【日記】 寝込む・誤飲注意・中川一政嫌い

 しんどくて、四日間寝てた。四日間寝ていて許されるのは特権だなと思いつつも、そういうことばかり考えるから罪悪感や自己否定感で悶えることになる。一日のうち四時間だけ起きて二〇時間寝る生活は病気だ。病院に行って睡眠薬と何か赤い錠剤をもらう。

 大山海先生の日記の写真はいつもいい。いいカメラ使ってるんだろうなと思っていたらGR2らしい。森山大道のカメラだ。彼の作品に合ってる気がする。場面の切り取り方がリッチな感じがする。

 食欲がないので、スープとプロテインを飲んで生きていた。キャンベル缶は塩味がキツくて苦しい。プロテインは、リッチ・ショコラ味というやつで牛乳に溶かすと美味しい。水に溶かすと不味い。今日、ようやく外へ出て肉を食べてみたが、噛むのを忘れて飲み込んでしまった。肉のかけらが喉につまって、窒息死寸前になった。後頭部を自分で思い切り殴って、吐き出して、どうにかいま生きている。

 岸田劉生に関する本をちまちま読んでいる。全部昔読んだ本だが、年をとるといろんなことがわかる。特に金銭に関することなど。中川一政という画家がどんどん嫌いになっていく。俗物が、このやろう、畜生。コピーライト的な才能、それゆえの軽薄さをどこか感じてしまう。「うちには猛犬がゐる」「顔を洗ふ」「つりおとした魚の寸法」どれもいいタイトルだが、だからこそ不信感がある。絵を描け!描いた絵はどれも、おおらか「風」である。梅原龍三郎はおおらかだが、それとは違う貧相さが厭だ。あくまで「風」だ。やせ我慢を感じる。岸田劉生の絵の徹底した貧しさに学んで欲しい。

 喉にモノが詰まるのは本当に怖い。マルゲリータを食べて、チーズで二回喉をつまらせたことがある。あのときも死ぬかと思った。多分、私は喉をつまらせて死ぬんだと思う。だから正月は絶対にモチを食べないようにして、両親がモチを食うときは、近くに掃除機を用意するようにしている。突然喉をかきむしり、次に顎を思い切りテーブルの上に叩きつける。やり場をうしなった手はシャツを引き裂き、 100キログラムを超える巨体は大きな音を立てて椅子からころがりおちる。目はカッと見開き焦点が定まらない。エビがそるように胴体はビクンビクンと痙攣し、口から緑色の液体と泡がこぼれ落ちる。目の前で両親が窒息死したら、俺は一生自分を責め続けると思う。

 

 

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