FXもう一度やってみるよ⑭ 課題と対策⑥ 数量を減らす

DCAでやろうがなんだろうが、積み立てという手法は、基本的に決済しません。もちろん決済しないまま死んだら元も子もないので、いずれは決済する必要はありますが、それは積み立てとは別の動機での決済なので、そこについて話はしません。

これから説明するのは、数量の持ちすぎを解決するための、計画的な決済についてです。

ちょっとおさらいします。
DCAを単純に行うだけでは思うほどは平均価格の低下の効果はありません。もちろん値動きに依存しますが、大きな価格帯の中を上がったり下がったりしてうねうねする、比較的安定した通貨ではこのことが言えます。
逆に一方方向に動き続ける通貨、たとえばトルコリラのように長い期間を通して下がり続ける通貨は、DCAの効果は高くなるかもしれませんが、価格が戻る、ということが期待薄なので、長期で運用するには向きません。

なので、安定した通貨での運用を前提として、コツコツと積立を続ける労力に見合った効果を期待するなら、平均価格をより下げる工夫が必要となります。
その案を2つほど、前々回と前回の記事で紹介しました。

そこで紹介した2案は、いずれも資金に対して数量を多く持つ状態になる可能性が生じます。1回の購入において購入する数量を多くする(案①)、通常の購入タイミングとは別のタイミングで追加で購入する(案②)。
資金に対して数量を持ちすぎるというのがFXにおけるリスクの正体であり、これを解決するには
・資金を追加する
・数量を減らす
の2案しかなく、資金の追加は緊急時の最終手段としてとっておくべきで、従って消去法で数量を減らすことが、このリスクへの唯一の対策となります。

本記事では、この数量を減らすロジックを説明します。

決済対象のポジション

まあこれは正解がある話ではないので、結局私の場合どういう判定方法にしているかを言ってしまうと、
一定幅(100pip)値上がりしたポジションは、建値での逆指値決済をする
です。

つまり、建値から一定幅値上がりしたポジションは、その値まで値下がりしたら決済します。
こうすることで、ポジションが含み損になることを避けつつ、数量を減らすことができます。

含み損のポジションを決済すると、その都度資金が減っていき、何のために積み立てしているのかわからなくなります。なので含み損のポジションはぐっと耐えて持ち続けます。

ポジションはプラスのうちは持ち続けてもなんら不都合はありませんし、持ち続ける間はスワップポイントももらえますから、なるべくなら決済したくない。
ですが、そんなポジションも、建値まで値下がりしてきたら、マイナスに転じる危険性が高まります。マイ転してしまうと、マイナスであり続ける間は決済できなくなります。
なので、マイ転する直前で決済してしまいます。

本来は、積み立てにおいては、ポジションがプラスだろうがマイナスだろうが持ち続けることが基本戦略ですが、その中でもあえて決済するならどれか、どのようなポジションを決済すれば積み立ての目的になるべく反せず、かつ数量の持ちすぎのリスクを軽減できるか。と考えて、このような方法をとっています。

考え方は人それぞれ

上記で説明した判定方法はあくまで私の価値観としては、という話なので、そこは人それぞれの考え方があってもよいと思います。

一定幅値上がりしたら利食いしてしまう、というのもありでしょう。

ただ、その値上がりの幅を狭くしてしまうと、そこで決済せずに持ち続けた場合の利益(スワップポイントや為替益)のほうが勝る可能性が高まるので、もったいないです。
また、比較的すぐに決済することになり、所持する数量が増えづらくなります。

建値から、それこそ1000pip(ドル円であれば、1ドル100円で購入して、1ドル110円まで上がった状態)ぐらい値上がりしたら利食いしてしまう、というのは出口戦略としてはありですが、決済タイミングは滅多に来ないので、数量を減らすというリスク対策には合いません。

そもそも、含み益のポジションは一番大切に持ち続けたいものです。含み損を中和し、スワップポイントを生む。決済しても資金は減らないのでいつでも気楽に手仕舞いができる。持ち続けるメリットはいろいろありますが、デメリットは皆無です。なるべく一つでも多く含み益ポジションを持つというのが積立ての目指す方向性なので、含み益のポジションを決済する積極的な理由は出口戦略としての利食い以外はありません。

もちろん、含み益のポジションでも決済することでその分の必要証拠金は減るので、含み損のポジションの決済と同等に証拠金維持率を改善する効果はありますが、含み益のポジションを決済するくらいなら、私なら含み損のポジションの決済を選びます。
とはいえ、このようなシチュエーションはすでに手遅れの状態です。
こうならないためにも、日々リスクを可視化し、先手先手で対応できるようにすべきです。

まとめ

どのポジションを決済するかは人それぞれ。
なるべく積み立ての目的に反せず、リスク低下の効果がより大きくなるように決済対象を決める。

私の場合は、
建値から一定幅(100pip)値上がりしたら、建値で逆指値決済。

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