泡沫

遡ること4年前。2013年2月15日。下北沢ERA。
仕事終わりにsprawlのライブを観に行った時に対バンで出演していたniente.を観て、久しぶりに衝撃を受けた。歌も演奏も凄く心地良くて、まるでSCLLやAnrietta、Prantronといったエレクトロニカ・ポストロックにも通じる空気感がたまらなく良かった。

それから、一ファンとしてライブに通いつめた。時を経ていくうちに、自分自身の環境も変わっていき、近しい環境で活動をするようになった。初めて対バンした時のことはいまだによく覚えている。
好きなバンドと対バンするのはいつだって嬉しい。niente.と一緒にやれるときは何だか気合が入るし、ワクワクする。青白い空気にあっという間に飲み込まれていくような感覚。心して挑まないとといつも思って演奏していた。

解散のお知らせは正直、実感が無かった。
つい先日ボーカルのアキホから連絡をもらって、ようやく実感が湧いた。
無性に聴きたくなって、今も寝る間を惜しんで音源を聴き漁っている。
4年間のいろいろな思い出が詰まっている。中でもSLOWAIDと泡沫はつい涙腺が緩んでしまう曲だ。

今、自分が所属しているバンドのボーカルと出会ったのもniente.の企画だったし、今に至るまでのきっかけを紡いでくれたものと思っている。あの日のことはずっと忘れないし、Chromatographyという曲を聴くたびに思い出すと思う。

もっと一緒にやりたかった、ライブを観たかった、なんていうのは野暮かもしれない。それ相応に自分も年をとったし、準じて環境も変わってきたのだなと思う。
未来永劫変わらないものなんてない。有限だからこそ、輝けるのだ。
そんな輝きを放っているバンドが好きです。niente.はまさしくそんなバンドだったなと思う。ラストライブ絶対に見届けよう。