移動式クレーンの操縦

(Facebookのノートで2017/4/1に公開した記事のサルベージ)

始めに

この文章は、体で覚えることが下手くそで、頭で考えてからじゃないと体が上手く使えない私が整理のために書いた文章。だから、ちゃんとしたマニュアルのようにはなっておらず、一意に取れない記述や感覚的で不正確な表現、さらには抜けや誤った理解などがある可能性があるので、読む人は要注意。識者のコメント求む。

基本事項

とにかく慣性を意識する。荷を移動中に予想位置よりもずれたからといって慌てて合わせようとしても行き過ぎてしまい、結果的に逆方向に戻すことになりバタバタする。最終的に合えば良いので工程にかかる時間を予想してじっくり調整する。
動かし始め、停止時、振れ止めなどの時は、荷をジブの先端が追いかける様な感じで操作すると荷が振れない。その手順を分解して説明したものが次節以降の記述。
旋回や巻上げ、ジブ起しのレバーはスムーズに動かす。レバーを速く動かしてもスムーズであれば荷は振れず、ゆっくりでもギクシャクすると振れる。レバーを素早く戻す時にそれが短い距離でも、手の力を抜いてレバー自身の戻る力に任せて戻すのではなく、自分でスッと戻すこと。そうしないと最後がガツンとした動きになり荷が振れる。 多分、レバーの力で戻すと油圧シリンダーの弁が急に閉じてギクシャクした動きになるんだと思う。

荷を旋回

徐々に旋回を開始し、慣性で遅れた荷がジブの先端に追い付いてきたくらいのタイミングで適度にスピードを上げる。
止める際は旋回速度をジワリと落として、荷が慣性によってジブの先端に対して先行しかけたところで旋回速度をジワリと少し上げて荷を追いかけ、追いついたところで旋回速度をスッと下げて止める。すると荷が振れない。荷が停止位置を行き過ぎてしまうのを恐れて手前で旋回速度を落としてしまうなど微調整を行うとかえって揺れやすくなる。上記の「緩めて、追いかけて、すっと止める」という工程のみで止める。
停止した際に荷が振れた場合は、荷が振れた方向にジブの先端を持って行くようにすると止まる。例えば左右に揺れている際に、最下点から左に振れ、振れ量の半分辺りからジブを左に追いかける形でジワリと旋回し、振り切れたあたりでジブの先頭の位置と速度を荷に併せて合わせて止める。荷がわずかに揺れている状態から旋回を開始する際にも、振れ止めと同じ要領で、左に旋回する場合は、左に振れた時に旋回を始めると揺れが低減でき、止めた時にも揺れにくい。

荷を水平に前方へ押し出し(回転半径の拡大)

これは、比較的簡単。
ジブが倒れる速度は遅いのでレバーを一杯に倒し、荷が下がりはじめたらフックの巻上げを行い、巻上げ速度を調節して荷の高さを一定に保つ。
押し出しの速度は遅いので、停止予定位置より20~10 cm程度手前から停止操作を開始。止める時は先にジブのレバーをスッと戻し、巻上げのレバーと同じ程度の開き角まで戻ったら同時に巻上げレバーも戻し、結果的に同時にレバーが戻るようにする。荷が前後に振れている時は、荷が向こうにある時に止める。振れが大きい時は向こうから戻り始めた辺りで止める。
停止した際に荷が前後に振れた場合は、荷が手前に来た時にジブを起こして振れを止める。振れが止まってからジブ起しを停止する。旋回の時よりは時間が掛かる。

荷を水平に手前へ引き戻す(回転半径の縮小)

移動距離が長い場合

ジブ起こしのレバーを2, 3 cmジワッと引き、荷が動き出したら巻下げレバーを一杯に倒し、ジブ起こしのレバーを調整して荷の高さを一定に保つ。
これの停止操作が一番難しい。引き戻しは速いので、停止予定位置より60~80 cm程度手前から停止操作を開始。ジブのレバーを動かさないように気を付けながら巻下げのレバーをジワーっと戻す。巻下げのレバーがジブのレバーと同じ程度の開き角まで戻ったら同時にジブのレバーも戻し、結果的に同時にレバーが戻るようにする。これも停止位置を厳密に合わせようとするのではなく、荷の振れを見て、手前に来た時に止める動作を始める(?自信なし)。

移動距離が短い場合

これの始動操作が二番目に難しい。ジブ起しのレバーを2, 3 cmジワッと引き、荷が動き出したら巻下げレバーを4, 5 cm押し込み、巻下げレバーを調節して荷の高さを一定に保つ。しかし、ジブ起しレバーを引く量が少ないと移動速度が遅くなり過ぎるので、その場合は少しジブ起しを速くする。巻下げの速さが合わなくなるので、再調整するがギクシャクしやすい。大体手のひらの長さ位に2つのレバーが開いている位が良さげ。
停止予定位置より30~50 cm程度手前から停止操作を開始。気持ち巻下げの方が早い程度で、ほぼ同時にスッと戻す。レバー自身の力で戻さないように。ギクシャクして移動中に荷の振れが大きくなった場合は、停止予定より早めに止めて、荷振れを消すためのジブ起こし操作を行う。

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