incomplete

朝7時。まだシャッターが閉まったままの商店街。通勤電車に揺られながら耳をゆだねた。

伊達に3年続けていたわけではない。
何を意図したのか、表現したかったのかはすぐに読み取れた。

彼が表現したい世界を「再現」出来るメンバーだからこそ、完成した作品だと思う。素晴らしい作品だったけど、何か違う。自分が好きだったあの頃とはもう違う。

時間を経ていくうちに、彼自身が変わっていった。そしてあの作品が出来上がった。あの頃の自分はもういないし、あの頃の彼らももういない。俺の音は聞こえてはこない。

元カノに未練たらたらな男みたいでなんだか嫌だな。
情けなくて、悲しくて、絶望するよ。いつだってそうだ。今だってそうだ。

そして今、2年前のライブ音源を聴きながらビールを飲んでいる。
当時の自分に向けて「なかなか悪くないじゃないか」と語りかけながら聴いている。良い音してる。でも、これ以上はやめておこう。切なくなるから。

自分の存在を肯定できるのは自分自身のみ。これからもずっとそうあり続けるのだと思う

自暴自棄になって、ライブ終わりにジャズマスターをマーシャルに叩きつけた自分よ。ハウリングと共に何もかも終わりにしてしまいたかった自分よ。お前は相変わらずギター弾いてるよ。これからも頑張れ。