未知との遭遇
先日写真展に行ってきた。
写真展自体は"足しげく"というほどではないにせよ、そこそこ行くようにしている。
それでもここまで異質な、見たことがない写真展は初めてだった。
伺った写真展は写真家・須田誠さんが開催している写真教室の卒展。
表現クラスという、写真集を作ることを主軸にしているクラスの方たちの写真展とのことだった。
1人の展示に釘付けになった。
L版の半透明な写真をアクリル板に貼りつけていた。
全て海の写真だが、飛行機の中から撮影したものや潜って撮ったもの、浜辺で撮ったものと彩り豊かな構成。
何より見る向きによって色合いを変える写真と、1cmほどのアクリル板による立体感の凄まじさ。
この見せ方は自分では絶対に思いつかなかっただろう。
素直に敵わないと感心した。
これまで私は撮ることだけに集中し、プリントは最近ようやくするようになった段階だった。
紙にも種類があることや、額装なんかも知識としてはあった。
そういった頭の中に詰め込んだものが、全て過去のものになるような、そんな作品だった。
きっとあの展示をした彼は素晴らしい表現者になるだろう。では、それを見た自分はどうするのか。
写真を続けていて良かったと思うのは、スポーツと違い勝ち負けがない。
今はそれに救われながら、現像するときは額装のことまで考えるようにしようと決意した。
これはあの瞬間の衝撃と、この決意を忘れないようにするための備忘録である。
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