儲け 原稿用紙三枚の“記憶”
小学生の頃、シールのおまけがついたチョコ菓子「はりはり仮面」が流行った。親から駄賃をもらえば、駄菓子屋に直行して、はりはり仮面を買い、友だちとシールを見せ合っていた。ブームは過熱して、毎日のように誰かが新しいシールを見せてくれた。だが、定額の小遣いを持たない一年生の子供が、四十円もする菓子をそ¬うそう頻繁に買えるわけがない。シールが欲しい。だがお金がない。その悩みを解決する手段があった。
「たけはる、儲けをしようや」
同級生の二人がしたり顔で誘ってきた。彼らの手の中には、