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アートフェアのTokyo Gendaiに出かけてきた。

アジアを中心に世界のギャラリーが、それぞれのブースで展示を行っていた。会場の人々もアジアを中心に多くの外国から参加されているようだ。
ブースを回る私にも、英語で説明をするギャラリストが何人かいたほどだ。

コンテンポラリーを中心にした作品は、それぞれに興味深い。
奈良美智、宮永愛子、千住博などの既に高い評価を得た作家たちの作品も見られた。ナフタリンを利用することで、時間という要素を組み込んだ宮永の作品には力があり、奈良の大きな立体作品も目をひいた。さらに会場には千住博氏の姿もあり、このアートフェアの持つ力を感じることもできた。

マネの「草上の昼食」を模した「草上の休息」というパフォーマンスも目を惹いた

私が注目した作品に、ザ・ページ・ギャラリーが展示し、ギャラリストからの説明も得ることのできた、ユン・サンヨルの A little A littleがある。
下層にはシャープペンシルによる手書きの垂直線があり、上層はアクリルにデジタルプリンティングされた垂直線がある。

視点をずらせば、画面に垂直線が揺らぐように見える。
下層の手と上層のデジタル。その揺らぎに人が生きるということを示しているようにも思われる。

Phillida Reidのブースでは、バングラディシュからロンドンへの移民二世であり、ロンドンしか知らない作家、モハメド・J・ラーマンの作品も興味深い。4つのマッチ箱にそれぞれにモチーフが描かれた作品がまず気になった。ギャラリストの説明によれば、それぞれに意味があるとのこと。

自分が知らないバングラディシュと、バングラディシュにルーツを持つ自分という奇妙な重なり、さらに途上国から養子を迎えた家庭をモチーフとするアメリカのコメディドラマへの言及など、多様な「層」を露呈した作品は、先のユン・サンヨルの作品にもどこか重なる部分も感じられた。

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