生の頃には堀江貴文氏がフジテレビを間接的に買収しようとした際の騒動などがあったことは理解していたが、あくまで騒動として見ており、しっかりと数字感などなく眺めていた。テレビ局にあまり興味を持っていなかった僕は、なんとなく「テレビ局ってすごいんだろうな」くらいにしか思っていなかった。

僕はテレビ大好きっ子だが、実際にメディアセクターの担当となって、日々その時価総額に振れる中で、テレビ局の時価総額や業績、その資産価値に驚いた。

今現在は、電通1社のみ1兆円企業

これを書いている今、2019年8月末の時価総額を見てみよう。

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電通のみ1兆円を超える時価総額であり、それ以外に1兆円企業は存在しない。

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電通1社≒キー局5社合算

テレビ局が電通に広告枠を売らせているのではなく、電通がテレビ局の広告枠を売ってやっている、というのが現実的な状況なのだろうか。

サイバーエージェント>最大テレビ局

サイバーエージェントといえば、テレビ朝日と組んで、AbemaTVというインターネットテレビ局を推進している。同事業に対して、毎年営業損失200億円を許容するかたちで投資しているが、これはテレビ朝日の経常利益に相当する(2019/3期191億円)。それでも利益は出ているのだから、恐ろしい企業規模である。

忘れてはいけない不動産の価値

細かいことを言えば、TBSは赤坂サカスという素晴らしい不動産を保有していることによる評価額が大きいし、それは同様に東宝にも言えるので、純粋にメディアやコンテンツの価値がいくらなのか、を述べることは難しい。

まとめ

1. テレビ局5社が集まって、電通の時価総額を超えられるという規模感
2. 広告業界2位である博報堂やネット広告系のサイバーエージェントに匹敵するテレビ局は存在しない
3. コンテンツ制作である東宝は博報堂より上回る



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