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【第十歩】新ドラマ「unknown」を観て、「東京センチメンタル」をふたたび観るの巻

ドラマ「unknown」がはじまった

基本的に高畑充希出演のドラマ以外はほとんど観ない。
映画は義務的にある傾向の作品を観る習慣はあるものの、ドラマは一部を除き観ていない。
たとえば、この一年間に観たTVドラマは「エルピス—希望、あるいは災い—」のみだ。
ここ数年で、高畑充希出演作以外できちんと観たと言えるドラマは「俺の家の話」、「大豆田とわ子と三人の元夫」くらいである。
ということで、2023年4月、新しいドラマ「unknown」がはじまった。
ファンならば、とりあえず、観なければならない。
現在、第2回まで終了した段階だが、評価としてはなんとも判断しかねる感じだ。
高畑充希の「吸血鬼」という役も、良いとも悪いとも言えず…。
全体的にさまざまな要素を詰め込み過ぎ感があるところが、ワタシにはちょっとハマりきれない。
まだはじまったばかりなので、今後に期待するということにしよう。

「東京センチメンタル」をふたたび観る

「unknown」では、吉田鋼太郎が高畑充希の父親、そして吸血鬼という訳のわからぬ設定で、出演している。
当然ながらこの二人の共演ならば、ドラマ「東京センチメンタル」を思い出すわけなのだが、局が違うためか、宣伝などでも名前すら出てこないのはとても残念。
番宣番組の中で、吉田鋼太郎が高畑充希について「10年前から知っている」とコメントしたのは、この「東京センチメンタル」のことを指しているような気がした。
だが、「東京センチメンタル」の初回の単発スペシャル版は2014年の制作なので、やや10年には満たないので、単に会ったことがあるのが、10年前ということかもしれない。
そうはいいつつ、連ドラ版でも8年前になってしまうのだが、今観ても「東京センチメンタル」は、圧倒的に面白い!!
毎回同じ展開のストーリーなのだが、吉田鋼太郎にこれ以上ぴったりくる役は他にないのではないだろうか?
正直、「おっさんずラブ」は観ていないが、「東京センチメンタル」は何度でも観てしまうのである。

須藤あかね≠高畑充希

テレビ東京の深夜枠で放映されたこのドラマを、ワタシはリアルタイムで数回ほど観ている。
当時は、ニュース番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」の後の時間帯で放送されており、ワタシはこのドラマを特に観るつもりもなく、なんとなく観ていた。
そう、そのときは、まだ高畑充希ファンになる以前なのであった。
というか、普段ドラマはほとんど観ないために高畑充希という名前すらほとんど知らない状態であった。
ワタシがファンになるのは、同じテレ東深夜枠で数年後に放映される「忘却のサチコ」からなのである。
だから、この「東京センチメンタル」も適当に観ていたにすぎないが、ただ、この脇役の女優はかなりうまい人だなという印象だけは持っていた。
数年後にこの「須藤あかね」が「高畑充希」だということを知り、愕然としたのだった…。

「東京センチメンタル」の魅力とは?

このドラマの魅力とは、徹底的なワンパターンにある。
平成版「寅さん」の異名もついている。
(「unknown」での田中圭が「寅ちゃん」という設定だが、ただの偶然に過ぎないと思われる)
吉田鋼太郎演ずるところの和菓子屋店主、久留里卓三が、ある女性に恋をして、最後に振られて終わるという単純明快なストーリー。
いわば、このシンプルな白米のようなストーリーに、見事な味付けをするのが、高畑充希をはじめとした脇役陣なのである。
本家「寅さん」=「男はつらいよ」で言えば、妹「サクラ」に相当するのが、高畑充希演ずる和菓子屋アルバイト「須藤あかね」なのだろうが、終始ダラーッとした感じがとてもよい。
この須藤あかねの登場シーンは全話共通で、おおむね冒頭、中盤、ラストの3箇所だが、短いけれども、このドラマの肝といえる。
ワタシは、早送りしてこの店主の卓三とあかねの掛け合いのシーンだけを繰り返し観ている。
仮に「私的好きな高畑充希キャラクターランキング」をあげるならば、堂々第一位はこの「須藤あかね」なのである。
この「須藤あかね」は、あふれる脱力感と小憎らしさを基本とし、それでいて結構マジメに仕事していて、卓三のことを表面上は嫌っているようにみえつつ、わずかに想いも寄せている節もあるというキャラクターである。
繰り返される卓三とあかねの掛け合いは、最高に面白い。
これだけで、ご飯が食べられるという感じだ。
そして、連ドラ版第6話では卓三を差し置いて、あかねが主人公になってしまうというのも凄い。
ある意味、ドラマの企画の趣旨であるところの「中年男の淡い恋」を無視してしまっているのが、信じられない。
まあ、1話くらいはいいでしょうということかと推察する。
「須藤あかね」ファンにとっては神回というヤツである。

高畑充希の目の演技

高畑充希の“視線”はなぜ好感を持てる? 若手演出家が『東京センチメンタル』の演技から考察
https://realsound.jp/movie/2016/03/post-1226.html

realsound.jp

ここで指摘されているように確かに、このドラマでは高畑充希の「目の演技」が際立っているようにみえる。
何話かは割愛するが、卓三に女から届いた手紙を覗き込むシーンは興味津々な目で覗き込む。
突然訪れた来客を卓三に伝えるシーンでは、卓三との関係性を踏まえながら目で合図する。
卓三が女に会いにいそいそと出かけるシーンでは、卓三の後ろ姿をやや寂しそうな目で見送る。
そして、須藤あかねが主役の6話では、卓三から「男か!ついに男か!」と詰め寄られるシーンで、やや隠しごとありげな目で応対する。
ラストで別れのメールを受け取ったのちに、卓三に「味のある顔してますね」と、悲しく虚ろな目でつぶやく。
「須藤あかね=高畑充希」は、このドラマの中の多くのシーンで「目で語る」のである。
こうゆう高畑充希の演技力が際立っているのもこのドラマの魅力のひとつと思う。

吉田鋼太郎って何者?

吉田鋼太郎の出演のドラマは「東京センチメンタル」しか観ていない。
「おっさんずラブ」はあまり気が気が進まず、観ていない。
本来は舞台がメインで活動してきた人のようで、蜷川幸雄の後を引き継ぎ、シェイクスピアの演目の舞台監督勤めているようだ。
ということなので、できれば舞台を観てみたいと思っているが、まだ実現していない。
最近も小栗旬と「ジョン王」をやっていたが、こちらは1月〜2月だったのでちょうど「宝飾時計」と重なったこもあり、見逃した。
ドラマはともかく、舞台はいつか観てみたいと思っている俳優である。

「東京センチメンタル」の単発スペシャル版

ここまで主に「東京センチメンタル」の連ドラ版について書いてきたが、このドラマには単発スペシャル版がある。
2016年1月〜3月期放送の連ドラ版を挟み、2014年年末放送の「谷中の恋・深川の恋」と2017年1月「千住の恋」、2018年3月「御茶ノ水の恋」と3本ほどあるようだ。
このうち連ドラ後の「千住の恋」「御茶ノ水の恋」は、動画配信サービスparaviなどで視聴可能なのだが、2014年の「谷中の恋・深川の恋」は現在視聴できない。
本来ならば、連ドラ版のきっかけになった作品なので、「DVD・ブルーレイBOX」に収められてしかるべきなのだが、入っていない。
理由は定かでないが、何らかの事情が推察され、今後観られることはないかもしれない。
とても残念な限りである。

須藤あかねの変化

今回、この文章を書くにあたって、paraviに加入し単発スペシャル版「千住の恋」「御茶ノ水の恋」を再度見直したのだが、連ドラ版と比較して、須藤あかねの印象がやや異なる。
連ドラ版では、元気で生意気な印象が強いが、「千住の恋」「御茶ノ水の恋」では、やや憂鬱な感じで、若干暗い印象を受ける。
演出家は連ドラ版とは異なるためかもしれないし、高畑充希もわずかながら年齢を重ね、設定上の女子大生にはややはまらなくなっているのもその要因かもしれない。
やはり、連ドラ版の須藤あかねの方がいい。

次回は朝日座

さて、つらつらと適当なことを書いてきたが、ワタシがこのマガジンで書いていきたいのは、「冒険」である。
といっても、基本的には高畑充希出演作をきっかけにいろいろと妄想をめぐらすという意味での「冒険」であるのだが、次回は、実際に「行ってみた」シリーズ第一回を書く予定である。
というか、もう既に行ってきたので、忘れぬうちに早く書かねば…。
場所は、「浜の朝日と嘘つきどもと」の舞台となった南相馬市の朝日座である。



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