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FXもう一度やってみるよ④ 強み② 価格は戻る

価格は戻る。
誰もが知っている、為替の基本的な性質です。

いつまで待てばいいのか、という話はいったん置いておくとして、価格がいずれ戻るということは、負けない、ということです。

この為替の強力な性質を味方につけることができるという点こそが、値動きを予測するトレードとの決定的な違いです。

待ってればそのうち戻ってくるなんて百も承知だけど、いつまでも待てるわけないし、どこまで値下がりするかもわからないし、そのうちどこかで損切りもするだろうし、戻るまでに含み損のままだとトレード続けるのも資金的に厳しいし。いろいろと非現実的。却下。

・・・という感じで、机上の空論と普通は一蹴されるレベルの話です。

しかし、1つ前の記事で、私は損切りのない世界は実現できるということを力説しました。その世界はこの「価格は戻る」という性質を大前提とします。
「価格は戻る」からこそ負けを認めずに耐え続ける意味があり、負けを認めず耐え続けるからこそ「価格は戻る」性質の強みを最大限に享受できる。
双方があってこそ成り立つ世界観です。

「価格は戻る」を味方につけるために、諦めるもの

しかしそのためには、トレードオフとして放棄せざるを得ないものが大きく2つあります。

1つは、高レバレッジによる資金効率です。

高いレバレッジを放棄せざるを得ない理由は、耳タコでしょうが、大事なので駆け足で。
レバレッジを高くかけるということは、資金に対して通貨量をより多く持つということなので、値下がりにによる含み損が資金に与えるインパクトが大きくなります。そしてその先にはロストカットが待ち構えているので、損切りが必要になります。
長期では短期より値下がりの幅は大きくなるので、その大きな値下がりの中で損切りをせず耐え続けるためには、どうしてもレバレッジを低めにする必要があります。

放棄せざるを得ないことのもう1つは、時間のコントロールです。

時間をコントロールできるということは、勝負の終わりを自由に決められるということです。
もし終わりを自由に決められないとしたら、値上がりするまでに事故で死んじゃうかもしれないじゃんとか、FXをやめたいときに含み益になっている保証はないじゃん、といった懸念が浮かんできます。
待ちたいけど待てる保証はないわけです。
値動きを予測するトレードのゲームオーバーがロストカットだとすれば、ドルコスト平均法の世界でのゲームオバーはこの「待ちきれなかった」という状況でしょう。

まあ、別に損がでてもいいのなら自由に終わりを決めてよいのですが、それはドルコスト平均法の世界観ではありません。

その点、値動きを予測するトレードでは、損切りは良し悪しの話ではなく、利食いと同じ、決済のパターンの1つに過ぎません。
そして勝率は長くやればやるほど50%に収斂していくのだから、大事なのは損小利大(損は小さく利は大きく)であり、そのためには損切りの捉え方が重要、ということになっています。そういう意味では、世界観として組み込まれていると言えます。
トレーダーは損切りという行為によって、損失を受け入れることと引き換えに、出口のタイミングを完全にコントロールできる、とも言えます。
宵越しのポジションを持ってしまえば、翌日事故で死んでしまったら、という同様の懸念は出てきますけど。

なんか強みの紹介からズレてきてますが、ミスリードは本意ではないので。
私は値動きを予測するトレードを批判するつもりは全くありません。
ただ、そうじゃないやり方もあるよ、ということをお伝えしたいのです。
どちらも一長一短があります。そこちゃんと理解して、自分はどちらを採るかを論理的に考えて選択してほしいのです。

待っていれば本当に戻るのか?

ちょっと現実的な話に戻します。
実際の運用には、いくつかいくつかちゃんと検討しておくべき課題があり、通貨ペア選びもその1つです。
というのも、通貨ペアによっては、この「価格は戻る」という性質がなかなか現れづらかったりするからです。
いくつかの通貨ペアを直近10年間の月足チャートで見てみます。

まずはトルコリラ円。
滑るように下がり続けています。10年スパンでこれですから、そのうち戻るよ、とはちょっと言いにくいです。

これは流動性が低いというのが理由の1つとしてあって、流動性が低い(=取り引きが少ない)と、目先の変動要因に敏感になり、独特の動きを見せる傾向が強くなります。
このトルコリラや南アフリカランドは高金利の通貨として人気があり、それら積み立ててスワップポイントを狙うスワップ運用という長期戦略がありますが、私はそのような流動性の低い通貨を積み立てるのはリスクが大きすぎると思います。
金利なんて所詮オマケです。オマケがいくらよくても、最終的に為替差益が期待できなければ意味がありません。

米ドル円やユーロドルなどの流動性の高い通貨ペアでは、「価格は戻る」という性質が比較的素直に現れます。
次は米ドル円です。

2008年のリーマンショックによる世界同時株安を機に急激に下げはじめ、その流れが民主党政権下でのデフレで継続され、110円付近から70円台まで実に40円も下げたわけですが、それも長く続くことはなく、2012年には回復基調に乗り、2015年には120円台に到達。一時は遥か雲の上に思えた100円台を現在(2018年11月)もキープし続けています。
リーマンショックは、株価だか為替だかのチャートが100年に1度レベルの動きを見せたとして100年に1度の大事件と言われますが、そんな大事件すら、10年と為替の価格帯を変え留めることはできなかったわけです。

参考までに、値動きの大きい通貨ペアとして人気?(私は結構好き)のポンド円も見てみます。

揺れ幅、半端ない。2007年は250円近くだったのが、2009年には130円。なんと価値がほぼ半分!になったわけです。
そこから長いことウニョウニョして、2015年には190円まで戻し、現在(2018年11月)では140円台。
揺れ幅が半端ないわけですが、「価格は戻る」という性質は現れています。
でもまあ、もし200円台で買ってたら、凹むでしょうね。。。
逆に言うと、今は買ってさらに下がっても、いずれ戻るという期待は十分に出来る価格帯だと思います。ロングならスワップポイントも僅かですが入るので、損切りしない前提でどこかでエントリーしてみるのも面白いかもしれません。

通貨ペアの選択は、長期運用ではスワップポイントも絡むので、重要な課題の1つです。別途記事にします。

ということで、価格は戻る。
この記事を書いて、改めて強くそう思います。

まとめ

待ち続ければ価格は戻る。
そこに軸足を置いた戦い方が、ある。

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